労働相談奮闘記

労働者の悲痛な叫びを伝えたくて、そして解決に役立てて頂く為に

賃金未払い、サービス残業、賃金全

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美容・ネイルサロン・マッサージでの実技訓練

新入りの従業員に対して業務終了後行われる実技の講習が労働か否かと言う問題が有る。これが、業務命令として行われるのであれば、明らかに業務であるが、ハッキリとした自由参加ならで研究会的なものであれば業務ではないと言える。しかし、現実には強制されていることが多いだろう。これは、業界特有の過酷な労働の実態と言える。

本来は残業代が支払われるべき労働

新入りの労働者は早く技術を身につけたいとの思いがあり、これを利用して只働きを強いる事業主は結構多いのである。勿論、残業代をちゃんと払っている事業主もいるので業界全体が悪いとは言わないが、悪質な事業主の多い業界でもある。

半年以上勤務しなければ月5万円の研修費を遡って支払う念書の効力

只働きをさせていながら、辞めると遡っての研修費の支払いに同意する念書をとっている事業主も有る。これなどは、労基法16条違反であることは間違いない。

これについては、サロン・ド・リリー事件(昭和61年5月30日浦和地裁判決)がある。サロン・ド・リリー事件では、事業主から美容の技術指導を受けた労働者が会社の意に反して退職した為、1カ月につき4万円の講習費を遡って支払うとした契約について争われた事件である。

判決では、労働者の自由な意思を拘束し退職の自由を奪うものであり労基法16条違反であるとしている。このような労基法違反の事件が、監督署の指導で解決せずに司法の場に上がってしまったことは不可解だが、今では労基署も申告が有れば16条違反として中止させるべく動くと聞いている。

●労基法16条:(賠償予定の禁止)
第16条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

入社と同時に30万円の研修費を払え!

昨年の今頃のことだったが、秋田県からでてきた若い女性からの相談だった。寮付きの募集にひかれて、一時東京の親せきに厄介になりながら面接の臨み内定を頂いた。風太郎の労働相談の経験から言えることは、余程の大企業で無い限り、寮付きの募集は要注意である。決まって、労働条件が劣悪である。

東京でアパートを契約するのは大変である。敷金が必要であり保証人も必要である。お金が無く、親戚も無ければアパート住まいはできない。敷金礼金ゼロのいわゆるゼロゼロ物件はご承知のとおりヤバイ物件である。

そんな弱みに付け込むのが、劣悪な労働条件で働かそうとする事業主たちである。寮付きで直ぐに入居できるが家賃は給料から結構高額な家賃を引かれる。賃金が安いから、貯金はできない。結果として、アパートにしばられ逃げ出すこともできない。

激しいパワハラでうつ病になり、逃げ出してきた労働者の世話をしたことがある。「寮付きの募集に惑わされるな!」と言いたい。

話が横道にそれたが、秋田から出てきた女性の話に戻そう。入社内定時の面接で、直ぐに寮の世話をしてくれるよう頼んだ。すると、人事担当者が入社前にタイに行ってタイ式マッサージの研修に参加してもらうので30万円の研修費用を先に払えと言われた。そのことは事前に聞いていたので内金として3万円払ってあったが、寮の世話をするのなら全額払わなければダメだと言われたとのことだった。

仕方なく、貯金をおろして残額を支払ったが、支払った直後から態度が一変し、何かにつけ怒鳴られるようになった。怖くなって、就職を諦め実家に帰ろうと考え、支払った翌日に解約を申し入れたが、「非常識だ!」とか言われて返金してくれなかったとのことである。

結果は、労働局の「助言・指導」を利用して返金してもらえたが、悪質な事業主である。

風太郎が調べたところ、タイ式マッサージの日本国内での研修も有るが70万円ぐらいの研修費用がかかるようである。タイに行って研修を受けると13万円ぐらいの研修費用で済む。飛行機代や宿泊代を加えると20万円から30万円ぐらいは掛かるのかも知れない。
この金額を、全て会社負担にした場合、研修を受けて直ぐに退職されたら困るとの企業側の気持ちも分からないではない。そこで、企業は、入社前に入社予定者の負担でやろうとするのであるが、高額なだけにトラブルに発展するケースが多い。

入社後の研修なら会社負担とすべき

入社後の研修で業務命令での研修で有れば、会社負担である。しかし、この場合には非常に微妙である。入社前の任意の旅行の契約と言えなくもない。その場合には、労働局で無く、消費者センターのADR(裁判外紛争解決制度)を利用して解決する手も有ったのかも知れない。

登録型の添乗員の研修費用

添乗員派遣会社が添乗員を募集すると結構集まるそうである。添乗業務の経験者で有れば、即戦力として派遣が可能であるが、未経験者を採用すると当然に研修や教育が必要となる。

派遣会社は、既に添乗員として教育された人材を派遣する義務が有る。従って、教育をすることになる。座額の教育は当然無料でやるのであろうが、国内や海外あの実践的な教育をしなければ使いものにならない。研修旅行の費用は莫大である。これを、登録派遣社員の負担で乗り切ろうとする派遣会社は多い。

法的にみると、登録していても雇用契約は発生していない。従って、厳密に言うと入社後の業務命令による研修旅行ではない。未経験者は、サブ添乗といってチーフ添乗員の指揮命令に従って添乗業務をするので旅行経験が乏しくとも添乗はできる。添乗業務と添乗業務の間のインターバルは雇用契約が無い。しかし、前後に雇用契約があるのだから、研修旅行は会社負担とすべきだろう。

大手の旅行会社の子会社である添乗員派遣会社の登録添乗員に対する研修旅行の負担について調べてみた。(意外と簡単にネットで調べられる。)その結果、国内研修旅行ぐらいまでは会社で負担しているようである。

派遣会社に電話して聞いてみたが、海外の添乗員の教育はサブ添乗から経験をさせるが、希望者には自費研修もやっているとのことだった。派遣先の旅行会社の社員はどうかと聞いたところ、全部会社負担での研修ですとのことだった。やはり、派遣社員は研修でも厳しい立場であることが分かった次第である。

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