国民生活の最低基準が破壊される!地域主権という言葉は耳触りの良い言葉です。地域住民が主人公になるような、そんな印象を与える言葉です。しかし、不思議なことに、地域主権の是非についてマスコミが取り上げることは無く、報道は是非に及ばずといった傾向にあります。その為に、地域主権とは何なのか、それが私たちの暮らしをどう変えるのかについて説明できる人は少ないのではないのでしょうか。 そこで、地域主権について調べ始めましたが、本日は現在継続審議中の「地域主権一括法」についてコメントすることにします。 義務付け・枠付けの廃止継続審議になっている「地域主権一括法」の目的の一つが義務付け・枠付けの廃止です。義務付けとは国が地方にこう言う仕事をしなさいということであり、枠付けとは、こういう方法で行いなさいということです。保育園の設備基準は自治体任せ 保育園を例にとると、園庭の設置や避難経路の確保、防災カーテンの使用などは、建築基準法に上乗せされた耐火基準がありますが、撤廃になり、職員配置や保育室の面積などは、全国一律にするものの東京など待機児童が多い都市部では、それも自治体に委ねられます。 この法案は、保育だけにとどまらず、特養老人ホームの設備・運営基準(老人福祉法)、指定居宅サービス事業の設備・運営基準(介護保険法)、指定障害福祉サービス事業の設備・運営基準(障害者自立支援法)、さらに公共住宅の整備基準、道路構造の技術的な基準など四一の法律を一括して改定します。 義務付け枠付けの廃止は、二〇〇八年一二月の地方分権改革推進委員会(安倍内閣が発足させた)の第二次勧告に盛り込まれた経緯が有り、同勧告では四〇七六項目に及ぶ規制を外し、地方の自由裁量に任せることを謳っています。 自公政権の方針を引き継ぐもの今回の改正法・「地域主権改革一括法(第一次)」は、自公政権時に発足した既述の委員会の勧告内容を引き継いで法制化するものであり、四千余項目の一部を改正するものです。今後、同一括法の第二、次第三次と続くことが予定され、四千余項目の義務付けや枠付けを次々と外し、自治体の判断に委ねていく方向が六月二二日に閣議決定した「地域戦略大綱」に示されています。ナショナルミニマム(国民生活の最低基準)の破壊現在の児童福祉法では、その四五条で厚労相が「児童福祉施設の設備および運営」の最低基準を定めると明記しナショナルミニマム(国民生活の最低保障)となっていますが、今度の改正では単に「基準を都道府県の条例で定める」旨改正されます。最低という二文字を取ることによって厚労相の発する基準は最低保障では無くなります。このような重大な問題に対して危惧を抱かないマスコミとは一体何でしょうか。小泉構造改革に際して沈黙した状態ときわめてよく似ていると思いませんか 地域主権戦略会議の法制化地域主権改革の司令塔は鳩山内閣時に発足した地域主権戦略会議です。この司令塔は閣議決定で設置されましたが、今度の法改正で、これを法制化し常設の司令塔にすることが目論まれています。同会議は首相を議長とし道州制を主張する橋下大阪府知事や上田埼玉県知事が名を連ねています。 内閣府HP「地域戦略会議」メンバー」→http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/kaigi/meibo.html 国と地方の協議の場に関する法改正今回の法改正によって、国と地方の協議の場が全国知事会や市長会市議会議長会など地方六団体に絞り込まれることになります。これによって、市長や区長が国に直接折衝することができなくなることになります。地域主権は格差を拡大する前総務相の原口氏はこんな風に格差拡大を認めています。「地域主権を進めれば、地域格差はかえって広がるのではないかという方がいらっしゃいます。私はそのとおりだと思います。間違ったリーダーを選べば、そのツケは、そのリーダーを選んだ地域の人に来る。このあたりまえのことが行われます。」(地域主権戦略会議第1回会合2009年12月4日議事録から)・地域主権一括法↓ http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/kaigi/kaigikaisai/kaigidai02/2shiryou01.pdf 【続く】
|
地域主権改革
[ リスト ]



