はじめに最近、代休や振休に関する相談が寄せられました。その相談内容に関しては「代休を悪用した悪質な労務管理」と題するブログ記事にしましたが、その記事の中で代休と振休の違いを解説する必要がありました。しかし、記事が長くなる為、別記事として作成することにしたわけです。●代休を悪用した悪質な労務管理→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/59357875.html 休日振替と代休休日振替と代休の違いについて、行政では労働基準局長から質問に答える形の通達として示されています。その通達分を下に示します。問:就業規則に、休日の振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる旨の規定を設け、これによって所定の休日と所定の労働日とを振り替えることができるか。
答1:就業規則において休日を特定したとしても、別に休日の振替を必要とする場合休日を振り替えることができる旨の規定を設け、これによって休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定して振り替えた場合は、当該休日は労働日となり、休日に労働させることにならない。 答2:前記1によることなく休日に労働を行った後にその代償としてその後の特定の労働日の労働義務を免除するいわゆる代休の場合はこれにあたらないこと。(昭和23年4月19日 基収1397号、昭和63年3月14日基発150号) 休日振り替えは特定の休日と労働日を交換すること要するに、休日振替は、その休日が来る前に、休日を他の労働日と交換してしまうことです。例えば、4月25日(日)の休日を労働日とし4月26日(月)の労働日を休日として4月24日までに事業主が労働者の指示することです。下の表は土日が休みで1日の所定労働時間が8時間の前提でご覧ください。 この企業では日曜日を法定休日としています。また、就業規則上の定めが無いので日曜日から土曜日を1週間とみなします。 ※【振替2】では土曜日の休みを翌週の月曜日に振替へています。そのことによって初めの日曜日から土曜日までの1週間の労働時間が8時間×6日=48時間となります。休みを同じ週内に振替へないと40時間を超えることになるわけです。この場合、振り替えていますから労働日数の増減はありません。給料の範囲内の労働に見えますが、振り替えた週の労働時間が48時間と40時間を超えているため、8時間×0.25分だけは加算して払う必要があります。 ※【代休】では、日曜日に出勤しその代償として月曜日に休んでいます。形の上では【振替1】と同じです。しかし、日曜日になる前に振替措置を行いませんでした。従って、休日に労働したことになります。休日労働です。しかも、所定労働日数より1日余計に働きますので給料の枠の外になります。法定休日の賃金は1・35倍です。所定月給の外側として所定給与に休日労働時間の賃金の1.35倍の賃金が加算されて払われます。その代わり、月曜日にその代償として代休をとっていますから代休をとった時間に対する賃金の1.0倍の賃金が差し引かれます。労働者には0.35倍の賃金が残る計算になります。 == 休日振替によって週の労働時間が40時間を超えることが有る。== 既に、上の例で説明しましたが、休日を別の週に移してしまうことで当該週の労働時間が40時間を超えることがあります。この場合には、40時間を超えた時間については割り増しが必要になります。休日を振り替えているので所定労働日数は変動しません。従って、0.35、0.25、0.5といった割増部分が問題になる分けです。 代休は振替をせずに休日労働をした後での労働日の勤務免除上の例で説明したとおり休日の前日までに振替をせずに働いた場合、法定休日の場合には休日労働、法定外休日の場合には時間外労働となります。しかも、所定労働日数を超えて働くことになりますので、給料の枠外の労働です。休日労働では1.35倍の賃金が別払いされます。法定内休日の労働には週の所定労働時間が40時間を超えていれば1.25倍の賃金が加算されます。別の日に代償として代休を取った場合には1.0倍の賃金が差し引かれるわけです。労働者(企業)にとって振替が得か代休が得か同じ週内に振り替えれば、割増しの必要が無いので企業にとって振替は賃金の支払いを節約できます。しかし、振替は1日単位です。日曜日に2時間だけ出勤するなどの場合には代休の方が時間単位で代休を与えられるので利用されるようです。労働者にとっては、どうでしょうか。代休の方が金銭的に得のように思われますが、労働組合が無い過酷な職場では、代休が何十日も貯まってしまっているケースが見受けられます。休みなしで働く結果になりかねません。代休を取ることを前提に割増部分しか支払わない企業もあります。退職に際して貯まってしまった代休を取ることも出来ずに泣き寝入りするケースが多発しています。
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