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【プロローグ】 今日の私はやはり蜜蜂になって、眞由美を追っている。眞由美が部長との会話を録音したのは友人の勧めがあったからだった。眞由美は部長に会った翌日、辛い気持ちに鞭打って出勤し事業部長に事実を話した。事業部長は、部長を連れて会議室に入り1時間ほど話していた。そして今度は、事業部長に眞由美が呼ばれた。私はカーテンにとまって、耳を傾けた。 【眞由美と事業部長の会話】 ★事業部長 「辛い思いをさせたね。私からもお詫びしたい。部長には厳しく注意をした。」 「そこで、相談したいんだけれど、本人も猛省しているので許してやって欲しい。」 「なんとか穏便に済ませられないだろうか。会社として部長は必要な人材なんだ。」 ☆眞由美 「ただ、それだけですか。」 「私はもう会社には来られません。」 「私が、泣き寝入りして退職したら、それで終わりということですか」 事業部長との話し合いは1時間ほど続いた。どうどう巡りだった。眞由美はその日、体調がすぐれないと早退し、予約していた弁護士事務所に直行した。私も眞由美を追って弁護士事務所に来た。労働弁護団の有名な先生だった。 【眞由美と弁護士との会話】 ☆眞由美 「事情は以上の通りです。私としては部長に対する人事的措置を要求したいと思います。そして、私は会社を辞めるつもりです。辛くて会社には行けませんから。損害賠償と慰謝料の請求をしたいと考えています。」 ★弁護士 「辛い思いをしましたね。」 「証拠もあるし、妻子ある部長だから問題が外に出るのは困るだろうし、社長が親会社から来ているとなると、裁判しなくても交渉で何とかなるかも知れないね。」 「約束は出来ないけれど、会社に行って交渉することにしましょう。」 【エピローグ】 交渉は数日後、会社の社長室で行なわれた。弁護士の想定どおり、社長は要求のすべてを即座に受け入れた。和解金は180万円だった。部長に対する人事的な措置は約束され、その内容は会社に任せることになった。和解金の180万円は多分、部長の負担と思われる。 【第27話完結】
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セクハラ、強制猥褻
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