金持ちしか法律家になれない?
労使紛争が起きた時、組合の団交や労働基準監督署の行政指導、労働局の紛争解決制度などを利用して解決の努力をするが、どれも判決を突き付けるわけではないので決定打にはならない。最後に頼りにするのが裁判所。裁判所の利用には弁護士を頼ることになる。
その弁護士が金持ちの味方しかしないとなればどうだろう。今は、労働弁護団など労働者の味方になることを旗印にした弁護士集団が有るが、そういう奇特な弁護士が少なくなる仕組みが作られようとしている。この制度改正で、なりたての弁護士は600万円から1500万円の借金を抱えて弁護士を始めることになりかねない。そうなれば、弁護士は儲かる仕事しかしなくなる。
「週刊金曜日」に日弁連会長の宇都宮健児氏がこの問題に関して寄稿している。
以下、「週刊金曜日」から転載します。
【金持ちしか法律家になれない。】
司法試験に合格して弁護士・裁判官・検察官になるには、司法研修所で一年間の司法修習を受けなければならない。司法修習生には、修習に専念する義務が課され、アルバイトは禁止されている。このため、修習生に対しては、国から国家公務員の大学卒初任給相当額の給与が支給されてきた。
しかし、今年の11月からは、この給与が打ち切られ、生活費等が必要な修習生には一定金額を貸し付ける「貸与制」に切り替わることになっている。
日本弁護士連合会(日弁連)が2009年11月、新63期司法修習生1528名の法科大学院在学時の奨学金利用の実態を調査したところ、52.81%が奨学金を利用しており、平均額は318万8000円、最高額は1200万円であった。今年11月から司法修習生の給与が貸与制になれば、法科大学院時代の借金に加えて、約300万円の借金が付け加わることになる。そうなると、新しく弁護士・裁判官・検察官になった人の二人に一人が平均600万円近くの借金を抱え、多い人は1500万円近くの借金を抱えることになる。法律家になった途端に多重債務者となってしまうわけである。
このままでは、経済的にゆとりのある家庭の子どもしか法律家にならなくなってしまうおそれがある。その結果、市民感覚からかけ離れた法律家が数多く輩出されることになりかねない。
実は、私は、司法試験に合格した後、大学を中退して司法研修所に入っている。司法修習生になれば、公務員の初任給相当額の給与がもらえるので、経済的に苦しい親に迷惑をかけなくて済むと思ったからである。今のような法曹養成制度では、私自身果たして弁護士になれたかどうか分からない。
山口二郎北海道大学教授は、『東京新聞』のコラムでこの問題について、「借金を背負ってキャリアを始めた弁護士が、儲かる仕事に専念し、弱者の権利擁護には背を向けるということが起こるかもしれない。正義感を持った法律家の卵が、後顧の憂いなく勉強に励めるように、社会全体が支援すべ
きである。その成果は、社会正義の実現という形で、戻ってくるはずである」と述べている。
現在、日弁連は、緊急対策本部を設置し、貸与制を阻止し、給費制を維持する運動を展開している。
「週刊金曜日」
大企業の宣伝などが載らない週刊誌なので、言いたいことが言える週刊誌なので、少し割高だけれど信頼できるので風太郎は愛読しています。
|
ニセ司法「改革」に全体として推進的だった日弁連が、こんな末節的な問題だけを捉えていまさら何をいうか、という気もします(鉄建公団訴訟や建交労鉄道本部訴訟に消極的だった労組多数派が、難波判決を契機ににわかに活気づいたことに対する原告団の気持に似ている)が、宇都宮執行部になって明確な路線転換がなされたのであるならば、歓迎です。しかし、給費制であっても、既に多くの修習生の志望先は、大規模企業法務系事務所になっているはずです。給費生の維持だけで問題がなくなると考えるならば、それは牧歌的な幻想に過ぎないでしょう。
2010/6/27(日) 午前 0:46 [ KM ]
風太郎さん、こんにちは。
転載させていただきます。
2010/6/27(日) 午前 10:37
転載に感謝します。
2010/6/27(日) 午後 2:54 [ 風太郎 ]
風太郎さん、こんにちわ。
こちらの記事、気が付きませんでした。。。。
遅くなりましたが、転載させてください。
2010/7/8(木) 午後 10:27
転載に感謝します。
2010/7/9(金) 午前 7:03 [ 風太郎 ]