たいまつ

体調不調により、ブログをお休みします。

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守ってあげたい




ライブハウスの照明が落ちる。

その人は深々と一礼し、無言のまま、グランドピアノのイスにゆったりと座り、
唐突に、2曲歌った。
ピアノの旋律に合わせて流れるように揺らめくその人のシルエットは、
くっきりと濃く鮮明でいて、闇の中に溶け入りそうなほどの淡い儚さをも湛えていた。
拒みもせず動じもしない強い意志が、木陰のようなやさしさで会場を包み込むように。

 
藤田 麻衣子(ふじた まいこ)さん。
僕は、シンガーソングライターである彼女のことを、その日、初めて知った。
時は今月15日午後6時、場所は国際通り近辺の小さなライブハウス。
 
その数日前、四肢に重度の障がいを抱え、常に車椅子を必要とするMさんの
「藤田さんのライブを観たい」という要望に沿い、車椅子での移動やトイレ介助などを含めた、
「ライブ鑑賞付き添い」という形で、都合5時間に渡る彼の介助を、僕が任されることになった。

その日は、すでに朝から各々異なる4件の訪問介護をこなしており、
彼との待ち合わせ時刻である午後5時頃には、
「あと5時間、安全無事な介助に自分の身体が耐えられるだろうか」という不安と緊張で、
僕には、行き先のライブに心躍らせる心身の余裕などまるでなかった。

 
開演の午後6時から午後9時までの3時間、時折トークを交えながらも、
ほぼ休むことなく彼女は歌い続けた。
148cmという小さな体から放たれる歌声と華奢な指先で奏でられるピアノの旋律は、
ライブ開演までの数十分間、身体の疲労と痛みに人知れず喘ぎ乾いていた僕の心でさえ、
少しずつ震え始め潤い出すほどの、”切で純な”響きを備えていた。
 
ふと、右隣を見ると、車椅子に全身を預けながらも、自身の存在を示す濃い影を
頬の辺りにくっきりと刻んでいる彼も、彼女の「切純」に打たれたのか、
自由の利かない手足で、会場に轟く歌に合わせた皆の手拍子にリズムを合わせていた。
手を合わせられない代わりに、閉じも開きもしない硬直したままの両の手で、
恐らくは一張羅の、鈍色に煤けた青いジーンズを懸命に叩いていた。

 
彼を迎えるまで誰のライブかすら知らなかった僕が、彼に会ってからライブの仔細を尋ねた時、
「彼女の 詩が いい です」という短いセンテンスを、10秒程を有する長さで
均等に言葉を分けて教えてくれた。
その均等で均質でもある正当な言葉の重さは、148cmの小さな身体から放たれる透明な歌声や、
か細い指から奏でられる力強いピアノの旋律の響きにも重なるものだった。

未だ無明の闇をさまよう僕の薄い影を飛び越えて、影が濃いほど輝きを増す二つの光が、
「人間は、人間によってしか救われない」という避けがたく苦しい道のりを、
それでもめげず、静かに照らし、そっと見守ってくれているかのように。

 
エンディング。
藤田麻衣子さんは、舞台から駆け降りて、会場に集まった100名ほどの観客全員へ、
一人一人順番に、両手でハイタッチをしてくれた。
僕の両手にも触れてくれた彼女の手の感触はなぜか覚えていないのだけど、
自力では手を挙げることすらできないMさんの左手を、彼女の手に向けて
心ばかり持ち上げた時、彼女はMさんをしっかりと見据えてMさんの左手を
握り締めた後の刹那、持ち上げている僕の瞳へ、まっすぐに視線を向けた。
 
澄み潤んだ眼差しに、人と全身で向き合おうとする誠意と、人への愛が溢れていた。
愛されているがゆえのその愛を、他者へ繋ごうとする愛が。
閉ざす者へさえ開かれている愛が。
 
「彼女の 詩が いい です」。
彼の言葉を反芻しながら、後ろの人たちへハイタッチして行く彼女の方へ視線をやると、
まだあどけなさを残す一人の少女が、淡いピンク色の小さなハンカチで、目頭の辺りを拭っていた。
ハンカチの色と大きさと、その人が俯いた時の影の若さが、
人目をはばかる純な恥じらいの象徴のように見えた。
 
藤田麻衣子さんの胸の中に宿り輝き続けている、いつまでも色褪せることのない、
ピュアな少女の心のように…




 


〜〜♪ 以下、「藤田麻衣子さん」の三つの動画のアドレスを添付しておきますね ♪〜〜

 

(あなたは幸せになる)


(手紙 〜愛するあなたへ〜)

 
(伝えたい言葉 ・ おぼろ月)











..::.::.*゜ .+:(*´`*).+:。 ..::.::.*
 

 
守ってあげたい
 
 
詞/曲/唄:松任谷由美
 
..::.::.*゜ .+:(*´`*).+:。 ..::.::.*
 
 
 
 
 
 

 
You don't have to worry,worry,
 
守ってあげたい
 
あなたを苦しめる 全てのことから…

 
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初めて言葉を 交わした日の
 
その瞳を 忘れないで

 
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いいかげんだった 私のこと
 
包むように 輝いてた


 
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遠い夏 息をころし 
 
トンボを採った

 
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もう一度 あんな気持ちで
 
夢をつかまえてね

 
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So, you don't have to worry,worry,
 
守ってあげたい

 
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あなたを苦しめる 全てのことから
 
Cause I love you, 'Cause Ilove you.
 
 
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このごろ沈んで 見えるけれど
 
こっちまで ブルーになる

 
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会えないときにも あなたのこと
 
胸に抱いて 歩いている

 
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日暮れまで 土手にすわり
 
レンゲを編んだ

 
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もう一度 あんな気持ちで
 
夢を形にして

 
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So, you don't have to worry,worry,
 
守ってあげたい

 
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他には何ひとつ できなくてもいい
 
Cause I love you, 'Cause Ilove you.

 
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So, you don't have to worry,worry
 
守ってあげたい

 
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あなたを苦しめる 全てのことから
 
Cause I love you,

 
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守ってあげたい…


 
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※なお、仕事の負担と、それに伴う体調不良が続いているため、
すみませんが、体調が改善するまでは、
「訪問」或いは「ナイス」のみに限らせて頂きますね。

※また、今回の選曲が藤田麻衣子さんとは無関係であることも、ご容赦ください(笑)。






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