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 私は食べ物の書かれている小説が好きなのだが、それと同じくらい街の描写がされている小説も好きである。なので、食べ歩きと街歩きとが一緒になった小説のようなエッセイのようなものが私にとっては理想的であり、自分もそのような文章が書きたいなーと常々考えている。
 小説ではないが、上の条件にピッタリ当てはまるのが『孤独のグルメ』(扶桑社文庫)というマンガである。このマンガに描かれている町の描写は実に正確。たまたま地元の公園が作品の舞台になっていたのだけれど、公園内の描写も、食事処の建物の描写も実物そっくりそのまま。読んでいると自分も公園の中を歩いているかのような感覚におちいるのである。
 そのマンガにかかれている浅草の豆かん屋さんに行ってみたことがある。前日に大体の場所を調べておいたものの地図を持ってくるのを忘れてしまったので、マンガに描かれている風景と実際の風景を照らし合わせながらお店を探すというものすごい方法をとった。ところが驚くことにそれでも何とかたどりつけたのである。見つけたときは「あったー!」と歓声があがった。
 しかしその日は定休日! 泣く泣く、その辺にある喫茶店へと移動をしたのでした…。

 これは小説ではなくてマンガ。祖父の家の戸棚に入っていた一冊を読んで以来気になっていたマンガだったのだが、今日本屋で、これまでの単行本から作品を再編集してまとめたものが400円で売っていた。嬉しくて購入。
 作者の古谷三敏さんは今「レモン・ハート」というBERを舞台にしたマンガを連載中だ。ちなみに、「レモン・ハート」も、豊富なお酒うんちくが盛り込まれていて大好き。古谷さんの経営する同名のバー「レモン・ハート」は西武池袋線の大泉学園駅にあるとかで、いつかいくぞ…と思い続けていたりする。
 さて、ドラマ「タイガー&ドラゴン」の影響もあって落語はちょっとしたブームらしい。で、このマンガは個性的な落語家たちを主人公に、一話ずつ読みきりで書いたものだ。人情味に満ちていて、ほろっと泣かせるような話もある。落語家が自分の芸に対して一心に打ち込む姿勢に心を打たれるのはもちろんなのだが、それを周りで支える師匠や兄弟子たちが何とも魅力的だ。落語にくわしくなくても、一つの噺が舞台にあがるまでのドラマに酔いしれることができるだろう。
〈とはいっても、この一つひとつのお話は、お話の中に出てくる落語をモチーフにしているということもあるので、元ネタを知っている人のほうがより楽しめるのかもしれませんね〉

 これまでに読んだ本の中で、最も口にしてみたいと思う飲み物が登場したのがこの『カードミステリー』。
 父と共に、母親探しの旅に出る主人公の男の子。旅の途中でパン屋さんから小さな小さな本をもらう。その本の中の物語と、旅行の話とが交錯していく不思議なおはなしだ。
 この小説の中に「プルプルソーダ」という飲み物が登場するのだが、これがものすごく美味しそうで! その部分を引用しようと本をさがしてみたのだが家のどこにもなかった。多分誰かに貸したままだったんだろう。誰にだったか…。
 まあそれはとにかくとして、どんな飲み物だったかというと、たった一滴口にするだけで洋ナシの味だとか木苺の味だとか、さまざまな味が全身を駆け巡るというとんでもないものなのだ。膝の裏や指先に味がよぎっていったりするらしい。飲みすぎると頭がおかしくなってしまうので、口にするなら一滴に止めておいた方がいいのだそう。とても魅惑的な飲み物だ。
 この本、色とりどりの金魚とカードの描かれた表紙がオシャレなので、本棚に置いてあるとカッコイイ。ファンタジーが好きな人にオススメ☆
 ヨースタイン・ゴルデルという作家、『ソフィーの世界』を書いた人だといえば分かる人も多いのではないだろうか。『ソフィーの世界』を高校生のときに読み、途中で内容がごちゃごちゃになって理解できないまま最後まで何とか読み通した思い出がある。今また読み返したらまた面白そうだなぁ…。

 『ダーリンは外国人』の著者、小栗左多里さんのエッセイ料理漫画。この人のエッセイ漫画は絵がかわいらしくて内容も面白くて好き。しかも今回は「料理」という題材なので個人的にとっても嬉しい☆
 この本のいいところは、料理の作り方が簡単なところ。それからすぐ使えそうなちょっとしたアイデアやコツの紹介がとっても親切。焼きうどんを味つけするときに、ソースだけでなくマヨネーズも使うのは面白いし美味しそうだなと思った。
 「豆腐のラザニア」と「エリンギ丼」は試してみたいなと思っている。
 でもおやつレシピにあった、トマトとにんじんをはちみつで食べるってのは…やらない…かな…。
〈小栗左多里さんのサイト → http://ogurisaori.com/

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 友達に薦められて買った本。話を聞いてからすぐに本屋に行って家に置いてあったのだが、まだほんの2、3ページしか読んでいなかった。(ごめんなさい)
 このエッセイは一月の章〜十二月の章まであるので、今回六月の章を読んでみた。これがなかなか面白かった。
 六月の章は梅干の話だ。大正十三年に漬けられた梅干を食べた水上勉は、「五十三年も生きていた梅干に、泣いた。」ということを新聞のコラムに書く。するとある青年から「いいかげんなことをいうものじゃない」と抗議の電話かかってくる。この青年とのやりとりをまた彼はコラムに書いた。
 これを読んだ尾崎一雄が、友人から貰った「嘉永三(一八五〇)年作と明治四十一(一九〇八)年作の梅干がある」と、その味わいをエッセイにする。文章に感動した水上勉は

  まことに、人は、梅干一つにも、人生の大切なものを抱きとって生きるのである。

 と語る。
 古い梅干を口にするときに、梅干を漬けた人のこと、そしてこの口にたどりつくまでの時間のことを思うとどんな気持ちになるのだろうか…。考えるとぞくぞくしてしまう。また逆に、自分の漬けた梅干が、何十年後かになって誰の口に入るのかと想像するのもとても面白そうだ。
 梅つながりで、高村光太郎の「梅酒」という詩がふと思い出された。

  死んだ智恵子が造つておいた瓶の梅酒は
  十年の重みにどんより澱んで光を葆み、
  いま琥珀の杯に凝つて玉のやうだ。
  (中略)
  厨に見つけたこの梅酒の芳りある甘さを
  わたしはしづかにしづかに味はふ。
  狂瀾怒濤の世界の叫も
  この一瞬を犯しがたい。
  あはれな一個の生命を正視する時、
  世界はただこれを遠巻にする。
  夜風も絶えた。

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