労働相談奮闘記

労働者の悲痛な叫びを伝えたくて、そして解決に役立てて頂く為に

契約社員のトラブル

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【契約社員という言葉】
風太郎の若い頃には、こんな雇用形態は無かった。辞書で調べてみても見当たらない。しかし、契約社員という言葉は、どこへ言っても通用している。有期労働契約の社員のことである。どこかに説明があるだろうと思って、ネットで調べたらフリー百科事典「ウィキペディア」にあった。次のように説明している。

契約社員(けいやくしゃいん)とは企業などと有期の期間での雇用契約を結んで職務に従事する社員のことを言う。期間社員、期間従業員などともいう。特に工員として勤務する場合は期間工などともいう。

【“これは解雇です”と必死にくいさがる労働者】
風太郎は、労働相談をやっていて、時には自分が嫌になる。労働者が風太郎に必死に同意を求めてくることがある。心情的には、労働者の言うとおりだと思うが、しかし、法的にも行政の解釈でも労働者の言い分は通らないだろうと思うときである。

今日もそんなケースに出会った。期間契約社員の契約更新をめぐるトラブルである。期間契約社員のトラブルは多い。1ヶ月に数回は、間違いなく遭遇する。

風太郎の前に座った山田(仮称)は、「今日解雇されました」と話しだした。「解雇は30日前に言わなければならないし、言えなければ、解雇予告手当が貰えるんですよね」と矢継ぎ早に話す。

風太郎は、このような時には、話し終わるのを待つことにしている。「雇用契約が終了する1週間前に言われたんですよ」「これって解雇ですよね」「お金は、無いし、こんなに急に解雇されたら困るんです」「酷いと思いませんか」「家賃も携帯の金も払えないですよ」

風太郎は、山田君の置かれた状況を理解した。山田君は、有期労働契約の社員である。事業主から「今月末までの契約を更新しない」と言われたのである。今月末まで、あと1週間しかない。失業するとその日から生活困窮者になるのは、このところの傾向である。金融資産が全く無い世帯が全世帯の4分の1という統計数値を肌で感じる。

風太郎は、「雇用契約書又は雇用条件を明示した書面は有りますか」と聞いてみた。案の定、書面は何も無い。このようなトラブルになるケースの半分以上が、口頭の契約である。

労働基準法の15条と労働基準法施行規則5条により“事業主は、労働条件の主要部分について書面を交付しなければならない”のに守られていないのである。法律で決められた書面を交付しない事業主は、約束を守るつもりが無いと見るべきだろう。

ついでに言うと、就業規則を渡さない会社も将来問題を起こす可能性が十分にある。就業規則は法律では要求されたら見せれば良い事になっている。しかし、就業規則は、会社の憲法なのだから渡すのが筋だろう。就業規則には、有給休暇のことなどが書かれているので見せたがらないのだろうと思う。

実は、就業規則を見せないと会社にもリスクがある。“これこれの場合に解雇する”と書かれているはずだが、見せていなければ当然解雇もできなくなる。事業主には就業規則の周知義務があり、周知していない就業規則は就業規則たりえないからだ。蛇足が多くなったが本題に戻ることにする。

風太郎は、更に「契約社員のようだけれど採用はいつですか」と聞いた。山田君は「ほぼ3ヶ月前です」「今月末までの3ヶ月の契約です」「当然、更新されると思ってました」「『長期に働けますか』と聞かれたから、1回の契約で終わりとは思いませんよね」


風太郎は「最初の契約が大事なんです。書面を貰って置くべきでしたね」と言った。山田君はむっとした表情で「ダメなんですか。30日前に言わないとダメなんじゃあないですか」と食い下がる。風太郎もその通りだと思う。少なくとも30日前には、更新できないと言うべきだろう。

風太郎は、「平成15年の厚生労働省の告示で、“有期契約の場合には雇い入れ日から起算して1年を超えて継続勤務している者に限って、更新しない場合には、少なくとも30日前までに、その予告をしなければならない”としている。従って、山田君の場合には対象外になっている」と話しました。(下部に記載の『参考資料』参照)

更に、「解雇ではなく雇用期間の満了という事なので解雇予告手当の対象にもならない」と付け加えた。

「口頭での契約も契約の内だから、更新することを約束していたなら会社には守る義務がある。約束という形でなくても、更新すると信じるに足る言い方をされていたのなら会社にやはり責任がある。そうであるなら、労働局に『個別労働紛争解決制度の助言・指導』を求めれば、労働局は会社の代表者を呼んで事情聴取をしてくれる。」という情報を提供した。

【企業よりの厚生労働省の告示】
この告示が企業よりであることは、下に示した告示の内容を一読していただければ分かるだろう。まず、第1条では、事業主は契約に際して更新が有るか無いか明示しなさいとなっている。そして、更新が有る場合には、どのような場合なのか、更新ができないのは、どういう場合なのか明示しなさいとなっている。

そして、参考資料には書きませんでしたが、どの様に書いたらよいか明示の例まで示している。曰く、契約の更新の有無は・契約満了時の業務量により判断する・労働者の勤務成績・態度により判断する・労働者の能力により判断する・会社の経営状態により判断する・従事している業務の進捗状況により判断する。

このように雇用契約時に労働者に明示しておけばトラブルは起きないだろうというのである。何故なら、労働者は諦めるからだ。第2条は、山田君の例で分かるとおりである。第4条は努力義務に過ぎない。こんなもにどんな経営者が従うでしょうか。

【参考資料】
有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準 (平成15年10月22日・ 平成15年  厚生労働省告示第357号)
(第1条)契約締結時の明示事項等
1.使用者は、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の締結に際し、労働者に対して、当該契約の期間の満了後における当該契約に係る更新の有無を明示しなければならない。

2.前項の場合において、使用者が当該契約を更新する場合がある旨明示したときは、使用者は、労働者に対して当該契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければならない。

3.使用者は、有期労働契約の締結後に前2項に規定する事項に関して変更する場合には、当該契約を締結した労働者に対して、速やかにその内容を明示しなければならない。

(第2条)雇止めの予告
使用者は、有期労働契約(雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第2項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。

(第3条) 雇止めの理由の明示
前条の場合において、使用者は、労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
有期労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。

(第4条)契約期間についての配慮
使用者は、有期労働契約(当該契約を1回以上更新し、かっ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。


https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/88/7b/huchisokun/folder/1448013/img_1448013_36313164_1?2006-07-17

憲法を守ろう

憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。

戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。

更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。

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労働者が、契約の更新に期待を抱くような、使用者の言動があったかどうか、というところが問題になってきますよね。 この事案については、難しそうですね。

2006/12/24(日) 午前 1:01 [ - ]


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