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大城陽介は、本土と沖縄とは別の国、或いは本土にある程度対抗意識を持っていた。それで、たつやの神話の話を聞いて、琉球神話が本土の神話より先に出来たのかと疑問が湧いてきた。
「先生、沖縄は本土より早く日本人が住んでいるのではないでですか。たとえば、山下洞人や港川人。石垣島では、約2万7千年前の人骨が19体も見つかっていますね。」
「山下洞人は、3万2千年前と言われていますが、人骨から直接抽出されたタンパク質を調べたのではなく、人骨と一緒に出土した炭化物の年代を測定したもので、信頼性が薄い。それと、石垣島の人骨を国立科学博物館が母系の遺伝子、ミトコンドリアを調べたところ、ハプログループM7aとなり、沖縄では23%で本土では7%でした。約2万5千年前にスンダランドで誕生し、北上して日本列島に到達した系統ですね。」
その話を聞いていた良祐が。
「沖縄で発見された人骨に限り、沖縄から本土に移り、縄文人となったと考えてもいいのではないですか。」
「陽介君、それが違うんだなぁ。確かに、沖縄の人には25%を占めているミトコンドリアのハプログループM7aも日本人には7%。それと沖縄にもM7a以外の母系遺伝子を持った人が75%もいます。その当時、沖縄から日本に渡ったのは僅かだったと思います。」
「すると、先生は本土から沖縄に渡った人の方が多いとでも言われるのですか。」
「沖縄は琉球王国の時代から中国と関係が深く、本土とは江戸時代の薩摩藩の南下政策により、本土と関係ができたとばかり思っていました。」
奄美群島から沖縄への話を聞いていた良祐は、琉球神話と結びつけようと。
「先生、先ほどの琉球神話と日本神話の関係は。」
「頂きます。」
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たつやの古代旅日記
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