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専門型裁量労働制について教えて欲しいと言うことであった。この企業では、ほとんどの社員が編集やデザインの仕事に就いている。また、役職がやたらと多く、○○担当課長などの役職名で部下もいないのに管理監督者だからということで残業手当はでていない。彼も部下の無い課長であった。そういうのを世間では名ばかり管理職というが、彼の話では約30人が該当すると言う。 最近、会社からその名ばかり管理職が集められ、説明があった。その説明によると、労基署の指導がうるさくなったから就業規則を改定し、来月からは管理監督者では無くなり、裁量労働制を適用することにたったと言われたとのことであった。そして、日々の労働時間を10時間と看做すことにしたと言うのである。 風太郎は「一歩前進じゃないですか。今まででて無かった2時間の残業代がでるのでしょう。さらに言えば、今まで管理監督者だから残業代を出さないと言ってウソをついてきたのだから2年間遡って過去の残業代を払うと言うことであれば、更に筋が通る話ですね。」と応じた。「多分、誰かの訴えで名ばかり管理職であるとの判定が労基署ででたのでしょう。」と言った。 彼は「とんでもない。過去に遡及して払うなど、一言もありません。それどころか、就業規則を改定して、『各自の賃金の中に毎日2時間の残業代が含まれる』としてしまったんです。そんなことって許されるんですか。」 「それは、悪質だ。ところで、専門型裁量労働制では出勤退勤時間は労働者に任せられるわけだけれどそうなりました?」「1日10時間と看做していても8時間で帰ろうが、6時間で帰ろうが、仕事の出来上がりに対しては催促されても、時間管理までは上司は何も言わないことになるわけだけれど、そうなってますか。」 「とんでもない。裁量労働制にしたから30分だけ遅刻を許すと言ってました。」「30分の遅刻を許すだけでは裁量性を否定しているのと同じですね。裁量労働制を取ること自体許されませんね。」 「裁量労働制を取るためには、労働者の過半数代表者との協定が必要だけれど、誰かを自分たちの代表として選びました?」 「いや、聞いたことも有りません。きっと総務課の誰かが言い含められて協定書にサインしたんだろうと思います。」 「酷い話ばかりだけれど、じっくり構えて争う必要がありそうですね。あなた方の過去2年間の残業代を払わせるところから始めたらどうでしょうね。」「労働基準監督署が指導に入っているとしたら、取敢えず、相談に行って情報提供してみたら如何でしょうか。」 「みんな不満に思っているんでしょうね。」「そうなんです。私が代表で相談に来たんです。」 「それは、頼もしいですね。一人で争っても争えなくは無いけれど、職場を変えるのであれば、皆で相談しながらやったらいいですよ。職場を変えていくということでしたら、ユニオンに入ってやった方は怪我が少ないと思いますが、どうでしょう。」 【コメント】 ○就業規則を変更して従来の賃金に2時間の残業時間を含むことにすることは可能か→労働基準法違反にはならないが、原則として労働者の同意が必要。労働契約法の8条から10条を参考にしてください。労働基準法違反ではないので労基署の指導は期待できません。不利益変更についての争いは、仲間を作ってユニオンの団体交渉が効果的と思います。 ○裁量労働制に関しての解説の記事→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/48255560.html ○裁量労働制をとるには、労働者の過半数代表者との協定が必要となります。仲間と話し合って、労働者代表となることが効果的な闘い方です。 風太郎も数十年前の話になりますが、労働者代表に立候補して労働者の過半数代表者となり36協定の締結権を握ったことがあります。36協定の締結がされないと会社は残業命令できません。風太郎は皆にはかって36協定を1カ月ごとに締結することにしました。会社は、1月毎に「来月も36協定を締結してほしい」と言ってきました。その際に、いろいろな交渉をしたことを思い出します。 ○労働契約法の解説→不利益変更' 労働契約法のポイント厚労省のパンフレット
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悪用される“みなし労働制”
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