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手話
母は 私を身ごもったとき
ひそかな おそれを もっただろう
彼女は ろう唖者だったから
父は 子をねがったが
おそれを 妻に隠しただろう
彼は ろう唖者だったから
私が生まれたとき
真夜中の森閑を裂いて
うぶ声をあげる
祖母は 手話で 母に伝える
子が大声でないている と
ろう唖の子でなかった と
祖母は 手話で 父に伝える
子が大声で泣いている と
ろう唖の子でなかった と
遠くすぎたいまも
手話をみて泣く母がみえる
こぶしで涙ふく父がみえる
手話する老いた手がみえる
おむすび
ころころ まんまる
かあさんの おむすび
てのひら まわして
さんかく おむすび
どの子も そだてて
やさしい てのひら
やさしさ にぎって
おいしい おむすび
ころころ まんまる
かあさんの おむすび
てのひら まわして
のりまき ゴマふり
どこにも 売ってない
おいしい おむすび
世界に ひとつの
かあさんの おむすび
宝石
ろう唖のかあさんの
言えない言葉
言おうとしても
出せない言葉
言えずに消えた
たくさんの言葉
磨いて残した一つの言葉
宝石みたいな かあさんの言葉
* * *
推薦のことば 詩人・坂村真民さん
詩はわれわれにとって花であり、果実である。それは生きてゆく
希望と生命を与えてくれるからである。
樋口てい子さんの詩を読んで特に、そういうことを感じた。
おむすびの詩の温かさ、たまごの詩の優しさ、どの詩にも愛が虹
のように染み込んでおり、久しぶりに本当の詩に触れた思いがした。
まことに題名にふさわしい心に花を咲かせてくれる詩集である。
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樋口てい子さんの詩・・・心に響く詩で とっても素敵ですね♪
「詩はわれわれにとって花であり、果実である。それは生きてゆく
希望と生命を与えてくれるからである」という真民さんの推薦の言葉もいいですねぇ〜♪
「言葉」・・・ことのは・・・いいものですね〜♪
2010/6/9(水) 午後 8:03
はなさん、こんばんは。
この詩集には、しんみんさんの推薦文が表紙裏にあり驚いてしまいました。しかし読み進むうちに、うん、うん、うん と納得するばかりでした。
こういう詩こそ大事な詩なのだ・・と。
「おむすび」と「宝石」追加しました。あとでもう何篇か追加しますね。読んでください。
2010/6/9(水) 午後 11:49 [ hounoki508 ]
こんばんは〜!
いつも素晴らしい詩を紹介していただいてありがとうございます♪
朴の木さんには、感動する心を思い出させていただいています。
小宮山量平先生…素晴らしいお方ですね。撮ったビデオを保存版にしようと思います。ありがとうございました♪
2010/6/14(月) 午後 6:51
童心ひとすじに・・・いい番組でしたね。小宮山量平先生、ほんとうにすてきなお方です。
先生のお母さんの里は佐久市望月(もちづき)です。先生は3歳から小学校に上がるまで佐久で過ごされました。
著書にはよく「佐久はわたしのふるさと」と書いて下さいました。もったいなくもありがたい先生のお心です。
2010/6/14(月) 午後 10:35 [ hounoki508 ]