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今日からしばらく、最近こだわっているガールズ・ポップについて書く。「ガールポップ」という言葉があるが、こちらは日本の若手女性ポップス歌手・シンガーソングライターを盛り立てていこうというメディアミックスムーブメントを想起させるので、あえて「ガールズ・ポップ」という言葉を使った。とはいえ厳密にジャンル分けをしている訳ではなく、とにかく女性ミュージシャンのアルバムをこのカテゴリに収めていく。今日のアルバムはFreyaの「Tea With The Queen」だ。
FreyaはFreyjaとも綴り、ノルウェー神話で愛を象徴する女神のことだ。CDライナーの内本順一によると、Freyaは1978年にデンマークのチュナーという小さな町に生まれた。デンマークとノルウェーはスカゲラク海峡を挟んで海に隔てられた隣国だ。両親はともにデンマーク人で、1982年に教師である両親がボランティア団体によってタンザニアに派遣され一家転住、タンザニアのアメリカンスクールで学ぶようになる。Freyaが4歳の頃にあたる。その後一度デンマークに戻るが、1988年にはケニアに移り住むことになる。ナイロビ近くの町ティカのイギリス系寄宿学校に学び、ここで歌のレッスンを受けたという。このときFreyaは10歳ほどの頃だ。1991年にはデンマークに戻りギターを学ぶ。地元の音楽学校にも通い、9年生の中等学校に在籍中からバンド活動を始めたという。
Freyaの魅力は、裏声をうまく使ったハスキーな歌声にある。歌い出しにかすかに裏返る歌声。そして自分の声を効果的に表現するメロディーライン。若々しいエネルギーにあふれている。アルバムに収められた曲は14曲で、シニカルな歌詞の曲もあるが、Freyaの声質のために、どの曲もポジティブで明るいイメージに彩られている。だが歌詞は恋人との離別を歌ったシニカルなものもある。一度聴けば忘れられない印象的な曲ばかりで、語りかけるように歌う1曲目「It's Already Wednesday」、ドラマチックな「Sir Oliver」、とてもポップでFreyaの声がぴったりの3曲目「Yellow Ladybird」と軽快な曲が続く。4曲目「Mother」では母との心のつながりを歌い、5曲目「Little Miss」では少し気持ちのあわない友達のことを歌い、6曲目「No Pity From The Flowers」ではひとりの女性の成長を花の成長と重ね合わて歌うと、少し落ち着いた雰囲気の曲が続く。そして7曲目「She Was Always On Her Mind」は女性が女性に惹かれる歌。
8曲目「Why Girls Like Me Eat Boys Like You」ではアコースティックギターだけをアルペジオ伴奏して歌う、とても印象的な曲だ。歌詞も「女の子が男の子を食べる」といったシュールなもの。9曲目「Toungue Tied」、10曲目「Stupid Liar」は恋の曲。11曲目「The Laws Of Digging」は叙事的でドラマチックな曲。12曲目「Oranges」はあなたと私をオレンジとリンゴなどに喩えて言葉遊びをする。13曲目「Mr. Opposite」は少し深刻なイメージで、互いに心がぶつかりあう二人を歌っている。最後の14曲目は「Yellow Ladybird」のアコースティックギターバージョンだ。
とにかく清々しい。そしてキュートだ。飾ることなく素直に自己を表現している感じがある。余計なエフェクトを排したボーカルの録音手法もいい。天使の歌声だ。
このアルバムは1999年にPolyGram Denmarkから発表された。このCDはポリドール株式会社から発売された日本盤だ。(20100906/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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