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●改正労基法を伝える厚労省のパンフレット→http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1e.pdf 60時間を超えても5割増しを支払わない合法的な方法があった。風太郎は、事業主からの相談も多数受けている。今日、同じ内容の質問が異なる事業主からあった。その内容はこうである。「労働者に法定休日を1週に付き2日与えることは合法と考えて良いか?」と言う内容である。労基法35条の休日の規定は次のとおりである。【労基法35条】
「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。 2 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。 労基法35条で定めてある週1回以上の休日は法定休日と言われる。土日が休日である企業も多いが大概は日曜日を法定休日として土曜日は法定外休日として分けている企業が殆どだろう。土日が休日で1日8時間労働の企業なら土曜日の労働は「時間外労働」であり、日曜日の労働は「休日労働」である。 ところで、労基法で法定休日に出勤させると35%増しの休日出勤手当の支払いが義務付けられている。土曜日を法定外の休日としておけば休日労働とはならず単なる時間外労働となり25%増しの時間外手当でOKだ。 時間外の25%増しの手当は、1日8時間を超えた場合と、1週間に40時間を超えた場合に適用される。月曜日から金曜日までの所定労働時間は8時間×5日=40時間、従って土曜日は初めから40時間を超えているので25%増しとなる。通常、土曜日の労働は休日労働ではなく時間外労働であることを覚えておいてほしい。その土曜日を法定休日にする企業が出てきたのである。土曜日に働いても35%増しとなる。良いことのように思うかもしれないが、実はとんでもない思惑があるのだ。 土曜日も日曜日も法定休日にすると、何故人件費節約になるか事業主からの質問は「1週間に2日の法定休日を与えて良いか?」である。風太郎は「それはOKだけれど両日とも35%増しの休日労働手当が必要ですよ。」と答えた。事業主は「それは分かっています。」と言った。風太郎は25%増しではなく35%増しを事業主が選択するのだろうかと考えてみた。そして、気付いた。もしかしたら、この企業は60時間をはるかに超える残業が常態化しているのでは無かろうか。 60時間を超えたなら平日に残業をすると50%増しの残業代を支払わなければならない。しかし、日曜日に休日出勤させれば35%増しで済む。残業が60時間を超えたら、平日の残業はストップさせ日曜日に仕事をさせた方が人件費は少なくなる。50%増しより35%増しの方が事業主にとっては負担が少ない。 しかし、日曜日は通常1カ月に4回だ。土曜日も法定休日にしてしまえば土曜日は時間外労働ではなく休日労働となるから日曜日と同じ35%増しで済むことになる。60時間を超えた段階で土日出勤にさせる気だろう。いや、60時間をはるかに超えることが分かっていれば、全ての土日に出勤を命じるのでは無かろうか。 労働者から休日を奪うものになる。時間外労働を少なくする目的の改正労基法が労働者から休日を奪いことになりかねないと思えてきた。休日労働も50%増しを義務付けないと、労働者の健康を害する結果に繋がりかねないと感じた。それにしても経営者たちはシタタカである。例えば、1か月に5日の土日が有った場合、100時間を超える時間外が予測されるなら全ての土日に8時間労働をさせると8時間×5日=40時間である。60時間を超える40時間全てを休日労働手当の35%増しで処理できる。50%増しよりずっと人件費の節約になると考えるだろう。 平日は残業で深夜に帰ってきた労働者が土日は休んで子供と遊ぶ時間が有ったかも知れない。しかし、その土日の休日が休めなくなるとすれば大問題である。 こんな目的で土曜日も日曜日も法定休日にするのは論外であるが、土曜日は休んで日曜日に働かされるケースは増えるに違いない。
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