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====ナレーター==== 今日の私は話の前半が猫です。このところ、おばあちゃんが家に居てくれるので、膝の上でごろごろしています。膝の上は居心地が良く、それもおばあちゃんが首になったお陰で、別に悪いことではないのではないかと猫の私には思えます。ただ、心配は、おばあちゃんがふさぎこんでいることです。 おばあちゃんは理不尽だと思いながらも、すでに諦めていました。カリカリしているのが娘のさくらで、市役所の無料法律相談へ行きました。そこで、弁護士の先生から損害賠償や慰謝料請求の理屈が成り立つこと、無料でできる“あっせん”という制度が労働局にあることを知らされ、母親を説得しあっせんを申し込みました。 そして、会社はあっせんに応じました。近所とのトラブルを早く解決したいとの考えで応じたようです。それに、あっせんは極秘で行なわれるので好都合と感じたのかも知れません。 今日があっせんが実行される当日です。おばあちゃんの膝の上に居たいけれど、勇気を振り絞って北風に変身しました。東京労働局は飯田橋にあります。会議室に入り込みました。既に、さくらからおばあちゃんの代理申請がしてあり、会議室に居るのは娘のさくら、労働局の担当者一人、それに公益委員であるあっせん員の先生の3人です。あっせん員の先生は弁護士です。 ====さくらとあっせん員の先生との会話==== ★あっせん員 「お母様は元気ですか。酷い目に遭いましたね。」 ☆さくら 「多少落ち込んでいるので、心配で代理として出席しました。でも、これが解決すれば元気になると思っています。」 ★あっせん員 「そうですか。では、始めましょう。」 「内容はあっせん申請書を読みましたので、承知しています。損害賠償と慰謝料として合計50万円の要求ですね。ご承知とは思いますが、あっせんではお互いに譲り合うことが前提になります。50万円満額にこだわりますと、上手くいかないかも知れません。」 ☆さくら 「承知しています。先生にお任せします。」 ★あっせん員 「それでは、これから会社の代表と話しますから別室でお待ちください。」 ====ナレーター==== さくらが退室し、しばらくして社長が入ってきました。あっせん員の先生は、社長としばらく最近の景気や業界の動きなど社長に聞いています。なかなか、本題に入りません。初め、硬い表情だった社長も業界のことを聞かれたりして、話しているうちに硬い表情がとれてきました。さすが、経験豊かな弁護士という感じです。これで、ゼロ回答は無いと確信しました。 ★あっせん員 「ところで、私の持ち時間もありますので、本論に入りましょうか。」 「あっせんの場に出席されたということは、この場での解決を望むということでよろしいですね。」 ★社長 「その通りです。よろしくお願いします。申請書の内容は読みましたが、私のほうにも若干言い分がありまして・・・」 ====ナレーター==== 社長はおばあちゃんの動きが悪くなってきたこと、物忘れが酷くなって困っていること、これからは、会社の方針として若い従業員でやりたいこと等話し、あっせん員はしばらく黙って聴いていました。 ★あっせん員 「経営者にとってはそういうことも考えるでしょうね。しかし、こういう解雇の仕方はちょっとまずかったですね。まあ、しかし、ここはことの良し悪しを決める場ではありませんから、お互いに言い分はあるということにしましょう。そこで、解決金についてお考えをお話し頂けませんか。」 ★社長 「20万円ぐらいなら出しましょう。」 ★あっせん員 「要求額の半分以下というのも、説得しづらいですね。」 ====ナレーター==== 結局、社長は30万円出すことになり、さくらも納得し、解決することになりました。 ・・第6話完結・・
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