給料が3ヶ月間支払ってもらえません。
若い男性労働者からの電話相談である。よわよわしい声である。「どうしました?」となるべく優しく声を掛ける。「解雇されたみたいです。」「ゆっくり聞くから順を追って話して頂けますか?」
要領を得ないやり取りが続き、その内容が分かった。会社の取引先企業が倒産して、売掛金が入らず、給料が払えなくなったので社長から申し訳ないが待ってくれと言われ給料無しで働いたが限界になった。
社長もそのことは分かっていて、「仮に解雇するから失業給付を貰ってくれ。」仮にとはどういうことかと聞いたら、「仕事は続けてもらうと言うことだ。」と言われた。「会社の成績が回復したら未払いになっている賃金も払うからそうしてくれ。」とも言われた。
失業給付の不正受給の強要である。「未払いの給料もいつかは払う。」などと言われると辞めるに辞められない状態となり悩んだ末の相談の電話だった。当然、「それは犯罪だから止めなさい。」と言わざるを得なかった。しかし、労働者にとっては、そんな不正を受け入れなければならないほど追うつめられているのだろう。
この労働者には、社長に未払い賃金について払うと約束をさせ、その際、準備しておいた債務確認書にハンコを押させろことを提案した。うるさくすると払う場合があることも話した。最終的には簡易裁判所の少額訴訟を利用することを提案したが、迷っているようだった。厳しい現実である。
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