朴思堂だより

打てば響く世界を朴の木の下で思う

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こころの旅・四国へ

 
  こころの旅・四国へ
 
 今年2月20日から22日まで2泊3日で四国巡りをした。家内と二人揃っての四国への旅は、新婚旅行以来35年ぶりであった。
 佐久平駅午前6時24分発の新幹線あさま号で東京へ、東海道新幹線のぞみ号に乗り換えて岡山に向かう。途中、富士山がとても良く見え、それだけでだいぶ徳をした思いだ。カメラのシャッターを疲れるほど押した。子供のようにはしゃぐ私を見て、家内はもう呆れている。
 名古屋、米原を過ぎ列車は滋賀県内へ。二十歳の頃、この地で学んだ日々が懐かしい。近江富士、比叡山、比良山、そして大きな大きな琵琶湖。ここは私の第二のふるさとである。
 神戸を過ぎ姫路城が見える。お色直しをした姫路城を初めて見た。なんと美しい姿であろう。きれいになった天守閣へぜひ登って見たい。
 岡山到着11時10分。ここから宇野線・瀬戸大橋線で四国へ入る。新婚旅行の時は、岡山から宇高連絡船のフェリーで高松へ渡ったのだ。
「連絡船内で食べた讃岐うどんがとっても美味かったね」と家内は時々言う。私はその味がどんなだったかすっかり忘れたが「ああ、うまかったなあ」と言って家内に合わせている。
 「人間ってすごいね。こんなに大きな橋を作ってしまうんだもの・・・」初めて瀬戸大橋を見て渡って、実感している家内だった。瀬戸内の美しさにみとれて、行き交う大小の船にも呼びかけたくなる。
 「ああ、四国よ、こんにちは。久しぶりだね」
 2月下旬は長野ではまだ氷点下なのに、さすがに南国である。田畑のみどりが鮮やかだ。菜の花も咲いている。気持ちもほかほかしてくる。
 午後2時15分松山駅に着く。佐久から8時間の列車旅であった。駅前のレンタカーを予約してあったので、手続きを済ませ一路、砥部町へ向かった。私は何度も松山へ来ていたが、市内を車で走るのは初めてであった。
 松山城や路面電車の風景が心を躍らす。30分ほどで砥部町へ着く。
 「坂村真民記念館」はすぐに見つかった。もっと山間に建っているのかなと思っていたが、静かな家並みの続く街中の記念館であった。
 真民先生の娘さん、真美子さんは用事で出かけておられた。1時間ほどで戻られるとお聞きしたので、先に「砥部焼伝統産業会館」を見学させていただいた。
 砥部焼の歴史的作品から、現代の作品まで、大小様ざま。それはそれは見事な展示作品であった。砥部焼が好きな私は、もう食い入るように一点一点じっくり見て歩いた。
 2階の展示場に、青芳窯・森元青芳さんの青芳人形がたくさん展示してあった。なんとも微笑ましいお顔としぐさ。我が家にも、たくさん青芳人形が飾ってあるが、砥部の町で見る人形は格別にいい。
 坂村真民先生との願いによって作られた「念ずれば花ひらく人形」。私が「念ずれば花ひらく人形」に出会ったのは、阪神大震災のあと間もなくのことだった。
 避難所になっていた東灘区にある養護学校へ、一燈園の石川洋先生とご一緒に炊き出しのお手伝いに参加させていただいた。その帰路に寄せていただいた大津の三井寺・遊心庵でこのお人形に初めて出会ったのだ。
 庵主様の、岡部善恵(ぜんね)さまは「すてきでしょう、このお人形」と宝物のように私に見せて下さった。
 いつの日か私も「念ずれば花ひらく人形」を私の部屋の祈りの間に飾りたい・・・・
そんな願いが生じ、ずっと思っていた。それから10年が過ぎた頃、不思議な縁で我が家に「念ずれば花ひらく人形」が来て下さった。
 「念ずれば」は合掌のお姿、「花」は手に花を掲げ、「ひらく」は両手を合わせてひろげている仕草。三体の人形でひとつ。今は、毎朝の祈りの中心にいてくださるのである。
 1時間が瞬く間に過ぎ、再び坂村真民記念館に向かった。館長の西澤孝治さんと真美子さんは待っていて下さった。昨年、東京の「相田みつを美術館」での「坂村真民展」でお会いした折に「真民先生の記念館をお訪ねします」と、お約束してあったのだ。
  記念館は東北の大震災の翌年、2012年3月11日に開館した。3月11日の開館にも大きな意味が込められている。
 真美子さんに案内していただきながら、真民先生の掛け軸や額に入った詩墨を見させていただく。家内は、真民先生のこんなにたくさんの詩墨に触れるのは初めてであった。
  
 
 

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