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詩集「六魚庵天国」は
坂村真民さんの第一詩集である
ザラ紙にオフセット印刷
76ページに36の詩が収められている
発行は昭和26年4月
表紙裏には
悩みをつき抜けて歓喜に到れ と
ベートーベンの言葉があり
昭和21年5月末から
25年3月末まで
引揚げてからの詩による記述 とある
表紙は日焼けと経年の傷み
裏表紙は前の数ページと共に
端が焼けて破れ落ちている
後記は少し読めない部分もあるが
詩は大丈夫
扉には当時3歳の娘さんが描いた絵
ほほえましい お母さんの顔だろうか
描きちらした反古から拾い上げたという
真民さんのお心が
しみじみと伝わってくる
真民さんは
戦争中 朝鮮の学校に奉職し
終戦後 家族と共に引揚げ
九州そして四国へと移り住んだ
貧しく苦しい時代の詩集であるが
真民さんの原点を
「六魚庵天国」にみる
不思議な縁で詩集を手にしている私
開くたびに詩集の一片が
ちぎれ落ちることがある
ああ 真民さんの詩集が
身を削ってまで私に教えてくれること
それを摑まないことには
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