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はい、では今回は296条以下ということで、話をしたいと思います。
まず296条ですが、これは担保物権であれば必ず有する性質、「不可分性」です。
担保される物は金銭などと違い、分割することが出来ないことに理由があります。
ex. 金の担保で預かった高そうな時計 = ノコギリで「分割」したら価値ゼロに…
仮に、債務者が全部の弁済を終わらせていないのに物の一部引き渡したとしても、その残部について留置権を主張するのは可能です。債務者にとって土地の一部を返してもらっても、残りを占有されていては、仕事をするにも家を建てるにも邪魔でしょうがないはずです。
(もちろん、動産であっても同様です)
であれば、債権者は「邪魔だと思うならさっさと金払え」などと主張可能で、担保物権の効力はあります。
また、物を留置する場合、その物から新たに価値のある物が生まれてくることもあります。 例:不動産(農地)を預かった際に出てきた農作物 など それを取得するのは誰かといえば、留置権者が一番妥当です。 放っておけばダメになる、しかし何の根拠があって債務を抱える所有者(債務者)に渡す必要があるのか… ならば、果実の存在に一番早く気づく「留置権者」に与え、その分、所有者の債務を減額すれば一番合理的としたのが297条です。とはいえ、債権者の権利を十分に保障するにはいい加減に減額できず、順番が必要です。 それが、297条2項、「まずは利息に、それで余れば元本に」という文言です。 利息は、法定利率では5%(商法では6%)、約定(契約で決める場合)は利息制限法の制限内で、 というのが大まかな決まりです。
…当然ですが、利息は債権者が主張すべき「権利」の一部です。
元本分のお金を借り、一定期間そのお金を債権者に使わせないなら、その期間の「迷惑料」として利息が成立し、債務者はその保証をすべきです。
また、留置権に基づき「預かっておく」のは自分の債権(財産)を守るためで「支払わない=その物を処分」は、やりすぎです。あるいは債務を履行するまでに、その物の価値を下げるようなマネをするのもルール違反でしょう。 逆に、債務者の承諾があればOKです。これは、国側が所有権を有する債務者の権利行使を法律で制限するのはNGとも読めます。これが債権者、債務者双方の権利保護になるのです。 ちなみに、債務者と所有者が違う場合、「債務者」を物の処分権限がある「所有者」と読み替えます。
これも、前の内容が関連するといえるでしょう。
また、管理の方法に落ち度があった、あるいは承諾なしに処分(賃貸・担保の設定 など)すれば、債務者は留置権を消滅するよう請求できます。この「債務者」は、留置権があることで不利益を負う者の事を指し、所有者、第三取得者もこの中に入るのが298条です。 長くなりましたが、これで今回は以上です。次回は「298条3項について」から話をしたいと思います。 読んでくれてありがとうございました。 |
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では今回は担保物権の具体的内容で、条文では295条になります。
そこには「留置権」というタイトルがあります。
その「留置権」とは 「他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権を有する場合、 その弁済を受けるまでその物を留置して債務者に弁済を促す権利」 です。 使う場面は 「所有者(A)が家を売り、それを買主(B)が買う約束をした」 という設定です。 先取りですが、売買契約は口約束でも可能ですが、Bが支払うべき金を払わない場合どうなるか。
Aはこう言うでしょう。 「お前(B)は期限を過ぎてなぜ金を払わない!?その気なら家は渡さないぞ!」 これは当然の主張であり、これが留置権の行使の場面です。こう言えば、もし、Bが「うっかり」していたならば
「お金を払わない限り家は渡してくれない」と分かり、払ってくれやすくなります。
もちろん、「わざと払わない」なら、さらに次の手段がありますが、ここではまだ話は出しません。
そもそも、留置権は物権であり、第三者に対しても主張が出来ます。
これは類似の債権、「同時履行の抗弁」との違いの1つです。物権は排他性があるためです。
とりあえず、類似の権利に 「同時履行の抗弁」 がある、という事で流してください。
さて、今回のPOINTの1つです。それは、
「物権の設定および移転は当事者の意思表示のみによって生じる」という176条の規定です。
契約は、意思表示で行われるので、売買契約をした時点でその物の所有権はAからBに移っているのです。
そのため、見た目では自分の物を占有している「A」ですが、法律上は「B」の所有物なのです。 だからこそ、「他人の物の占有」という要件があるのです。
ここで、留置権の成立要件を挙げます。確認してみてください。
担保物権は債権者の権利保護が目的のため、行き過ぎれば債務者の権利侵害になります。
そのため、むやみに成立を認めないよう「成立要件」で防いでいるのです。
この4つが成立要件で、POINTの2つめです。
① 債権と物との間に牽連(けんれん)関係があること ∵ 「その物に関して生じた債権」 から
② 債権が弁済期にあること ∵ 1項但書 から ③ 留置権者が他人の物を占有していること ∵ 「他人の物の占有者」 から ④ 占有が不法行為によって始まったものではないこと ∵ 2項 から 留置権は、債権の「弁済期」を過ぎて初めて成立し、
占有は181条でもあったとおり、代理占有者、つまり第三者が占有していてもOKです。 また、2項にあるとおり、不法行為によって始まった占有を留置権で保護しては国が不法行為を認め、保護する結果になるため、それはNGということです。 (契約終了後にそれを留置する資格がないことを知りながらそれを所持していた場合も同様です。)
以上が今回の話で、次回は296条以降を話します。読んでくれてありがとうございました。 |
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はい、では前回の続きで「担保物権の通有性」についてです。
が、その前に前回の内容を少し。
担保権は「債権者の権利の保証を担う権利」で、人的担保、物的担保と大きく分けることが出来ます。 そして、人的担保のほうは債権の性質をもつので先々に…ということです。 では、今回の「通有性」についてです。 担保物権は6つの通有性があり、通有性そのものは「通常有する性質」を意味し、その6つが ・ 付従性 ・ 随伴性 ・ 不可分性 ・ 物上代位性 ・ 優先弁済効 ・ 留置的効力 とあります。 付従性、随伴性は前に「鉛筆と影」の話をしました。 そのときの「鉛筆」は「要役地における所有権」、影が「地役権」でしたが、 今回は「鉛筆」は「被担保債権」(保証されるべき債権)、影は「担保物権」と読み替えてください。 付従性は、「鉛筆」が消えれば影も消える、 随伴性は、「鉛筆」が人の手に渡れば「影」も渡る。ということです。 不可分性は少し説明不足でしたので、もう一度。 地役権では共有関係における「自己中心的な行動の禁止」でした。 これは個人が独自に処分は出来ないというもので、目的は地役権の存続を保つためです。 担保物権の場合は、「被担保債権の全部の弁済が終わるまで担保物権は消えない」となります。 あくまで担保物権の目的は「債権者の権利の保護」です。例えば金を借りた債務者が中途半端に金を返して 「預けた代物を返せ」というのは筋が通りません。なので、不可分性は担保物権全てに認められるものです。
そして、今回新たに登場したのが、物上代位性 ・ 優先弁済効 ・ 留置的効力 です。 これらはまず、定義の前に債権者の言い分の形でまとめます。 まず、留置的効力。これは、 「あんたが金を全部返すまでこれは預かっておく」
次に、優先弁済効。これは、 「お前も奴に金を貸したのか…だが、俺はこの物を売却して得た金から、貸した額の分お前より先にもらうぜ」
さらに、物上代位性。これは、 ①「てめぇ、人が担保にした物を売った(貸した)のか!?…だがな、その売却(賃貸)の代金は俺がもらうぞ!」
②「てめぇ、人が担保にした物を壊したのか!!だがな、その賠償金は俺がもらうぞ!!」
というところです。正式な定義は関連する条文に行き着いた際にもう一度、ということにします。 これで今回は以上で、次回からは具体的な内容に入ります。読んでくれてありがとうございました。 |
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では、今回からは担保(たんぽ)物権についての話に入ります。
が、そのまえに、広い意味での「担保権」というものについて話をします。 担保権とは、債権(法律上認められた特定の人に対し、主張する権利)の保証のための権利です。 たとえば、お金を貸した人は借りた人に「返せ!」と主張するでしょう。(当たり前ですが…) しかし、それで返ってこなければいわゆる「取りっぱくれ」です。それを防ぐために担保権はあるのです。 お金を借りる人は、お金がないから借りるのです。であれば、それがまともに返ってくるという保証はありません。 その「保証」を別で用意したらいいじゃない、というのが担保権です。 担保(たんぽ)は「保」証を「担」(にな)うと書き、債権の保証である以上「財産的な価値」が必要です。 そして担保設定のパターンはイメージとしてこんな感じです。 ① 「Aにお金を貸すが、もし払えなくなった場合Bに払ってもらうよ」 ② 「Aに金を貸すが、もし払えなくなったらBの家をもらうよ」 ①、②とも、お金のある人、あるいは売ってお金になるものであることは共通です。
①が人的(じんてき)担保、②が物的(ぶってき)担保といい、今回は②に関してなので、①は先々に話します。 少々の比較をすれば、人的担保より物的担保のほうが「取りっぱくれ」は起きにくいです。 大雑把ですが、人間は動くので逃げた場合探すのは至難です。
逃げなくても「常に弁済(返済)の資力(財力)がある」とは言えません。
物は不動産であれば当然動かないし、動産でも債権者が管理すれば「取りっぱくれ」は起きにくいです。 とりあえず、今回はここまでで、次回は担保物権の通有性(つうゆうせい)について話をします。 読んでくれてありがとうございました。 |
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今回は高速の話になります。なので、そのままざ〜っと進んでください。
早速ですが、まず285条の場面の例は、湧き水が出る土地です。 これは「困ったときはお互い様、自分さえ良ければいいと考えるな」。 286条は「承役地の買主は、もしその売主が工作物を作るか、何らかの修繕義務を負ってればそれを支払え」 と言われてますが、287条において所有権を放棄することを条件にいつでも免れることが出来ます。 もし修繕義務を負うならば、地役権を殺さない範囲内で工作物の使用が可能になりますが、 その費用は当然地役権者との折半で使います。 さらに、なんといっても民法は「自己責任」です。「承」役地の所有者が時効取得の要件を満たしたのであれば、 地役権は消滅します。(要役地の権利者がぼ〜っとしてれば承役地の権利者に利益を与えるべきでしょう) ここからは消滅時効です。 もし、消滅する場合は、 ・ 継続的に行使しない地役権であれば「最後の行使」に、 ・ 継続的に行使するのであれば「その行使を妨げる事実が生じたとき」に、起算します さらに、一部の行使であれば、その部分のみを時効によって消滅させます。 これらは、前に話した「取得しやすく、消滅しにくい」という視点が活きてきます。 時効に要する期間は20年。これは167条2項が根拠です。 もし、第三者が時効取得した場合、その地役権の存在を認めた上で占有したのでない限り、原始取得です。 これも、163条から言えることです。 あとは、294条ですがこれは具体例に留めておきます。 これは「一定のグループが原野に立ち入って木を取ってくる」(共同利用する権利)というところです。 以上が、用益物権の話で、次回からは担保物権の話に移ります。 担保物権は今までの物権に比べ、聞いた覚えがある、なんていうのがあるかもしれません。 活用の場面としては、「債権者の取立て」(いわゆる「金返せ!」というやつ)です。 というところで今回は以上です。 読んでくれてありがとうございました。 |







