もつれるチーズ

今夜の酒の肴は何にしようかと、朝から考えています。

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外食は疲れる

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 性格の欠陥はいいとしても、体の欠陥は辛い。目が近くて耳が遠い、鼻が詰る、ノドは繊弱。歯はあるときまで健康だったのが、酔って前歯を折って以来、がたがたである。足の裏には魚の目が出来ている。本体のほうは頑丈な部類に入るらしいが、部品がそんなかんじだから、自分のことをついひ弱な人間だと思ってしまう。精力的に行動するタイプでないのは、部品の欠陥によるものだと思う。
 たいていのことには馴れっこになるものだが、夜中に咳が出るのは、いつも新鮮な辛さがある。風邪を引いたらしいと、そこで初めて気付かされることもある。そのせいか風邪をこじらせることはあまりなく、昔から風邪で仕事を休んだことは滅多にない。風邪を休む理由にすることはあったが、これはてっとり早いからである。
 食事をしていて、口の中のものをぶわっと噴き上げてしまうことが、たまにある。べつに笑わされたわけじゃない、ひとりでぼそぼそ食っているときに、突然起るのだ。ノドの欠陥によるものである。飲み物でもたまにやる。口に含んだお茶を、パソコンめがけて吹き付けたこともあった。
 外食に消極的なのは、このへんにも理由があると思う。噴き上げてしまう恐怖と常に戦わなければならないのである。

 外での失態で、思い出せるのはひとつだけだが、本当にそれだけだったのだろうか。
 殺人事件でさえ時効が成立している二十年も前のことだ。競艇に行く前に腹ごしらえに連れと入った、神田の牛丼屋で、突然、うっと来たのである。本能的に半分ほど残っていた丼をかばってしまったものだから、噴出したものはそのあたりに派手に散らばり、紅生姜の容器まで汚染された。その途端、従業員はそっぽを向き、四、五人いた他の客は俯き、連れも知らん顔をしたのだ。誰もツッコミを入れない静寂の中で、ナプキンでせっせと飯粒を集めていたその時間の長かったこと。
 それ以来外食のときはがつがつ口に放り込まないことを心がけてはいるのだが、つい忘れてしまい、ふと気がついて、ひやっとすることがある。これでは食った気がしない。

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