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【影響の大きかった日本マクドナルド事件の地裁判決】 久しぶりに長期の休暇を取って山小屋で補修工事や草刈りの合間に労働判例を読みました。今、話題になっている日本マクドナルド事件です。1月にでた東京地裁の判決の後、外食チェーン店を中心に影響が広がっています。労働基準監督署にも自分は名ばかり管理職であるとの訴えが多くなってきています。労働者からの申告があれば、監督署が判断し残業代の支払い勧告するケースが増えています。 派遣法の改正が労働側の要請で検討されるなど、最近は労働者側が攻勢に転じているように思われます。マクドナルド裁判も労働者の反撃の一つです。90年代から00年代にかけて、経営側の攻勢はすごかったが、転機はホワイトカラーイグゼンプションだったかも知れません。残業代ゼロ法案と言われて引っ込めざるを得なくなりました。その頃から労働者側の反撃が始まっています。 ホワイトカラーイグゼンプションでは、管理監督者だけでなく年収400万円以上のホワイトカラーには残業を青天井でやらせても残業代を支払う必要が無いという方向で法案が検討されていました。ホワイトカラーイグゼンプションが引っ込んだ後、名ばかり管理職が問題になりました。そして、名ばかり管理職の問題が新聞紙上で話題を呼んでいる最中にでたのが、日本マクドナルド事件の判決です。 外食チェーン店に限らず、名ばかり管理職は日本全国に常態化しています。日本マクドナルド事件の地裁判決を分かりやすく解説することで、全国で名ばかりの管理職にされ苦しんでいる労働者の闘いに参考になればと思い記事にすることにしました。 【管理監督者は、労働時間規制の適用除外者】 労基法32条では1日8時間、週40時間労働を規定しています。34条では6時間を超える場合には45分、8時間を超える場合には1時間の休憩時間を与えるよう定めています。さらに、35条では週に1回の休日を与えることを義務付けています。 労働者は、労働時間や休憩時間や労働日数についてこれらの規制に守られているわけです。しかし、労働基準法41条2項では、管理監督者についてはこの規制の適用除外者であると定めています。管理監督者であれば、残業代は支払われないということです。これは、大変なことです。3週間4週間と連続出勤しようが、1日15時間働こうが残業代は払わなくて良いというのですから、管理監督者になるということは、大変なことだとの認識が必要です。(深夜労働は、真の管理監督者に対しても深夜労働の割増賃金を支払わねばなりませんが、部長課長となれば、これも支払われないというのが現状ではないでしょうか) 【名ばかり管理職】 労基法の条文上には管理監督者の定義が規定されていません。しかし、それを補完するために労働基準局長名での通達(基発)が3回出されています。そして、裁判の判例でもこの通達に沿って判例法理として確定しています。にもかかわらず、企業は、今でも残業代をケチる目的で名ばかりの管理職をつくり、それが日本のあらゆる企業に常態化しているというのが現状と言えます。行政の通達も沢山ある判例もブレはありません。ブレは、残業代をケチろうとする企業との間に生じています。 今回の記事は、長くなりますので続きは次回とします。次回は、行政の通達や判例に見る労基法上の管理監督者とは、どういった人たちのことを言うのかについて書く予定です。 |
重要判例
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