労働相談奮闘記

労働者の悲痛な叫びを伝えたくて、そして解決に役立てて頂く為に

損害賠償

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【損害賠償の給与からの天引きは実に多い】
損害賠償を給与から天引きされたという相談は実に多い。“入社したけれど、残業代は払われないし、休日も無いから辞めるといったら、社員募集の広告代が損失だと言われて月給の半分が天引きされていた”とか、“お店の商品が盗難にあって、責任を押し付けられて給料を払ってくれない”とか、“店に並べてあった陶磁器にヒビが入っていて、管理責任を問われ、店員に損害額を按分された”とか、毎日毎日その種の相談が無い日が無い。

大きな金額の場合もある。商品の売掛金の回収不可能となり、セールス担当者が責任をとらされるようなことも起きています。労働者は、弱い立場にあり、社長から攻め立てられると自腹を切らされてしまうこともあるようです。

最近、このような相談事例が多いので、法的な面から解説することにしました。

【本人の同意がなければ給与からは差し引けない】
労基法24条は、賃金の支払いについての次の4つの原則を定めています。
• 通過払いの原則
最近は、銀行振り込みが一般的です。一定の条件の下に振込みが認められています。これが紛争になることは無いと思うので詳しい説明はしません。
• 直接払いの原則
労働者から委任を受けて代理人が受け取ることもできません。 また,労働基準法第59条は,未成年者の親権者や後見人が代わって受け取ることも禁止しています。
• 毎月1回以上,一定期日払いの原則
これもあまり問題になることは無いでしょう。
• 全額払いの原則
この原則に違反する事例が多く発生しています。とは言っても、税金などははじめから控除されているわけで、控除して良いものが定められています。

【給与から差し引いて良いもの】
労基法24条によると、賃金の一部を控除して支払うことが許されるのは、次の二つです。
• 法令に別段の定めが有る場合
• 一定の要件を満たした労使の書面による協定が有る場合

『法令に別段の定めが有る場合』とは
これは、次のとおりです。
• 所得税法第138条&地方税法321条の5・・・・・・・・・所得税と地方税
• 健康保険法第167条・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・健康保険料
• 厚生年金保険法第84条・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・厚生年金保険料
• 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第31条・・・・・・・雇用保険料
• 労基法91条・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・制裁金
制裁金とは、遅刻1回1000円などという就業規則に定められたものを言いますが、これには、厳しい制限があります。今回は解説を省きます。

『労使の書面協定による控除』とは
事業場の過半数を組織する労働組合があればその労働組合、過半数を組織する労働組合が無ければ、民主的に選ばれた事業場の過半数を代表するものとの書面による協定を締結することにより控除を可能とすることが「できます。

しかし、何でも協定があれば控除できるかというと制約があります。「購入代金、社宅、寮その他の福利厚生施設の費用、社内預金、組合費等事由明白なものについてのみ・・(略)・・認める」(昭27.9.20基発第675号)となっています。

【使用者が有する労働者に対する債権の賃金との相殺は許されるか】
【まず、債務として金額が確定しているかが問われる】
労働者のミスや不注意によって会社に損害を与えることはあり得ることです。それが、会社で定めたルールを無視して、どう考えても労働者の責任は免れない場合には、会社は損害賠償を求めてくるものと思われます。

しかし、その損害額は、労働者が承知しない限り会社が決定することはできません。はじめから損害額を定めておくことは、労基法16条「賠償予定の禁止」で禁止されています。従って、損害が生じてもその金額については、話し合うか裁判で決着させるかしか方法がありません。

このようなトラブルが発生した時、簡単には損害賠償に応じないことが原則です。裁判でも、労働者に余程の過失が無い限り、会社にも保険に入るなど危機管理責任があり、教育責任や保安管理責任があるわけですから全額労働者が払えとはなりません。

【労働者の債務として金額が確定しているが、賃金との相殺に労働者が不同意の場合】
明らかに労働者に重大な責任があり、金額も労働者が承知したような債務は賃金との相殺は可能なのでしょうか。勿論、労働者が金額について納得したら、何らかの形で支払うことにはなります。しかし、賃金との相殺に労働者が納得していない場合はどうなるのでしょうか。この点については、最高裁の判例があります。

最高裁の見解を要約すると「賃金は,労働者の生活を支える重要な財源で,日常必要とするものなので、使用者が労働者に対して有する債権を賃金と相殺することも許されないとの趣旨を含んでいるものと解するのが相当である。これは、その債権が不法行為を原因としたものでも変わりはない。」(関西精機事件・最二小判昭31.11.2)と,裁判所らしいややこしい表現ですが、要するに、使用者による一方的な相殺は許されないという見解をとっています。

【労働者の債務として金額が確定しているて、賃金との相殺に労働者が同意している場合】
事業主が労働者の同意を得て労働者の債務を賃金と相殺することについては,判例では,労働者の完全に自由な意思に基づいていると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することを要件として,全額払いの原則に反しないと解釈しています(日新製鋼事件・最二小判平2.11.16)。

【会社のミスで賃金を過払いしていた場合は相殺可能でしょうか】
これについても、最高裁の判例があります。結論から言うと一定の条件をつけ相殺を認めています。その条件は、「労働者の経済的安定をおびやかさないこと」と要約できます。金額が大きくなったりするとやはり問題です。これは、ケースバイケースと言っていいでしょう。(福島県教組事件・最一小判昭44.12.18)

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●労働相談はどこへ&労使トラブルの六つの解決方法http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun
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https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/88/7b/huchisokun/folder/1448013/img_1448013_36313164_1?2006-07-17

憲法を守ろう

憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。

戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。

更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。

※当ブログでの個人情報の取り扱いについては右をクリック→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/17434077.html

閉じる コメント(14)

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あなたの所属している労働組合が団体交渉で獲得した解決金の支払いは使用者が組合員に直接支払うように取り決めていますか?未払い賃金請求の団体交渉で獲得した解決金を使用者が労働組合に支払うように取り決めた場合、賃金の直接労働者払いを義務付けた労働基準法第24条違反になりますけどいかがでしょうか?

そして解決金を組合員に労働組合から支払う際に寄付金を天引きした場合、寄付金は交渉を代わりに行ってくれた謝礼による報酬とみなされ、たとえ組合員の同意が得られたとしても弁護士法第72条に抵触するおそれが十分有ります。いかがでしょうか?


答えたくないのなら明確に意思表示してください、それなら書き込みはもうしません。

2010/7/3(土) 午前 2:34 [ RJ35 ]

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私は組合の関係者ではありませんが、私の考えでは未払い賃金を組合が解決金という形で組合の口座に振り込ませるのは間違いだと思います。未払い賃金は解決金などという名目で払わせるものではないと考えます。それは、はっきりと賃金として労働者の口座に入金させる必要があると考えます。24条があるからです。一方、解雇されたような際の損害賠償は賃金ではありませんから裁判所での和解でも弁護士の口座に振り込まれ、そこから弁護士費用などが差し引かれ弁護士から労働者に支払われるケースがあるようです。会社側は損害賠償という言葉に抵抗を感じるということから一般的に解決金と言われるようです。

2010/7/4(日) 午後 4:06 [ 風太郎 ]

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組合の関係者ではないのですか、早とちりをしてすみませんでした。ところでパワハラ等の是正要求の団体交渉で獲得した解決金の支払い先はどちらにすればよいとあなたは思いますか?もちろん私は組合員に支払ったほうがよいと思いますが。

2010/7/4(日) 午後 7:10 [ RJ35 ]

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本来は、労働者の口座に支払われるべきものと考えます。労働組合の組合費やカンパは組合員である労働者の自主的な意思によって払われるものです。そのことをはっきりさせるためにも、会社から組合に入金させ、そこからカンパなどを差し引くというやり方は、とるべきではないと考えます。

2010/7/4(日) 午後 11:36 [ 風太郎 ]

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誠実な返答ありがとうございます。まったくそのとうりですね。

2010/7/5(月) 午前 0:09 [ RJ35 ]

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複数の組合員が解雇され当然未払い賃金も発生する労組と会社における労働争議ひとつ取り上げても、例えば解雇されてから一年後に地方労働委員会や裁判、または団体交渉の合意で、過去一年分の未払い賃金額に相当する「和解金」で金銭解決する場合など、個人個人の組合員に個別に支払われることなどないのでは。この場合の「和解金」は「賃金」ではないからです。
今回のJRの和解での「和解金」も1千人の被解雇者に個別になど支払ってきません。
労基法24条との関連ですが、「解決金」「和解金」は、「賃金」ではありません。

2010/7/5(月) 午前 5:33 [ 労務 ]

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「未払い賃金」を巡る争いであっても、労組と会社の長年の争議の末「和解金」「解決金」で一括解決する場合も多いはずです。この場合も同様です。過労死や労災を巡る損害賠償を算定する場合、当然「賃金」も計算に含まれますが、一括で「解決金」として合意すれば交渉団体先に支払う以外ないはずです。繰り返しになりますが、「解決金」は「賃金」ではないからです。
過去の未払い残業代を請求する争いでも、会社が全額支払たくない場合や支払えない事情がある場合「和解金」として合意する以外解決の方法がない場合もよくあります。この場合も労組口座に支払う以外支払う方法はありません。

2010/7/5(月) 午前 5:34 [ 労務 ]

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集団の紛争の場合の解決の仕方に関しては、相手が有ることでもあり、また組合員間の事情も複雑なので理屈通りには行きませんね。私のかかわる紛争は個別紛争のために比較的理屈が通りやすいのかも知れません。

2010/7/5(月) 午前 6:32 [ 風太郎 ]

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労務さん、解決金等が賃金でないのなら組合員の手に入る解決金は所得税法上給与所得ではなく雑所得ということになり、税率は上がり、しかも組合員自ら確定申告をしなければならなくなります。こんな不合理なことはありません。

それとその場合、労組は寄付金を天引きしてから組合員に支払っているのでしょうか?そんなことをしたら弁護士法第72条に抵触するおそれがありますよ。

2010/7/5(月) 午後 2:50 [ RJ35 ]

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「解決金」は労基法違反でもなければ弁護士法違反でもないことは明明白白。今さら争いはない。

2010/7/5(月) 午後 8:25 [ ユニオン ]

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使用者が解決金を事務処理するときに賃金として計上しなければ労働基準法違反になることはまずないでしょう。しかし、労働者である組合員が労基署に申告して労基署が調査して実質上は賃金とみなされて労働基準法違反になる可能性がないといはいえません。

それと解決金に税金が掛からないかどうかはケースバイケースです、あなたが解決金に税金が掛からないと主張する根拠は何ですか?

2010/7/5(月) 午後 8:40 [ RJ35 ]

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「賃金」とは労働の対価をいう。
団体交渉等の労使合意の「損害賠償金」「付加金」「解決金」「和解金」は絶対に絶対に絶対に賃金ではあり得ない。労基法の対象外、労基署の管轄外。

2010/7/7(水) 午前 0:16 [ 組合員 ]

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いかなる場合でも解決金が賃金でないのなら未払い賃金請求の団体交渉の解決金までもが賃金でなくなります。そうなると労働者である組合員の手に入る解決金は所得税法上給与所得ではなく雑所得となり、税率が上がりしかも組合員が自ら確定申告しなければならなくなります。こんな不合理なことはありません。

君の所属する労働組合の組合員は未払い賃金請求の団体交渉で解決金が手に入るたびに雑所得の確定申告をしているのでしょうかね〜

2010/7/7(水) 午前 2:35 [ RJ35 ]

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↑有り得ない
三菱やダイハツから訴えられるかも

2010/7/9(金) 午後 5:29 [ ○○ ]


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