労働相談奮闘記

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地域主権改革とは何か調べることにしました。

地域主権は良いものだとの前提にたった報道

地域主権という言葉は、耳触りの良い言葉です。地域住民が主人公となるようなそんな印象(幻想?)を与えます。しかも、不思議なことに地域主権の是非についてマスコミが採り上げることはありません。例えば、9月4日の東京新聞の社説では「一括交付金」に関して「地域主権へ本気度は?」との標題を付けています。手放しで地域主権は良いものだとの前提に立った主張をしている分けです。

地域主権とは何かについての賛否両論を繰り返し報道するのがマスコミの役割だと思うわけですが、そうなってはいません。そもそも、地域主権とは何なのかについてキチッと解説した報道を見ていません。従って、その結果として地域主権とは何かについてキチッと答えられる国民は少ないのではないでしょうか。

実は、私も良く知らない一人です。良いものだとの前提に立った報道がされているので、私自身洗脳されていたようにも思います。地域主権について友人に質問しましたが「何が何だか分かりません。」との発言が大多数でした。

進み始めた地域主権改革の工程表

これが、地域主権とは何かについて調べる気になった理由ですが、もう一つの理由が有ります。あまり、詳しくは報道されていませんが、地域主権改革に向けた工程表が着実に実行に移されていることです。6月22日には「地域主権戦略大綱」が閣議決定されています。この決定に基づいて、国の各府省は自らを仕分けし(「自己仕分け」という。)地方に任せるものを洗い出し、8月末までに「地域主権戦略会議」へ報告することが義務付けられました。この「地域主権戦略会議」が自己仕分けの結果を受けて事務・権限仕分けを行うことになっています。

地域主権戦略会議というのは内閣府の組織で、謂わば、地域主権改革の司令塔です。規制改革や税・財政改革を主に担当し、政治家中心に組織されています。ハローワークの地方移管を強く主張する上田埼玉県知事や関西州を主張する橋下大阪府知事が構成員となっています。この組織には専門家が不在です。政治家だけでどんな結論をだすのか危惧するところです。

●6月22日の閣議決定の内容→http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/doc/100622taiko01.pdf

地域主権改革は進むだろう。

地域主権改革に疑問を持ち、危惧している風太郎ですが、残念ながら、この改革を国民が気付かないうちに推進されるものと考えざるを得ません。
民主党のマニフェストには地域主権改革を進めることが謳われています。小沢一郎が首相になっても菅直人が首相になっても地域主権を推進することに変わりはありません。自民党は地方分権という言葉を使っていますが、究極の地方分権として道州制を掲げています。自公政権の時代には地方分権改革を推進してきたわけですから、ブレーキをかけることはあり得ません。

野党もほとんどが地域主権や地方分権を推進する立場です。社民党の政策は読んでも良く分かりません。地域主権改革について内部で意思統一が出来ていないのかも知れません。ハッキリと阻止する立場をとっているのは共産党です。しかし、小さな政党に止める力はありません。

全国知事会も地方分権を推進する立場です。今年の2月には地方分権の一環として国の出先機関改革を提言しています。それによると国の出先機関の全職員96000人の内地方移管となる事務に関わる職員数を75000人と試算しています。厚生労働省に関する部分を見ると、ハローワークや労働基準監督署、労働局の多くの業務を地方移管するよう主張しています。

このように考えると地域主権改革は、紆余曲折はあるけれど基本的には止めることが困難な状態にあると言わざるを得ません。

随分乱暴な一括交付金の議論

今年度予算で言えば21兆円ある国から地方への補助金をいろいろな縛りを外して地方が自分の裁量で自由に使えるようにすれば無駄が減り財源が浮くというのが主として小沢一郎の主張です。「『親しい首長に聞くと、本当に自由に使えるなら、今の補助金の半分でやっていける。』と小沢氏は強弁する。」(9月4日東京新聞社説から引用)

私が調べたところ21兆円の内訳は生活保護や市町村国保、高齢者医療、介護保険、子供手当など社会保障関係の補助金が14.8兆円、義務教育負担金などの文教・科学振興関係補助が2.3兆円、公共事業関係が3.1兆円、その他が0.8兆円となっています。

これを地方が自由に使えるようにするというのは、公共事業関係を増やして社会保障関係を減らしても良いと言うことなのでしょうか。どのように自由に使えるようにするのか定かではありませんが、国としては財源を生み出すためにやることですから総額を減らすことは間違いなさそうです。

更に危惧されるのは、地域ごとの自己責任体制に移行するのではないかと思われることです。地域による格差が拡大しかねません。マスコミは総論では良いことだとの立場を取っていますが、もう少し丁寧な議論が必要に思えて仕方が有りません。

小泉構造改革が国民の圧倒的支持を得て始まったように、地域主権改革が正しいとの前提で、支持され動き始めています。10年後には、地域による格差が、取り返しがつかないほど大きくなっているような気がしてなりません。

地域主権改革をまだ勉強し始めたばかりです。調べれば調べるほど複雑怪奇です。
(つづく)

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おはようございます!
の「夏期研究集会」に参加してきました。
http://www.zenshoren.or.jp/shoukai/kenkyu/100802-14/100802.html
まさに「地域主権改革」がキーワードでした。
内容は「中小商工業研究」1月号に掲載されますが、風太郎さんの視点にズレはないようです。
調査の成果、期待していま〜す

2010/9/14(火) 午前 7:30 ようこそ!泰のブログ 返信する

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