金貨夜話

金貨の魅力にとりつかれた奴が気ままに書き綴りました

地震・雷・火事・○○

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BK:今回は確か「海の活断層」の話をするって、私め前回言いましたよね。

金蔵:何や、1年ぶりに復活したと思ったらエライ元気やな。そうそう、そう言うとったで。

BK:はいな。でも金蔵先生、正直言ってなんで海にまで出て活断層を調べるのか?って思いません
でした?

金蔵:ん?それはやっぱり津波と関係があるからでないんかいな。そうでないと、人が住んでる所でも
  ないのに、ワザワザ海まで行って調べる必要がワカラン。
  たとえ断層が動いても津波さえ起こらんかったら、海の中だったら家が倒れるわけでもないし、
  不謹慎やが別にエエんでないか?
  それに、海で調査するのも船を出したり、潜ったりと色々大変でないの?金もかかりそうやな。

BK:確かに、後で話しますが津波が起こるか起こらないかも非常に重要なことなんですがね、もっと
  大切なのは、
  “沿岸にある活断層は、陸上だけを調べていては発生する地震の本当の大きさがわからない”
  ということなんですね。

  最近、マスコミでもちょくちょく述べられているンで、金蔵先生もある程度はご存じかも知れません
  が、一般に、活断層が動くことによって起こる地震の規模(マグニチュード)は、断層が長いほど
  大きくなるんですよ。
  つまり10kmの活断層より20kmの活断層の方が、正確に倍(比例関係)とはならないんですが、
  引き起こされる地震はより大きいことが経験的にわかっております。

金蔵:まあ、直感的にも何となくわかるわな。それだけ長い範囲の地面が動くわけやから。

BK:はい、あまり専門的な話は難しくなるンで省きますが、地震の規模を表すマグニチュードというの
  は、昔は違う決め方をしてたんですが、現在は、「断層の動いた長さ×動いた幅(段差)」に
  基づいて決定してますから、断層が長いほどやっぱり発生する地震は(概して)大きくなると考え
  られるんですね。

金蔵:ふ〜ん。でも一体、誰がそれ決めたンや?

BK:金森先生という偉い偉い先生が提唱者となってます。あ、似てますが“金蔵先生”ぢゃないですよ。

金蔵:…

BK:スミマセン、先に進みますが、それでもう薄々お分かりかもしれませんけど、内陸にあるような
  活断層で、海からは離れている場合なら、陸上の調査だけでその全長がわかることも多いです。
  ただ、断層が仮に沿岸近くにまで延びていたとしましょう。
  一生懸命、陸上で調査をして、それこそ海岸までは断層が続いていると分かってたとしても、
  そこで断層が終わっているという保証は何もないんですね。
  我々は普通、陸上で生活をしてますから、なんとなく陸と海は別々なものというような印象を持つン
  ですが、
  地質的にみると、たまたまそこに水際があるだけで、地下は陸も海もなく一つながりなんですよ。

金蔵:そうか!判ってきたゾ!要するに、本当は長いかもしれんけどそれが見えていない、ってことか。

BK:その通りです。例えば、陸上で調査して断層の長さが仮に10kmであったとしても、もしかすると
  海岸線を越えて海の沖の方まで延びているかもしれず、もし海側にさらに10km延びていたならば、
  全長は20kmとなって、想定される地震の規模も一気に大きくなるわけです。
  ちょうどこの図のようにね。
イメージ 1


金蔵:な〜るほど。陸上だけで活断層の長さを決めていては、発生する地震を小さく見誤ってしまう
   可能性があるということか。そりゃ危険だわな。
   アンタが言ってた、海の活断層調査も重要ってことが漸くわかってきたわい。

BK:ただ、次回詳しく説明しますが、海の調査ってのはやっぱり陸より難しいンで、これまで中々
  進んでこなかったんですよ。体系的に進められるようになってきたのは本当、つい最近なんです。

金蔵:しかも、おそらく船酔いしながら吐きながら調査するとかな−。御苦労さまで。

(つづく)
金蔵:アンタ、生きとったんか?調査々々で過労死してるかもって噂だったべや。

BK:ホント、約1年ぶりでしたね。めちゃんこ激務だったのには違いなかったですがね。
  特に原発などの周辺に限らなくても、いま全国で活断層調査が実施されてるンで…

金蔵:活断層の調査研究って、やっぱり国が主体となってやっとるンか?

BK:そーですね。国、大学そして地方自治体といった所ですか。尤も、地方自治体は主体となって
ぢゃなく、国からの補助金や交付金を受けて実施するケースが多いですが。

金蔵:国といっても具体的にはどこが管轄になっとるんかいな?国の省庁で「地質省」とか、
「地震庁」なんてついぞ聞いたことないがな。

BK:まあ、許認可権限があるわけぢゃないンで管轄というとちょっと違いますけど、
  主体は文部科学省になってますね。
   もう17年前になりますが、あの阪神・淡路大震災を金蔵先生も憶えておられると思いますけど、
あの震災を契機にして今の文部科学省(当時は総理府)の中に、「地震調査研究推進本部」という
組織が設置されたんですよ。
ここが現在、国の地震に関する調査研究を一元的に推進する機関になってます。

金蔵:何やらスゴイ名前の機関じゃが、ここが活断層についても取り仕切っとるンか?

BK:ええ、ここが今現在で、北海道から沖縄(宮古島)まで全国110の活断層に関する
  危険度などについてのデータを取りまとめていて、HPで公開もしていますよ。
  ちなみに、ttp://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka02_danso.htm です(最初にhを)。

金蔵:全国で110もあるンか!!それならアンタが最初に言っとったように日本の何処に
  逃げても活断層ありそうやな。

BK:あの〜、110本の活断層で驚かれてるところ誠に恐縮ですけれど、110ってのはあくまでも、
地形から判断して怪しいと思われる個所を調査して、一応曲がりなりにもデータが存在するとこ
だけなんすよ。
  だからだから、まだ未調査の所も含めると、とてもそんな数では済まないんですね。
  例えば、北海道を例にとると、この推本(“地震調査研究推進本部”って長いンで、我々は省略して
  推本と言ってます)のデータでは、北側の幌延断層帯から南側の函館平野西縁断層帯まで10箇所が
  示されてますけど、実際には北海道内だけでも50〜60本の活断層があると考えられてますね。

金蔵:なんとまあ、それやったらアンタ確かに休む間もないな。今年度も大変なんか?

BK:はい極めて大変ですね。しかも、今までは陸上での調査が殆どでしたが、最近はそれに加えて
海の活断層ってのも対象になって来たンで…
  
金蔵:海の活断層か。それはもしかしてイヤな予感がするが津波にも関係あるんか?

BK:ご明察。では次回、海の活断層と津波との話と行きましょう。
  前回の、活断層のズレた回数の話がまだ途中になっててスミマセンが。

(つづく)
BK:さあ〜て、皆様が待ちに待った続きといきませうか。

金蔵:誰が待っとったって?よもや、前回みたいな絵一つなんてことはあるまいな。

BK:まあ見とりなはれ。ところで問題なのは、何故ゆえ断層が昔から何度もくり返して動いてきたかが判るのか?
  でしたよね。
  タネを明かせば実に簡単なんで少々恥じらう程なんすけど…

  前回、地層が横から押されてずれる逆断層の図をお見せしましたよね。
  あの図では省略してましたけど、実際の地層はこのように、石や砂や泥や岩などが何層にも重なって
  出来てるンですよ。イメージ 1 もちろん、年月とともにだんだん積み重なっていくんで、下のほうは古く、
  上になるほど新しい時代の地層になるわけです。

金蔵:某国営放送N○Kの特集なんかで時々、グランドキャニオンとか出てくるがあんなん見とると、いかにも
   エライ昔から堆積してきたって気がするがな。

BK:そうですね。あれはほんとに、何千万年とか何億年とか気の遠くなるような年月をかけて堆積した地層を、
  川がどんどん削っていってくれたンで、今あのようなすごい断面を我々が見ることができるんですね。
  話を戻しますが、この地層に力が加わって地震が起こり、逆断層が発生したとしましょう。
  そーすると、こんな感じになるんですが、イメージ 2 

金蔵:何か垂直にズレとるようじゃが、これでも逆断層って言うんかい?

BK:まあまあ細かいことは放っといて…ただ単に斜めにズレた図を何層も重ねて描くのが面倒くさかっただけで、
  あまり追求せんといて下さいませ。
  そして、地震が起きてから長〜い年月が経つうちに、このズレた面の上にもまた土砂が堆積してくんですよ。
  長い年月といっても何千年、場合によっては何万年ってオーダーの話になりますが、
  イメージ 3その場合土や砂はどうしても低いほうに流れていくンで、段差を埋めるように
  なってくんですが、この絵、感じ出てますかね?

金蔵:ウンこれも感覚的にはわかる気がするぞ。断層で出来た段差の窪地を少しづつ埋めてって、だんだんと
  平坦になってくってところかいな?

BK:そうなんです。そこで、長い年月ずっと加わり続けた力に地殻が耐えきれず、またこの古傷が裂けたとすると、果してどうなるか、ひょっとして先生ならもう予想できてるンぢゃないですか?
  イメージ 4
  
金蔵:ワカッタ!なるへそ、これでズレた量だけでなく回数もわかるわけか。頭いい奴もいるもんだべな。

BK:では詳しい説明は次回といたしましょう。といっても、もう絵みたらお分かりですよね…

(つづく)
BK:前回のお話、いかがでしたかね。分かりづらいことなかったすか?

金蔵:いいや、ワシみたい専門外のジジイでもついて行けたわ。断層は地殻の傷ってイメージもわいてきたし。

BK:そりゃ何よりで。今回は図面も使わせてもらうげ、よーく聞いとりまっし。

金蔵:なんじゃい?今、よーわからんかったが、どこの方言じゃ?

BK:えー、実はこの前、金沢に旅してきたンですがね、街の方々が使ってましたぜ。“金沢弁”らしいっすよ。
  でもでも、にわか金沢弁だから地元の方が聞いたら使用法が違ってるかもしれませんがね。

金蔵:わかったから早よせい、断層の話の続き。

BK:はいはい。前回確か、プレートが押し合う力が原動力となって地殻に傷が…って話しましたよね。
  このように、地殻に横から押す力が加わって起こる断層を我々は、「逆断層」って呼んでるんですよ。
  逆ということはもちろんその反対に、引っ張りの力で起こる「正断層」というのもあるんですがね。
  このところTVでも、解説に登場する方がよく使いますので先生も聞かれたことはあると思いますが?

金蔵:ワシの住んでる地域とかでも、今まで押される力が働いて逆断層の地震がよく起こっていたけど、あの
  大震災以降、地殻に働く力のバランスが崩れてこんどは正断層の地震が起こるようになった、とか
  言っとるわい。
  だが別に正だろうが逆だろうがどっちでも、地震がよく起こることには変わりないけどな。

BK:そう言われると身も蓋もないんですけど…ちなみに、逆断層のイメージを絵にしますと、
  こんなもんになりますがイメージ 1、下手な絵ですんません。

金蔵:いいや、いかにも押される力に耐えきれず割れた!って感じがよく出とる。この、ズレてるのは
  いわゆる“地層”って思っていいんかな?

BK:その通りです。昔々の理科の授業思い出していただければいいんですが、要するに長〜い時間をかけて、
  砂や泥や石がどんどんどんどん積み重なって出来たのが、今私たちが立っているこの地面(地殻)
  なんすよ。
  動かざること大地の如しとは言いますが、大地だってこのように何十年、何百年かに一度は動くってことも
  あるから始末が悪いンで。

金蔵:ふむふむ。しかしな、「活」断層って言うくらいやから、一度でなく何度もくり返して動いてるって
  アンタ前に言っとった様な気もするがな。一度できた傷のところはまわりに比べて弱いから、同じ部分で
  またズレるのは感覚的にも理解できるが、でも何でそれが判るんやろな?これまで何回動いたって昔から
  ずっと見て数えてきたわけでもないのに。

BK:おー、それを数えるのが実は小生がやってる調査なんすよ。今までこの断層がどのくらい前から、何年間隔
  で、一回につき何メートルくらいずれたか、とかね。
  で、これもまた絵を描いてきたンですが、どうやらスペースがもう無いようで、次回ってことにしましょう。

金蔵:何じゃ?図面も出して判りやすくするから乞うご期待とか言っとったクセに、あんな絵一つで済ますンか?

BK:申し訳ござらぬ。次回こそ豪華に図解といきたいんで、今、一生懸命描いとります。

(つづく)
金蔵:あの大震災以降、暫らくはどのチャンネルみても原発でなければ断層の話、って日々が続いたのう。

BK:そーでしたね。まあ、あの本震を起こしたのはいわゆる活断層ではないンですが。もっと遥かにスケールの
  大きな断層でしたから。

金蔵:そのあたりの話がどうも素人にはわかりづらくていかん。そもそもアンタら専門家が、「断層って何?」って
  聞かれたらどう答えるん?

BK:う〜ん、一番わかりやすくいえば、「地殻(地面)の傷である」というのが最も適当かと存じますが。

金蔵:地面の傷?カットバン貼っておけばいいんか?それともワシらの年代ならサビオになるかな。

BK:プッ、先生のご年代ならバンドエイドあたりぢゃないですか?おっと失礼。冗談はさておき、本当に
  断層は地殻の傷なんですよ。

金蔵:まあ、“地割れ”とか見てると確かに地球が傷を負ったって気もするがな。

BK:例えば、人間の体でも無理に引っ張られるとか、叩かれるとかして大きな力が加わったら傷ができますよね。
  地殻も、人間に比べれば堅くて丈夫なんですが、それでも物凄い力が加わると耐えられずにどこかが割れ
たり、裂けたりしちゃうんですね。

金蔵:その物凄い力って、よくTVで偉い学者さまが説明してる、プレートの動きとかいうモノなんかい?

BK:まあ、原動力はそう考えていただいて間違いありません。要は、堅いもの同士がギューギュー押し合って、
  時々その境界面で「ズルッ」と滑った結果生じたのがあの巨大な地震であり、
  堅いもの自体が押す力に負けてしまって傷ができ、内部で割れたりズレたりするのが普通の断層による
地震、と、ちょっと乱暴なたとえですが…

金蔵:そうか。ほなら、特定のものに活断層ってわざわざ「活」をつけるのはなんでかいな?

BK:うん、傷でもよく「古傷」とかあるでしょう。昔々怪我した所に傷跡が残ってる方もおられると思いますが、
  それと比較して、つい昨日切ってしまったとか出来立ての(ほやほやの?)傷、それが活断層なンですよ。
  金蔵先生ももし今、誤って指を切ってしまったとしたら、それこそバンドエイド貼って動かさないように
  しときますよね。そうせず傷口がよく固まっていないうちに動かすと、またそこが裂けて痛い目に…

金蔵:わかった!な〜るほど。一旦傷ができたところは時間をかけてしっかり固め(治す)ないと、また
  何かのはずみで出血しやすくなるもんな。地殻の傷もそれと同じか!それで「活」なんやな。

BK:さすがご理解が早い。一度断層でズレたところは言ってみれば、地殻の弱点なんですよ。
  しかもプレートの動きという原動力は、情け容赦なく休むことなくどんどんどんどん押し続けてきますからね。
  そのため、十分固まっていない傷跡が裂けて同じところがまた動く、ことを繰り返すわけです。

金蔵:あの元プロレスラー、○ブドーラ・ザ・ブ○チャーの額みたいに…、傷が毎回割れて痛々しかったのう。

BK:伏せ字にしてる意味ほとんどないと思うンですけど。では次回は少し図解も入れて、さらに分かりやすく
  いきませう。乞うご期待を。

(つづく)

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