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====ナレーター==== 我がご主人の良介は善人で人が良い。いつもにこにこしている。こんな厳しい状況に追い込まれても、奥様にも猫の私にもあたることはない。実に冷静に行動する。本も沢山読んでいる。中学出の営業マンで50台と聞いただけで、パソコンなどマッチしないのだが、我がご主人はインターネットを使いこなす。 先日も私を膝に抱きながらパソコンで労働相談をクリックしていた。有給をとってあちこちと相談に行っている。労働局や全労連を訪問しアドバイスをもらったらしい。いやに落ち着き払っている。 ====やっぱり来月で辞めてくれ==== 良介は社長に会って抗議した。「居住者に相談無く、借り上げ社宅の契約を解約するとはどう言う事ですか。」社長はしどろもどろになった。「ウチのが勝手にやった。しかし、君に給料を払える状態ではない。やっぱり、来月で辞めてくれ。」 「給料が払えないって?俺の代わりが挨拶に来たよ。そいつの給料は払えるの?奥さんの弟を入れるために追い出すんだろう。」社長はまたしどろもどろになった。「違う。あれはちょっと手伝ってもらうだけだ。」 「辞めるのは構わないが、それなりの条件を示すべきでしょう。」社長はこんなに抵抗されるとは思っていなかったようだ。今まで首にした連中は簡単だった。だから、クビは自由にキレるものと思っていたらしい。 ====団体交渉==== 良介は全労連から紹介されて地域の個人加盟の労働組合に加盟し、そこの書記長の同席で団体交渉をした。 ☆書記長:「社長さん。クビは簡単にはキレないんです。労働基準法の18条の2項にそのことが書いてあります。」 ★社 長:「どうすればいいんですか。既に若いのが働くことになってるから、辞めて貰わないと困るんだよ。」 ☆書記長:「辞めないと困るんなら、金銭解決しかないでしょうね。」「こちらの要求を言わせていただければ、規定の退職金150万円プラス損害賠償として150万円、有給休暇2年分40日の買い上げ80万円、慰謝料120万円で合計500万円ではどうかと言うことです。」 交渉は2時間ほど続き、総額400万円で折り合いがついた。 決着はついたものの良介のこれからは厳しいものがある。私の餌も減らされるであろう。 第23話 おわり
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退職強要、執拗な退職勧奨
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