朴思堂だより

打てば響く世界を朴の木の下で思う

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さんま

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              平尾富士の朝焼け
 
         さ  ん  ま     関口父草


こうまいにち雨ばかりつづくと

だれもかれも よくよく気をくさらすものとみえる

どうもいやなお天気でしてといい

ほんとにこまりもんですという

雨がこやみになると

それでもコオロギの声などはっきりときこえてき

ひとびとはおもいだしたように

雲のきれめのいくらかあかるみがかった空をあおいだりする

そんな日のひぐれどき

うすよごれたうちわをはたはたさせて

こんろのまえにうずくまっていたわたしだった


そうだ はれていれば今夜は中秋の月

たったひとりのばんさんをにぎわそうと

すぐそこのみせのおかみさんにつつんでもらったしんぶんがみから

きらりとひかるさんまをとりだし

じりじりと焼く


ああ さんまのやけるおとはわびしい

さんまのやけるにおいはなおわびしい

そのおとをひとりわびしみ

それのにおいをひとりわびしむ


おもえば ゆくりなくもこの村にうつりすんで

この村のこどもとまなび

この村のこどもとあそび

はやくも四とせの秋

むらびとのこころづくしの家に起きふすあしたゆうべ

ただみづからのつたなきをかこち

ちからのとぼしきをなげく


ああ さんまのやけるおとはわびしい

さんまのやけるにおいはなおわびしい

そのおとをひとりわびしみ

それのにおいをひとりわびしむ


             S 24.10.7 作
 
 
 〜    〜    〜
 
父草先生の15回目の命日となった。
 
97歳で亡くなられた先生を偲び、先生直筆の「さんま」の書を広げ
 
しみじみと先生のお心をかみしめる。
 
 
師とはかくもありがたきかな。


 

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