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大学1年から主軸を担い、慶應義塾大学の主将で4番、のみならず全日本の4番を担い、三冠王こそあとヒット1本で逃したとはいえ、栄華を極めた伊藤隼太選手。神宮ではサインを求められても「ちわー」の一言で拒否し、まれにサインした場合でも、傍目には「時間の無駄だ」と言わんばかりのまなざしを示すなど、堂々たる風格であった。ドラフト1位指名の瞬間、他の指名選手とは全く異なり、破顔で大万歳をしてみせた大器である。
その伊藤選手がプロの洗礼を受け、オープン戦打率1割台という境遇に、身を置いている。顔は青白く、体も一回り小さくみえる。もっとも半年前の大学4年秋のシーズンは、ぱっとせず、チーム成績も春の優勝から秋のリーグ5位という結果をもたらしたわけで、そのころからいやな予感はあった。オープン戦も、1軍に残るかどうかの瀬戸際で、常人であれば身も細るストレスだろうが、その中で戦っている。 開幕戦2三振の後、無死1、2塁で迎えた7回裏の打席。これ以上ないチャンス、絶好のお膳立てで、隼太が画期的なデビュー試合を飾るかと、大学野球時代からのファンは、固唾をのんでその瞬間を待ったに違いない。時あたかも、かの日本ハム斎藤投手が、あれよあれよという間に、西武打線を翻弄し、勝利投手の権利を得て未だ完投ペースで投げていた時である。次の瞬間、隼太は、代打を俊介を告げられ、ベンチに戻る。一瞬移った顔は青ざめ、こめかみに汗がひとしずく、映ってみえた。 無念さはいかほどだろうか。人生初めての屈辱と思うだろうか。少なくとも中京高校、慶應義塾大学時代には感じたことのない扱いだったに違いない。もがきの様を、怖いもの見たに見てみたい。冷や汗流す悪夢を見せつけられることを避けたい思いと、見たい思いが交錯する。見たい思いは、その苦しみを共有したい思いに違いない。4月3日ヤクルト戦、神宮で迎えてあげたい。
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こんばんは。
やはり!プロの世界は厳しいですよね。
何とかヒット1本出れば変わると思います。
2012/3/31(土) 午前 1:05