もつれるチーズ

今夜の酒の肴は何にしようかと、朝から考えています。

無題

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将棋やりませんか

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 自立のための寮にいたときにはよく将棋を指していたのだが、ひとりで暮し始めると、とたんに相手がいなくなった。昔に較べて将棋をやる人が減ったなとかんじているのだが、まあこれは当てにならない。減ったのは付合いである。顔を合わすのはせいぜいレジのおばさんぐらい。誘うわけにはいかないだろう。
 そんなわけでもっぱらパソコン将棋である。これがまたいやな相手なのだ。筋が悪いくせに読みだけはしっかりしている。とにかくしつこい。とことん不愉快な手を指す。そんなにまでして勝ちたいのかと、駒を投げつけたいぐらいの気持になることがたびたびある。もう二度としないと、何度も思った。
 勝てているあいだはまだよかった。パソコンを買い換えてソフトを入れ直したとたん、まるで歯が立たなくなったのだ。どうやらこれまでのは学習したせいで弱くなっていたらしい。

 ひとりで暮し始めたとき、どうにもやりたくて区民の将棋大会に参加した。4局すべて勝って、賞品にグリルパンなるものを貰った。ただこのとき気になることがあった。主催者席で「賞品目当てに手合を低く申告する人がいる」と囁いていたのを聞いてしまったのだ。手合は勝敗に影響する。手合の近い者同士で対戦を組むし、差があるときには上位者が駒を落すことになる。聞えたのは開始前のことで、誰のことを言ったわけでもないのだが、あとになって平気ではいられなかった。ちなみに2級と申告したのだが、途中から1級にされ、すべて平手で勝って賞品獲得である。次回は初段か、「段」なんておこがましいと思えば、半年に一回ある大会だけれど行けなくなってしまった。

 下品なパソコン将棋を別にすれは、この数年無敗を誇っているわけである。

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  古いソフト 伊達にかぶり 笑いながら 出ていった
  何も言わず 手だけ振って 帰るうちも ないくせに
  今頃どこに いるのかな 同じ刑務所を 出たあいつ 
  クリスマスに ひとりぼっち 思い出せば 雪が降る

  おれも同じ ひとりぼっち 酒場の隅の ろくでなし
  酒癖 女 からかって あとはひとり寝 橋の下
  さよならだけの 人生も しみじみ奴が 懐かしい 
  賛美歌なんか 歌ってみても 聞いてくれるは 雪ばかり


 十代の頃からこの歌が好きだった。いっときのきどりだったはずだ。ところが年をとるにつれて、この歌がどんどんしっくりしてくる。あまりいい生き方をしていないせいかもしれない。
 実際に聴いたのは、40年近く前のこと。歌詞はすでに少し違っているかもしれない。曲はもうでたらめかもしれない。たまに思い出しては口ずさんでいる。

 刑務所にクリスマスは関係ないのだろう。朝は、刻んだ沢庵と昆布の載った麦入りの飯、昼はパンにジャムとマーガリン、夜は唐揚のひとつも付くのだろうか。‥‥あくまでも想像である。

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