|
1984年に、渋谷のLIVE―INNで初めてBOφWYのライヴを観た時、
4人の<身体性>に度肝を抜かれた。その身体性とは、
ギターリストの布袋寅泰を例にとれば、単に背が高いだとか
手足が長いだとかということではない。もちろん、そうした
生来的な獲得形質があったればこその身体性という側面もないではないが、
仮に布袋と同じ体形のプレイヤーが左足をほぼ垂直に折り腿の付け根まで
上げたとしても、あのような“エモーショナルな美”には、ならないだろう。
ずいぶん後になって、あのアクションはアタッチメント=エフェクターを
踏む瞬間をわからなくさせるための、半ば“必要に迫られての”ものだと
知ったのだけれど、“音楽にとっての美とは何か?”を追求しなければ、
一朝一夕にはできてくるものではないことを感じ、その内容面を
僕なりに探求してきたら、20年などあっという間だった。
『ALL TIME SUPER BEST』に収められた「LONELY★WILD」の、
さざ波のようなオーケストレイションを聴いていると、
布袋がやってきたことと僕の探してきたことが微妙にビブラートして
くすぐったい甘美さが胸に満ちる。そして、布袋が持っている
「狂気を濾過した知性と痴性」は、まだまだ世間に知れ渡ったわけではないとも思う。
だとしても、25th Anniversary、本当におめでとう。
僕も17歳で活字デビューしてから28年の歳月を刻んで、まだまだ続行中である。
お互い、最期の時まで、油断せずに美を追求しましょう。
●音楽文化ライター:佐伯明
|