金貨夜話

金貨の魅力にとりつかれた奴が気ままに書き綴りました

シビレた!この歌詞台詞

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Seikoと松本隆

松田聖子。

ファンだった時もあった。
登場する歌番組をVTRに撮ることが日課だったような時期もあった。
LP(CDにあらず!)をすべて揃えて、針が磨り減る程聴きまくっていた頃もあった。
シングルのB面からお気に入りを選んで、順番までこだわってテープに落としていた日々もあった。

あの頃は、どちらかといえばお気に入りのメロディということで、夢中になっていたようだ。

やっと気付いたこの詩、年甲斐もなく、シビレル‥としか言えない。
言っちゃ悪いが、他のアイドルと格が違うのは、この松本 隆の詩によるところ大ではないか。

「春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ」 (赤いスイートピー)

「真っ赤なインク 海に流してる 貴方にも見せたいわ」 (セイシェルの夕陽)

「夢の中の舗道は 落葉たちのパレット」 (愛されたいの)

「失うとき初めて まぶしかった時を知るの」 (卒業)

 この一節でピンとくる方も多いでしょう。
小松左京氏の名作「日本沈没」のラストの一節で、主人公の小野寺が恋人と離され最期の日本を脱出し、
運ばれていく列車の中で、少女(摩耶子)とのシーンです。
30年余り前に始めて読んだときの感動が今でも思い起こされる場面をもう一度。

「日本は見えるか?」
「いいえ‥」
「もう沈んだのかな。‥煙も見えないか?」
「なにも見えないわ‥」
 しばらくして、小野寺は、苦しそうに寝息をたてはじめた。
 少女−摩耶子は、反射的に右腕をあげ、切断された手首を、まるい棒のようにぐるぐる巻いた包帯で、
そっと涙をぬぐった。
 窓の外には、星一つない漆黒のシベリアの夜があり、早い冬に向かって冷え込むその闇の中を、
列車は一路、西に向かって驀進していた。

(以上引用:日本沈没(下)小松左京、文春文庫より)

解説の山崎正和氏の一言。
 「漆黒のシベリアの夜」を驀進する列車のなかで、二人が黙って横たわる場面は哀切をきわめ、
作者はただこの場面を書きたいために、六百ページの大作を構想したのではないかと、邪推されるほどである。

この場面、やっぱり「列車」が外せないですよね。
“車は一路、西に向かって爆走していた”ではカーチェイスもどきになってしまいそう。
“汽船は一路、西に舳先をめぐらし航行していた”だったらのんびり過ぎ。
”機体は一路、西に向かって巡航していた”でもなんともサマにならないですからね。

どう考えてもやはり列車。それも外国の図体のでかい黒っぽい威圧感のある列車が、シベリアを横断して驀進してもらわないと雰囲気が‥

イメージ 1 日本沈没(上)、(下) 文春文庫

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