朴思堂だより

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心の詩

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東井義雄先生の詩

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 目がさめてみたら     東井義雄

 目がさめてみたら
 生きていた
 死なずに
 生きていた
 生きるための
 一切の努力をなげすてて
 眠りこけていたわたしであったのに
 目がさめてみたら
 生きていた
 劫初以来
 一度もなかった
 まっさらな朝のどまんなかに
 生きていた いや
 生かされていた

〜   〜   〜   〜

東井義雄先生にお会いしたのは
28年前の6月だった
先生のご自坊 兵庫県但東町・東光寺で
生涯にたった一度だけの尊いお出会いであった

                                                                          


藤村忌に

   初恋    島崎藤村
 
 
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり


やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり


わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな


林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
 
 
 
 
〜   〜    〜   〜
 
今日は藤村忌
 
ふるさとの詩人を偲び
 
小諸懐古園を散策
 
ここへ来ると つい口ずさむ「初恋」
 
舟木一夫さんのあの歌声を思い浮かべ
 
感情込めて 真似てみる
 
 
城址公園は寂しい野の道
 
とおく とおく離れてしまった初恋の人への
 
淡い想いを噛みしめながら
 
 

母の声

  母の声           堀口大学
 
母よ
 
僕は尋ねる
 
耳の奥に残るあなたの声を
 
あなたが世に在られた最後の日
 
幼い僕を呼ばれたであろうその最後の声を
 
 
三半規管よ
 
耳の奥に住む巻貝よ
 
母のいまはの その声を返せ
 
 
〜   〜   〜   〜
 
堀口大学さんの「母の声」を初めて読んだのは中学の教科書だろうか?
はっきりした記憶はないが、漠然と記憶していたこの詩がひしと胸に迫ったのは
7年前に母を亡くしてからであろう。
 
「母の声」は、幼き日の母の笑顔と重なり、なつかしくも胸に痛む詩である。

雨ニモマケズ

雨ニモマケズ         宮澤賢治      
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテイカラズ
イツモシズカニワラッテイル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負イ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ッテコワガラナクテモイイトイイ
北ニケンカヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイイ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
ソウイウモノニ
ワタシハナリタイ
 
 
長野市篠ノ井・円福寺ご住職 藤本幸邦老師(おっしゃん)は、何年も佐久の地に法話会に来て下さった。
小諸駅までのお迎えとお見送りは私の係であった。その道中、車内で老師とお話させていただけたことは、幸せであった。
 
法話会ではおっしゃんのお話の初めに、宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を参加者全員で唱えるのが習わしだった。
おっしゃんは「賢治先生の雨ニモマケズの精神こそ、みほとけのこころ」と仰られ法話の中でもよくこの詩を引用されてお話された。
 
おかげでこの詩はすっかり暗記して、折に触れ口ずさむのである。
 
 
 
 
 
 

 































 

さんま

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              平尾富士の朝焼け
 
         さ  ん  ま     関口父草


こうまいにち雨ばかりつづくと

だれもかれも よくよく気をくさらすものとみえる

どうもいやなお天気でしてといい

ほんとにこまりもんですという

雨がこやみになると

それでもコオロギの声などはっきりときこえてき

ひとびとはおもいだしたように

雲のきれめのいくらかあかるみがかった空をあおいだりする

そんな日のひぐれどき

うすよごれたうちわをはたはたさせて

こんろのまえにうずくまっていたわたしだった


そうだ はれていれば今夜は中秋の月

たったひとりのばんさんをにぎわそうと

すぐそこのみせのおかみさんにつつんでもらったしんぶんがみから

きらりとひかるさんまをとりだし

じりじりと焼く


ああ さんまのやけるおとはわびしい

さんまのやけるにおいはなおわびしい

そのおとをひとりわびしみ

それのにおいをひとりわびしむ


おもえば ゆくりなくもこの村にうつりすんで

この村のこどもとまなび

この村のこどもとあそび

はやくも四とせの秋

むらびとのこころづくしの家に起きふすあしたゆうべ

ただみづからのつたなきをかこち

ちからのとぼしきをなげく


ああ さんまのやけるおとはわびしい

さんまのやけるにおいはなおわびしい

そのおとをひとりわびしみ

それのにおいをひとりわびしむ


             S 24.10.7 作
 
 
 〜    〜    〜
 
父草先生の15回目の命日となった。
 
97歳で亡くなられた先生を偲び、先生直筆の「さんま」の書を広げ
 
しみじみと先生のお心をかみしめる。
 
 
師とはかくもありがたきかな。


 

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