カルト・ミュージック・コレクション

プログレ、ジャズ、現代音楽から歌謡曲まで。読め!聴け!(本家http://www.cultzone.net/)

プログレッシブ・ロック

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 次のページ ]

イメージ 1

このアルバムも数え切れないほど聴いた。もちろん当時はアナログレコードでだった。このアルバムの芳醇な曲の数々は、クラスターの2人、ハンス・ヨハンス・ローデリウスとディーター・メビウス、そしてブライアンン・イーノ、そしてエンジニアとしてのコニー・プランクの4人が紡ぎ出した奇跡といっていいだろう。

クラスターの2人とブライアン・イーノのコラボレーションは、これ以前に「Cluster & Eno」がある。こちらのアルバムが実験的な要素を強く感じるのに対して、「After The Heat」は完成度が高いアルバムだ。単なる様々な試みというのではなく、楽曲として完成されたものが集まっている。シンセサイザーだけではなく、エレクトリック・ギターやエレクトリック・ベース、ピアノなどの楽器もふんだんに使われている。それらの楽器は、ナチュラルに奏されて加えられているものもあるが、強烈にエフェクトをかけられているものもある。たくさんの楽器が渾然として波のように迫ってくる。念入りに作曲と演奏がされ、トラックダウンにも手間と時間をかけたに違いない。

そしてこのアルバムの魅力のひとつとして、ブライアン・イーノの歌が聴けるところがある。イーノの歌は2曲目「The Belldog」と4曲目「Tzima N'arki」、7曲目「Broken Head」で聴くことができる。なかでも「The Belldog」の歌は、とてもナチュラルでいい。逆に「Tzima N'arki」ではテープの逆回転風のアレンジがされていてアバンギャルドだ。ちなみにこの「Tzima N'arki」でベースを弾いているのはホルガー・シューカイHolger Czukayだ。

最後の10曲目「Old Land」の美しさはどうだ。他に例えようもない。この曲を聴き終わり、しばし呆然と心の佇みをする。至福の瞬間だ。何度聴いても、この終焉に心を打たれる。このアルバムは1978年に発表された。ブライアン・イーノにとっては、前年に「Before And After Science」を発表し、最も油の乗り切ったときの作品だ。このCDはsky recordsから発売されたドイツ盤だ。(20071119/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Discreet Music / Brian Eno

イメージ 1

「Discreet Music」は30分以上の曲だが、アナログレコードでは確かA面に収められていた。通常LPレコードはAB両面で45分程度のものが普通だったので、片面30分というのは異常だった。そしてB面の曲が短かすぎることも奇異に思えた。あまりにバランスが悪いこと、曲の雰囲気が違いすぎることから、A面とB面をひとつのアルバムとしてではなく、別々の作品として聴いていたように思う。記憶の中では「Discreet Music」だけが鮮明に残っている。

学生時代のある時期、この曲を部屋の中でかけ続けていたときがあった。当時はレコードだったが、針の磨耗やレコード盤の消耗が気になるのでレコードをかけ続けることには抵抗があり、テープレコーダーに録音して聴いていた。当時もはやカセットテープが主流だったが、長時間流し続けるために、あえてオープンリールのテープデッキを使い、さらにテープスピードを最も遅いスピードにして聴いていた。長いテープに何度もDiscreet Musicを録音し、続けて聴けるようにしていた。

当時LPで聴いていたときは、この曲はとてもアコースティックに聴こえたものだが、今あらためて聴いてみると、それもカナル型のイヤホンで聴いてみると、やはりシンセサイザーで演奏されていることがわかる。そして音が硬い。記憶の中では、昔LPで聴いたとき、もっと柔らかな音だったように思う。実際にLPであったからなのか、アンプやスピーカーの特性なのか、ディジタル化のためなのか、あるいは記憶の中で変質してしまったのか。

タイトル曲の「Discreet Music」以外には「Three Variations on the Canon in D Major by Johann Pachelbel」が収められている。(i)Fullness of Wind (ii)French Catalogues (iii)Brutal Ardourの3曲だ。レコードではB面になっていたと思うが、これはヨハン・パッヘルベルの作曲で、「パッヘルベルのカノン」として有名な曲だ。だが残念ながら「Discreet Music」ばかり聴いていた俺には、これらの曲の印象はほとんどない。綺麗な曲だが、「Discreet Music」の特異性の前には、凡庸に思えてしまう。

「Discreet Music」は1975年5月9日にBrian Eno's Studioで録音された。「Three Variations on the Canon in D Major by Johann Pachelbel」は1975年9月12日にTrident Studiosで録音された。このアルバムは1975年に発表された。このCDは、1988年にVirgin Japanから発売された日本盤だ。解説を赤岩和美さんが書かれている。

「Discreet Music」は静かな部屋で、小さな音で聴きたい。(20071031/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Harmonia / HARMONIA

イメージ 1

「ハルモニア」はギリシャ神話の登場人物から名づけられたのだろうか。ギリシャ神話のハルモニアは、戦いの神アレスと美の神アフロディテの子として生まれた。兄弟にはフォボスとディモスがおり、この名前は火星の2つの衛星の名前につけられた。ハルモニアという言葉は、ハーモニーの語源でもある。

ハルモニアは、クラスターの2人とノイのミヒャエル・ローターによるプロジェクトだ。この「ハルモニア」というアルバムと「デラックス」というアルバムを発表している。当時レコードで発売されたこの「ハルモニア」というアルバムに付けられた邦題は「摩訶不思議」だった。レコード会社の担当者も、この音楽に面食らい、苦肉の策で付けた邦題のような気がする。

さて一曲目「Watussi」であるが、あらためてこの曲を聴いて思うことは「これは再結成キング・クリムゾンではないか」ということだ。ピコピコしたギターの音は、再結成キング・クリムゾンでのロバート・フリップのギターを想起させる。リズムボックスではあるが淡々としたリズム、フリッパートロニクス風のギター。「ロバート・フリップはハルモニアに影響を受けた」という仮説を立ててみたい。

軽快なリズムの曲から一転して2曲目「Sehr Kosmisch」は混沌としている。重くずっしりと脈打つシンセサイザーのシーケンスリズムに乗って、どんよりとしたシンセサイザー音が重なる。そして3曲目「Sonnenschein」は、なんとなく優雅な中国を感じさせるような打楽器のリズムが、次第に行進曲のようになってくる。4曲目「Dino」はポップな曲だ。アルバム「アウトバーン」の頃のクラフトワーク的といっていい。5曲目「Ohrwurm」はねじれるようなシンセサイザーの音で始まる。いや、どうやらこの音はシンセサイザーではなく、強くエフェクトをかけたエレクトリックギターの音のようだ。リズム感に乏しく、サウンド・コラージュといった感じだ。

6曲目「Aho!」はギターとピアノの曲。リリカルで美しい。この静かなさわやかさは、ローデリウスのソロアルバムで感じるものと同じだ。7曲目「Veterano」は再びポップな曲。最後の8曲目「Hausmusik」は、まるでエリック・サティを意識したかのようなピアノ曲。こもったロー・ファイな音がいい味を出している。途中で邪魔するようにシンセサイザーの音が重なり、再び静かに終焉を迎える。余韻のあるアルバムの終わり方だ。

このアルバムは1974年に発表された。このCDは「NICE PRICE 1800」としてポリドール株式会社から1995年に発売された日本盤だ。(20071022/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Sowiesoso / CLUSTER

イメージ 1

当時、輸入盤のレコードで聴いたときは、いったいタイトルを何と読めばいいのだろう、と思った。今では「ソヴィゾーゾー」と表記されるようだ。学生時代に聴いたときは、インパクトのない音楽だ、と思ったが、聴きこむにつれて良さがわかってきた。

アルバムのトータル性が高い。クラスターといえば電子音楽というイメージがあるが、意外にギターやパーカッションなど電子楽器ではないものが使われている。1曲目のタイトル曲「Soeiesoso」はミニマル的な繰り返しの曲で、その淡々としたリズムは初期のクラフトワーク的だ。2曲目「Halwa」はやや重く暗いイメージの曲。3曲目「Dem Wanderer」では小鳥のさえずるようなシンセサイザーの音が面白い。4曲目「Umleitung」は、ベースとシンセサイザー、ピアノで始まり、次第に音が重なって高まり、ざわめく人たちの声で騒がしくなる。壊れたギターのような音も奇妙に溶け込んでいる。5曲目「Zum Wohl」はシンセサイザー中心の曲。牧歌的でやさしい雰囲気を持っている。

そして6曲目「Es War Einmal」は素晴らしい。いろいろなことを試しながら生まれたであろうこの曲は、ひとつの奇跡である。単純なコード進行を執拗に繰り返すエレクトリックピアノとシンセサイザーのフレーズが、絡み合う糸のように流れていく。同じフレーズを弾いていながら、どの瞬間も同じではない。すべての音を感じたい。気がつけばぐいぐいと引き込まれている自分にはっとする。

最後の7曲目「In Eiwgkeit」はアルバムの最後をしめるのにふさわしい曲だが、ジャズとブルースのイディオムが強すぎて、やや興ざめな感がある。クラスター的なものが感じられにくいのだ。

このアルバムは1976年に発表された。このCDは2000年にGakken Co.LtdとPLATZ、日本コロンビアから発売された日本盤だ。Gakken Co.Ltdは「科学と学習」の学研のことらしい。(20071019/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Cluster & Eno / Cluster & Eno

イメージ 1

Moebius,Roedelius,Enoという3名の名義で出された「After The Heat」には思い出がある。これは素晴らしいアルバムだった。当時はレコードの時代だったが、カセットテープレコーダーに録音して何度も何度も聴いた。このアルバムは「After The Heat」の前の作品にあたる。この時期のクラスターはHans-Joachim Roedeliusハンス・ヨアヒム・ローデリウスとDieter Moebiusディーター・メビウスの2人であり、このアルバムと「After The Heat」は双子の兄弟のような関係にある。

「After The Heat」はとても完成度の高いアルバムだったが、このアルバムは、アイデアが丸裸で放り出されたような感がある。シンセサイザーの音の使い方も素直で、素朴な印象がある。しかしシンセサイザーだけで作られた電子音楽ではない。ピアノや打楽器、エレクトリックギターらしき音も使われている。8曲目「One」ではシタールのような弦楽器も聞こえる。

全体的に素朴な作りの中で、4曲目の「Fur Luise」の優しい音世界はどうだ。どこまでも深く心を誘ってくれる。芳醇なストリングスを背景に、触れれば壊れそうなほど華奢に漂う電子音のフレーズ。これは果たしてシンセサイザーなのだろうか。鍵盤楽器ではない電子楽器のように思える。これほど微妙な浮遊感は、キーボードではコントロールできない気がする。それにしても至福の時間だ。

このアルバムは1977年に発表された。このCDは2000年にGakken Co.LtdとPLATZ、日本コロンビアから発売された日本盤だ。Gakken Co.Ltdは「科学と学習」の学研のことらしい。(20071018/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 次のページ ]


.
ホチキス先生
ホチキス先生
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

素晴らしきロック野郎ども

標準グループ

登録されていません

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事