たいまつ

体調不調により、ブログをお休みします。

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海の声





その日は、雲一つない快晴で、仕事の合間に、「ザ・沖縄」(笑)へ向けて、
僕は夢中で、カメラのシャッターを切っていた。
 
「沖縄らしさ」に魅了される余り、僕は、マクロから望遠まで、数本のレンズが
入っている黒いカメラケースを、遠く離れた古いベンチに置き去りにしたまま、
“その日限りの沖縄”を、どこまでも追いかけていた。
 
勿論、僕の意識の浅瀬には、「黒いカメラケース」のことはあった。
けれども、「盗まれないだろう」という確信の方が、より深い意識の領域に沈殿していた。
「沖縄の風土」には、そう確信させるだけの爽やかな風が、
朽ち欠けている木製のベンチの辺りにも、心地良く、たなびいている。
 
 
2年ほど前、結婚した兄の披露宴のために、沖縄から兵庫県の姫路へ飛び、
宴の全てが終了した後、姫路駅近くにある宿泊先のホテルに帰るやいなや、
数本のレンズを入れたカメラケースをぶら下げて、「夜の姫路」に繰り出したことがある。
その際、カメラケースの他に、財布や運転免許証や保険証や印鑑など、大事な物が
一切合切入っているショルダーバッグも肩に掛けて、夜景撮影のお供に連れ出していた。
 
姫路駅から「姫路城」方面へ向けて、ゆっくりと歩きながら、
街の風情を撮り進め、宵闇にけぶる姫路城をカメラに収めてから、
ホテルに戻る予定だった。
 
“その時”まで、5分も経っていなかったと思う。
美しく彫刻された女性の銅像を撮るために、大切な物が詰まっているショルダーバッグを
路面に置き、彫刻を撮り終えて数歩、進んだ後、そのバッグがないことに気づいた僕は、
慌てて、彫刻のある場所へ引き返した。
すでに路面はもぬけの殻で、3月の冷たい夜風だけが、“そこにあったはずの場所”を
淋しげにクルクルと舞っていた。
つまり、僕は、ものの5分も経たない間に、「置き引き」に遭ったのだった。
 
 
翻るに、「沖縄の風」は、確かに“逆”なのだけれども、様々な“外部の不純物”によって、
“しまんちゅー”持前の爽やかさが侵食されつつあるのも、悲しい事実だ。
「夜の姫路」での出来事を思い出した僕は、それでも駆けることなく、
むしろ、ゆるやかな足取りで、朽ちて古びたベンチへと、踵を返した。
 
辿り着くと、無人だったベンチに、老いた背中をみとめた僕は、
小走りにベンチへ駆け寄る。
見ると、老いてはいるけど老(ふ)けてはいない一人のおばぁが、
カメラケースを抱えながら、珍しそうに「黒い物体」の中身をごそごそと触っていた。
僕の姿に気づいたおばぁの目には、一瞬、戸惑いと恥じらいの色が滲んだが、
すぐに温和な笑みを湛えつつ、それでも頬を赤らめながら、バツが悪そうに言った。
 
「さっきよ〜、通りがかりの人が声を掛けてきてよ〜。
ここにカメラケースを忘れた人がいるみたいだから、その人が気づいて
取りに戻るまでの間、ケースを見ていてくれないかと頼まれてよ〜、
それで、おばぁも心配だから、ずっと抱えて見ていたのさ〜」。
 


「姫路」で置き引きにあったことを、警察に連絡した時に聴こえて来た、
警察官の機械的で突き放すような冷たい口調と、
なぜだか、申し訳なさそうに事情を説明するおばぁの謙虚な話しぶりが、
表裏一体のように、人間という“一つの存在”へ重なり合う。
たった一つの存在の中に、「表」と「裏」という真逆の顔を持つ、一枚のコインのように。
 
会釈をして御礼の言葉を告げると、おばぁは、一切、問い詰めることもなく、
やっぱり少し頬を赤らめながら、「女の子かと思ったさ〜」とだけ言い残し、
雲一つない沖縄の青空の中へ吸い込まれて行くように、
“僕の知らない沖縄”の方角へ、颯爽と立ち去って行った。
その時の僕は、仕事着であるピンク色のユニフォームを着ていた。
 
 
6月の温かな風が、温かな人と共に“そこにあり続けた場所”を、
ただ黙々と、柔らかく包み込むように撫ぜていた。


おばぁと僕との巡り合わせのように、幾数万の物語を、ずっしりと、
今日までその身に乗せ続け、支える力を失いかけていた木のベンチが、
温かな風に磨かれて、支える力と共に、“沖縄に連なる歴史”を
静かに蘇らせているように見えた。
 
澄み渡る青空で覆い隠された、幾百万の沖縄の悲しみの歴史と、
そこから産み落とされた、幾億万の沖縄の優しさとを…










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海の声
 
詞:篠原誠
曲: BEGIN
唄:粉ミルク
 
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空の声が 聞きたくて
 
風の声に 耳すませ

 
イメージ 1

    
 
海の声が 知りたくて
 
君の声を 探してる

 
イメージ 2

   
 
会えない そう思うほどに
 
会いたい が大きくなってゆく

 
イメージ 3

    
 
川のつぶやき
 
山のささやき
 

イメージ 4

    
 
君の声のように
 
感じるんだ

 
イメージ 5

    
 
目を閉じれば 聞こえてくる
 
君のコロコロした 笑い声

 
イメージ 6

    
 
声に出せば 届きそうで
 
今日も 歌ってる

 
イメージ 7

    

 
海の声にのせて…
 


イメージ 8

    
 
空の声が 聞きたくて
 
風の声に 耳すませ
 

イメージ 9

    
 
海の声が 知りたくて
 
君の声を 探してる…

 
イメージ 10

    


 
たとえ僕が おじいさんになっても
 
ここで 歌ってる
 

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君だけを想って…


 
イメージ 12

    
 
海の声よ
 
風の声よ

 
イメージ 13

    
 
空の声よ
 
太陽の声よ

 
イメージ 14

    
 
川の声よ
 
山の声よ

 
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僕の声を
 
乗せてゆけ…

 
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