朴思堂だより

打てば響く世界を朴の木の下で思う

生活一般

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 ♪ とおかんやぁのわらでっぽう ゆうめしくったらぶったたけ― ♪

夕方、仕事帰りに部落内を通っていると、5歳ぐらいの男の子がわらでっぽうをかかえて
喜んでいた。その子のじいじが目を細め、孫のために作ってあげたのだとすぐにわかった。

小学生の頃、とおかんやの夜は普段の日と違っていた。学校ではいつも仲良しの隣部落の
友達にさえ距離を置き、夜の対戦に備えていた。
学校から帰ると、近くのガキ大将の家の前に集まり、わらでっぽう作りの始まりだ。藁を
すいて手ごろの大きさに整え、藁のまん中に茗荷の茎を入れたり、子供心に苦心する。
なかには硬い棒を入れる者もいた。藁縄できつく巻きつけ、棒状のわらでっぽうが仕上がる。

さあ、たたくぞ!!。ガキ大将のゲキにみな力いっぱい地面をたたく。
「トカア−ン・ドカァ−ン・ト−ン・ポン」 おいおいだれだぁ ポンなんてしけた音出す
のは、気合いを入れろ!。おお-う。「ポカ−ン・ド−ン・ト−ン・トカア−ン」
みな、必死にたたく。舗装なんてしてないのだから、土でもいい音の出る硬い所を選ぶ。
茗荷入りのものは、格別いい音がしたものだ。

いくぞ―、おおぅ―。いざ、隣部落の敵陣へ。ガキ大将を先頭に隊列を組んで進む。隣部落の
入り口に待ち構えている藁てっぽう隊。行けぇ―、の一声に わぁ―と騒いで飛び込んでいく。
藁てっぽうの叩きあい。地面でなくこども同士の叩きあい。叩いたり叩かれたり、ポンポコ合戦だ。

それぞれの部落には、強いガキ大将がいたが、われらの大将は学校でも一目置かれている存在。
大将が強いと子分も強い気になるから不思議だった。
ほどほどのころあいをみて手を引く。両方勝ったような気分で戦いをやめる。みなガキ大将の判断
だった。さすが大将。
暗い夜道を戦い済んだてっぽう隊が帰る。年に一度のお祭りはこうして終わる。

翌日、学校では昨晩戦った友達と笑いあう。おい、痛かったぞ―あんなに力に叩いて。なにいって
るだい、そっちこそ加減もしねえで、来年こそみてろよ。ははははは・・・・


藁てっぽうの音を懐かしく思い出している、とおかんやである。


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