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温泉入口にたどりついた時には、すでに夕方の気配を増していた。 車を止め、温泉へと降りてみると、大きな風呂には男性が2人裸で入っていて、それにかれらと話をしている男性が服を来て風呂際にたっているという構図だった。 駐車場にはトラックがとまっていることから、おそらく、トラック野郎の休憩の場となっているのだろうな。 我々が来たのを見て、明らかに服を来たおじさんはこちらが脱いで入るまで待つという作戦に切り替えたようだった。 その雰囲気は連れも察して、 「あのおじさんがいる間は入りたくない」と言う。 確かに女性がいない中、一人で裸にさせるのはしのびない。 どうしようかと逡巡していると、対岸の方の風呂で人影が揺れた。 その一つが立ち上がり、こちらを向いた。 胸の膨らみと股間の陰りが見えた。 おそらく、カップルか親子連れなのだろう。 だったら、対岸がいい。 ただ、対岸はこちら側ほどの湯量がなく、確かあまりきれいでなかった記憶があったし、この時期であれば、川をそのまま渡るのではなく、大きく車で回り込み、そのうえで少々歩かなければならなかった。 そういう面倒もあって、さらに迷い、このまま帰るのでもとも思ったが、退却はあまりいい気分でないので、意を決して対岸の風呂へ向かうことにした。 車で上流へ500メートルもいくと、左岸へ渡る橋がある。 これを渡ってそのうえで、右へ100メートルもいくと、車が一台とまっている。 反対側の駐車場同様、「日中の使用のみに限る」の看板があり、ここが入り口であることを教えてくれる。 帰りが真っ暗になることがわかっていたので、ライトを用意して出発。これが結構あるのだ。 徒歩10分ぐらい。 林の中につけられた踏み跡を忠実にいけば、やがて、草やぶの上に湯気があがり、到着だ。 夫婦に2、3歳ぐらいの娘という組み合わせだった。 ここは石で区切られて3つの風呂になっている。 山側の風呂が山の壁と床から湯がわいているせいで、最も熱く、続いて西側の風呂も湯が下から沸いていて次に熱い。 川寄りの風呂がいちばん温いということになる。 夫婦連れはその一番温い風呂にうつぶせになって横たわっている。 娘はうろうろあっちへいったりこっちへきたりと忙しい。 我々も早速、裸になって突入。 一応、目があった時に挨拶はしたものの、彼らは家族水入らずの所の侵入者として受けとめているようで、余り歓迎の様子ではない。 まあ、そんなことはお構いなし。 まずは2番目の風呂に入る。 床からじとっと熱い湯が湧いてくる。 下手な場所を選ぶと、いささか熱いが、結構気持ちのいいものだ。 またもやビールをいただきながら、とっぷりと暮れようとしている川のほとりのムードを楽しんだ。 ここは対岸の道路が幹線ということもあって、交通量が激しく、行き交うトラックの音で静けさというものはない。 それが少々、減点の対象かもしれない。 連れは「私は熱い方が好き」と言って、一番熱い風呂に浸かる。 こちらもおそるおそる入るが、これが結構、いける。 心地のいい汗と冷たいビールというのはやっぱり乙なものだ。 夫婦連れの旦那はやっぱり、ヒゲが濃く、しかも、長髪。 ヒッピーの末裔みたいのが温泉好きに多いのはなぜなのか。 これは大きな課題だ。 嫁さんの方はというと、黒髪の結構かわいい女性。 子どもを一人生んだとは思えないスマートな肢体。 彼らはあたりに闇が降りだしたころ、出ていった。 我らはさらにねばって入っていた。
残念ながら曇天で夜空の星が眺められない。 対岸を走り抜けるトラックの車体についた電球が流れ星のようだった。 真っ暗になってから出て、あとはライトで行く手を照らしつつ、車へと向かった。 (12月6日訪問) |
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2013年10月09日
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