労働相談奮闘記

労働者の悲痛な叫びを伝えたくて、そして解決に役立てて頂く為に

これが個人事業主?

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【せめて、医者の治療費だけでも】
私の目の前に現われた女性・眞由美(仮名)は、見るからに憔悴しきっていた。年のころは20歳代前半と思われる。かなり美人だと思った。残念ながら、眼の輝きが無い。長年の勘で、ウツ状態であることは、直ぐにわかった。

眞由美はポツポツと話し始めた。「精神的に仕事を続けられなくて、先日辞めました。今、通院していますが、お金が続きません。せめて、治療費だけでも会社に負担してもらえないのでしょうか。」

【見習いの6ヶ月は無給】
眞由美は、盛岡の高校を卒業し上京した。TV業界への憧れがあり、親の仕送りで生活を始め、あるテレビ局から受託した番組の制作をする会社に就職した。いや、就職したつもりだった。

面接で、社長から「仕事を何も知らないんだから最初は見習いだよ。見習い期間中の給料は無い。授業料の要らない学校だと思ってくれ。見習い期間は2ヶ月。仕事ではないから無理にとは言わない。来なくても良い。強制はしない。しかし、毎日来ないと覚えられないから、採用はできないかも知れない。」と言われた。眞由美の話を聞いて風太郎は、労働者の弱い立場につけこんで、巧に只働きを強制していると感じた。

【TV番組の作成という仕事】
放送、取り分けTV番組の作成という仕事は、若い人達にとって魅力のある仕事のようである。風太郎は、放送局の周辺業務で働く人達の相談を沢山受けているから、この業界についてある程度知っている。テレビ局は、酷く安い委託料しか払わない。そこに、構造的な問題がある。

TV番組の制作の場合、まず。総指揮者としてプロデューサーがいる。その下にアシスタントプロデューサーがいる。出演者に指示をだしたり番組制作を進行させるまとめ役としてディレクターがいる。その下にアシスタントディレクターがいる。音声担当は、番組の中で必要な音声の管理をする。TVカメラマンは何人もいる。

その他にビデオエンジニア、照明担当、CGクリエーター、タイムキーパーなどが一緒に仕事をする。タイムキーパーはCMや中継など番組内の時間を管理する仕事である。この業界は、人気と需要があるため放送やTV、メディア業界で働く人達のための専門学校もある。しかし、その人気とは裏腹に労働環境は、過酷である。

【無給期間2ヶ月の約束が6ヶ月に】
眞由美が見習いで怒鳴られながら働いたのはタイムキーパー業務だった。眞由美は、土日も1日も休まず2ヶ月間働いた。しかし、見習い期間は、更に2ヶ月延長され、その後再延長されて只働きは6ヶ月となってしまった。結局、6ヶ月1日も休むことなく働く結果になっていた。

【個人事業主】
やっと、見習い期間の終了が社長から告げられた。“社員として働ける日がきた”と思った。社長に呼ばれた眞由美が聞いたのは「今後は、個人事業主としてやってもらう。」という言葉だった。そんな時、実家で父が倒れた。急ぎ、実家に駆けつけたが、間に合わなかった。

ショックは、大きかったが眞由美に悲しんでいる余裕はなくなった。家からの仕送りは、もう期待できない。自分ひとりで生きてゆかねばならなかった。葬儀を済ませた眞由美は、東京に戻った。

東京に戻った眞由美に、社長から個人事業主としての条件が示された。社長は「1回の収録が5000円、週に4,5回の収録がある。まとめて収録するから週に1日か2日働けば良い。個人事業主だから、嫌な仕事は、請ける必要は無い。」眞由美は、“確かに労働日数は少ないが月に10万円にしかならない。”と考えショックを受けた。しかし、働くしかなかった。「嫌な仕事は請ける必要は無い」と言われても断ることはできなかった。

風太郎は、こう考えた。本当に仕事に対して拒否権があるなら個人事業主かもしれない。しかし、眞由美は、社員になれると思って働いてきた。詐欺ではないのか。社員なら週に5日は働いて、20万円以上は稼げるはずだ。個人事業主なら国民健康保険に入らなければならない。国民年金にも入らなければならない。眞由美は、国保にだけ入った。

結局、眞由美は、個人事業主として怒鳴られながら、その後半年働いて辞めた。父の死、怒鳴られながらの仕事、社員になれなかったショックなどが重なって、病状も悪化し今は仕事ができる状態ではない。

風太郎は、考えた。酷い話だ。争うことはできる。初めの6ヶ月間は、賃金不払いと言えるだろう。しかし、何の記録も残っていない。会社は、出勤簿さえ作っていない。会社が、事実を認めれば簡単だが、ワルの企業はそう簡単に尻尾をださない。

争うためには、体力と若干の金銭的な余裕が必要になる。その後、眞由美との連絡はとれなくなった。実家に帰ったのかも知れない。

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●労働相談はどこへ&労使トラブルの六つの解決方法http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/88/7b/huchisokun/folder/1448013/img_1448013_36313164_1?2006-07-17

憲法を守ろう

憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。

戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。

更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。

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