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【労基法第18条の二】 風太郎のところへ相談に来る労働者の相談内容で一番多いのが賃金の不払いだと思います。二番手が解雇に関する相談になると思われます。賃金の不払いは証拠を揃えて労基署へ申告すれば労基署が支払勧告をしてくれます。これは、明確な労基法違反と断定できるからです。証拠が無くても臨検によって、会社を指導することも出来ます。 ところが、解雇となると簡単には解決しません。確かに、労基法の「第18条の二」には解雇に関する規定があります。「第18条の二」には、こう書かれています。『解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。』 具体的な解雇の事案が客観的に合理的な理由を欠いているか否か、社会通念上相当であるか否か、労基署が簡単に判断できるものではありません。 【解雇の事案は労基署で申告事案としては扱わない】 その結果でしょうか、労働基準局長が発した通達によると、「(第18条の二)の規定に基づき解雇の効力を争う事案については、法第104条第1項(脚注1参照)に定める申告の対象とはならない・・・」と言い切っています。要するに、“不当解雇の事案は労働者から労基署に申告があっても、労基署では扱いません。”と言うことになります。 従って、労働者は解雇を争う場合、正式には民事訴訟や賃金仮払仮処分、労働審判制度と言った方法で裁判所の利用をすることになります。行政官庁や労基署は、何もしてくれないかと言うと、そうではありません。上記通達には更に次のように書かれています。 「なお、解雇をめぐる紛争について解撤を求められた場合は、個別労働紛争の簡易迅速な解決を図ることを目的とする個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律により解決を図る・・・」 【解雇の事案の行政での扱われ方】 要するに、“労基法違反として強力な行政権力による解決はできないので、正式には裁判所の利用となるけれど、行政としては「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づいて「あっせん」や「助言・指導」(脚注2参照)といった無料で利用できるサービスを用意していますので、それを利用してください。”と言うことになります。 労基署に解雇の問題で相談に行くと、「あっせん」や「助言・指導」といった制度の説明を受けることになります。 脚注1:労基法第104条第1項にはこうある『事業場に、この法律(労基法のこと)又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。』 脚注2:「あっせん」や「助言・指導」については当ブログ書庫「裁判外の紛争解決制度」をクリックして参考にしてください。
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