朴思堂だより

打てば響く世界を朴の木の下で思う

八木重吉さん

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今日は吉野登美子さまのご命日
 
登美子さまを偲んで
 
今日は 八木重吉さんの詩集と
 
吉野秀雄さんの短歌集を鞄に入れて
 
出勤します
 
 
一日 お二人の詩心をかみしめます

今日は茶の花忌

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    素朴な琴
 
この明るさのなかへ
 
ひとつの素朴な琴をおけば
 
秋の美しさに耐えかねて
 
琴はしずかに鳴りいだすだろう
 
 
                喜寿  登美子かく
 
 
〜   〜   〜
 
今日は八木重吉さんの88回目のご命日
 
謹んで重吉さんを偲ぶ一日にしたい
 
色紙は重吉さんの奥さんであった登美子さんから
 
喜寿の記念に 送っていただいたものである

八木重吉さんへ

 
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                                  詩集  秋の瞳    八木重吉
 
   序
 
私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私にはありません。
 
この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。
 
そして、私を、あなたの友にしてください。
 
 
〜   〜   〜
 
秋になると八木重吉さんの詩を無性に読みたくなる。
 
私は重吉さんを秋の詩人・・・と呼んでいるが、10月は重吉さんの詩心を
 
あらためてかみしめて生きるよすがにしたい。
 
 
記憶違いでなければ、中学の国語の教科書に載っていた「愛の家」と題する詩が
 
私が八木重吉さんの詩に触れた最初ではなかったろうか。
 
   

 まことに 愛にあふれた家は
 のきばから 火をふいているようだ

 
その当時の我が家は、 姉の発病を機に重たい空気の流れる家であった。
 
「のきばから火をふく」家とはどんな家なんだろう。子供心にそう思った詩であった。
 
 
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                                吉野登美子さま(重吉夫人)の書
 
 
     茶の花忌に寄せて
 
 
今日は重吉さんのご命日
 
相原の里はどんなであろう
 
茶の花忌の おだやかな空気を思い
 
なつかしく なつかしく東の空を仰いでいます
 
重吉さん
 
あなたが昇天され85年
 
登美子さまとの出会いから35年
 
ご縁の数々をかみしめています
 
大好きな「夕焼」の詩を綴り
 
今日一日あなたを偲びます
 
 
    夕 焼        
 
 夕焼をあび
 
 手をふり
 
 手をふり
 
 胸にはちさい夢をとぼし
 
 手をにぎりあわせてふりながら
 
 このゆうやけをあびていたいよ
 
 
 
    
     歌人  吉野秀雄さんのお歌
 
 
  重吉の妻なりしいまのわが妻よ
 
      ためらはずその墓に手を置け
 
 
 
  われのなき後にならめども
 
      妻死なば骨分けてここにも埋めやりたし
 
 
 
  コスモスの地に乱れ伏す季にして
 
      十字彫りたる君の墓子らの墓
 
 
  処女詩集「秋の瞳」
 
     序
 
私は友が無くては、耐えられぬのです。
しかし、私にはありません。この貧しい詩を、これを読んでくださる方の胸へ捧げます。
そして、私を、あなたの友にしてください。
 
 
   ふるさとの川
 
ふるさとの川よ
ふるさとの川よ
よい音をたててながれているだろう
(母上のしろい足をひたすこともあるだろう)
 
 
   ふるさと
 
ふるさとをおもえど
柿の実のいろのみおもいだされて
ちちうえもははうえも
あまりにかそけきさぶしさよ
 
 
   ゆうぐれの
 
ゆうぐれの陽のなかを
三人の児が
ななめの畑をのぼっていく
みていれば なきたい
 
 
   咲く心
 
うれしきは
こころ咲きいずる日なり
秋 山にむかいて うれいあれば
わがこころ 花と咲くなり
 
 
   秋
 
こころがたかぶってくると
わたしが花のそばへいって咲けといえば
花がひらくとおもわれてくる
 
 
   障子
 
あかるい秋がやってきた
しずかな障子のそばへすりよって
おとなしい子供のように
じっとあたりのけはいをたのしんでいたい
 
 
   果物
 
秋になると
果物はなにもかも忘れて
うっとり実ってゆくらしい
 
 
   素朴な琴
 
この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしずかに鳴りいだすだろう
 
 
   雲
 
くものある日
くもはかなしい
 
くものない日
そらは さびしい
 
 
   こころよ
 
ほのかにも いろづいてゆく こころ
われながら あいらしいこころよ
ながれゆくものよ
さあ それならば ゆくがいい
「役立たぬもの」にあくがれて はてしなく
まぼろしを 追うて かぎりなく
こころときめいて かけりゆけよ
 
 
 
☆ 〜 ☆ 〜☆ 〜
 
10月26日は重吉さんの命日(茶の花忌)
 
平日なので今年も参列できないが、町田市相原の重吉さんのふるさとには、多くの方が重吉さんを慕って集まることだろう。
重吉さんの詩集に出会ったのは19の時。詩集を持って信越線で上越・直江津の海に向かった。
海辺に座り、日本海の波の音を聞きながら一日中重吉さんの世界に浸った。
一人ぼっちで、孤独に打ちのめされていた時、重吉さんの詩集に会ったのだ。そして、重吉さんをこころの友と呼んだ。
 
とおい、とおい日の懐かしい思い出である。
 
 
 
 
   

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