|
お薦めしたい本がある。中谷巌氏による「資本主義は なぜ 自壊したのか」である。 構造改革や新自由主義を批判した書籍は沢山あり、風太郎もそのいくつかは読んでいる。この本も内容的には同じ部類に入るが、著者の経歴に大きな特徴がある。 氏は、かつて政権の側の学者であったことである。氏自ら「構造改革の急先鋒であった著者が記す『懺悔の書』」と位置付けている。 巷では、“今頃反省しても遅いよ。”とか“しょせん、転向者だろう。”とか揶揄する向きもあるが風太郎は、そうは思わない。脅迫されて転向したわけでは無く、自ら自分のやってきたことを恥じ懺悔したからである。寧ろ素晴らしい理性の持ち主と感じた次第である。 そして、政権の側にいただけに、内情を十分に知り尽くしていることである。それだけに説得力を持っている。ゴールドマンサックスの社員の平均年俸が7000万円、リーマンブラザーズが倒産したが、社員は十分に貯め込んでいるから困るわけでは無いなど知らなかったことである。 サッチャーやレーガンに始まり、小泉政権に引き継がれた新自由所儀は、すべての規制を外し、自由競争の原理に任せるならすべてが上手くいき、やがて素晴らしい社会になるというものだった。 しかし、現実は、規制を外され何でもできるようになったグローバル資本、とりわけ金融資本が暴走し始め全世界に不幸をまき散らしている。氏は、今の不況も格差社会も、秋葉原の事件も医療崩壊も食品偽装も、そのすべての元凶は「市場原理」だった!と結論付けている。 文章も分かりやすく読みやすい本である。是非、一読をお薦めしたい。 |
推薦図書&書評
[ リスト ]







