労働相談奮闘記

労働者の悲痛な叫びを伝えたくて、そして解決に役立てて頂く為に

パワハラ、うつ病、PTSD

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休むと怒られる!だけど足が震えて会社に行けない

うつ病にもかかわらず、休まずに働き、取り返しがつかないほどの重篤なうつ病になることが有る。「そんな状態なら休みなさい。」と言っても、「休んだら叱られる。」と言って会社に行こうとする。

風太郎は、そういう気の毒なケースを沢山みてきた。「夫のうつ病が酷くなって、自殺すると言って家を飛び出した。」と電話をもらったことも有る。風邪で熱が出たら休む、癌になれば入院する、怪我をしたら治療する。そんな単純なことが精神疾患の場合には、なかなかできない。

今日の電話もそうだった。震える体に鞭打って通勤の電車に乗ったものの、吐き気をもよおしてホームに降りて吐いた。幸い、食べて無かったので吐いたといってもホームを汚さずに済んだ。会社に着いたが、不安で自席に座っていられずにトイレで泣いていた。素人目にも出勤することへの拒否反応である。彼女は、こんな状態でも心療内科に通院していなかった。

この日は仕事にならず、社長に断って帰宅し風太郎への電話となった。電話の内容は、上司のパワハラを訴えることから始まった。「それは辛かっただろうね。」と声を掛けると泣き声になった。話せるようになるのに少し待たなければならなかった。

こんな状態でも「明日は出勤します。」と言った。何故?と聞くと、「怖いから。」と言われた。

風太郎は、こんな時、自分の経験を話す。「以前、私もサラリーマンでした。リストラの一環で給料を10万円下げることに同意を求められたことが有る。当然、同意はしなかった。会社との間で争った。そんな時、会社の健康診断で癌が発見され、主治医から風太郎さんは、まだ会社と争うんですか、それとも入院して手術しますか?と言われた。風太郎は入院することにした。」

「うつ病も癌も同じ怖い病気です。癌は死ぬかもしれません。うつ病には自殺がある。貴女は癌なら会社に行きますか。行かないでしょう。うつ病だって怖い病気だから休みましょう。」

そんな説得の後で、彼女は休むことを決め、まだ病院へ行ってないので診断書は後から送ることにした。

会社の上司から「今月末で退職の扱いにしとくから」とのメール

彼女からの電話の翌日、再度電話が有った。上司に「体調が悪いのでニ三日休ませて下さい。」とメールしたら、その返信で「今月末で退職の扱いにしとくから」とのメールが来たとの内容だった。

風太郎は、彼女には会社とやり合う体力は無いと考え、最低限の対応だけとるようアドバイスした。上司に対して、次のようにメールを送りなさいと言って、書き取らせた。

「今月末で退職する意思はありませんから、退職の手続きを進めるのを中止してください。本来は、会社に行って直接お願いしなければならないけれど、体調が悪くてできないので、労働局に相談しました。そしたら、労働局が間に入ってくれることになりました。診断の結果、一定期間休む必要があるとなったら、私は休職を希望します。」

この時点では、彼女は労働局へ相談に行っていないのだが、こう言う状態で有れば、個別労働紛争解決制度の「助言・指導」が利用できるとの読みである。幸い、風太郎には労働局に知り合いも多いので何とかできるとの自信が有った。

翌日、彼女から電話が有り、今度は社長から次のようなメールが送られてきたとのことだった。

「休職は認める。傷病手当金の手続きも総務に指示した。従って、労働局には“問題が解決した。”と言って欲しい。」

彼女の会社では、病欠が1カ月、傷病休職が3カ月である。うつ病は最低でも3か月ぐらいかかることが多い。病状次第であるが、復帰できるようであれば、上司のパワハラを止めてもらうこと、職場復帰の条件を整えるための「助言・指導」の実施を申し出なさいとアドバイスした。

【参考】
厚労省には「労働者の心の健康の保持増進のための指針」があり、それに基づく「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」がある。
 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」↓
http://www.geocities.jp/gejita2077/kokoronokennkousisin.htm
 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei28/dl/01.pdf

仮に、職場復帰ができなかったとしても、1年以上健保の組合員であるから退職後も1.5年の限度はあるものの治るまで傷病手当金の支給は続くし、その先は、正当な理由のある自己都合として失業給付に待期無しで切り替えることができる。その辺の見通しを説明したところ、少し気分的にも楽になったようだった。

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>こんな状態でも「明日は出勤します。」と言った。何故?と聞くと、「怖いから。」と言われた。
一種のストックホルム症候群ですね
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A0%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
>犯人に対して反抗や嫌悪で対応するより、協力・信頼・好意で対応するほうが生存確率が高くなるため起こる心理的反応が原因と説明される。
上述のように、ストックホルム症候群は恐怖と生存本能に基づく自己欺瞞的心理操作(セルフ・マインドコントロール)であるため、通常は人質解放後、犯人への好意は憎悪へと変化する。
当該の女性は、外への攻撃性が有るように思えないので、内側に入ってしまうのが心配ですね(一種のPTSDになる可能性がある)

2010/9/28(火) 午前 0:20 [ mikun ]


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