労働相談奮闘記

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給与明細書が頂けない場合の交渉術
 給料は頂いたが明細書が無いので残業代がいくらなのか、社会保険料や労働保険料等の控除がいくらなのか、源泉徴収税額はいくらなのか、さつぱり分らないといった相談が以外と多い。

そんな非常識なことがあろうはずが無いと思われるかも知れないが、非常識がまかり通るのが最近の労働現場の実態である。

 「法的にはどうなんですか」という問い合わせがある。勿論、法的には給与明細書を発行し渡す義務がある。労働者は更に「どうしてこんなことが許されるんですか」と聞いてくる。法律は有っても、それを実現する力が無ければ法律は絵に描いた餅になることはあまり知られていない。

 職場に法律を守らせる力(健全な労働組合)があれば、こんな問題は初めから起こらない。しかし、組合が無くても力(交渉力)がある労働者は多い。私は「正論には力が有るんだから堂々と要求しなさい。」とアドバイスする。「労働局に相談したら、給与明細書の発行は法律で義務付けされていると言われた。確認してください」と言ってた交渉してもよい。確認の為、労働局に電話する管理監督者はいない。確認したって「作成して渡してください」と言われるのがオチである。「分った」といって問題が解決しているケースが多い。勿論、分らず屋もいないわけではないが。

 給与明細書を発行するのは理屈抜きであたりまえのこととしても良いが、法的根拠を知っていても損は無いと思うので解説することにした。
 
 まず「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」というものがあり労働者の賃金から控除した保険料の明細書の作成と交付を義務付けている。労働保険には労災保険と雇用保険があるが労災保険は事業主が100%負担するので明細書の作成は雇用保険料ということになる。

 次に健康保険法で被保険者である従業員の賃金から控除した保険料の明細書を渡すよう規定している。

 更に、厚生年金保険法にも同様の規定がある。
 
 また、所得税に関しては所得税法226条により源泉徴収票の交付が事業主に義務付けられています。在職者に関しては翌年の1月末までに、中途退職者に対しては退職日以降1カ月以内に交付することが義務つけられている。事業主が何らかの理由で源泉徴収票を発行しない場合には居住地を管轄する税務署に対して源泉徴収票不交付の届け出をすることができます。

 労働基準法では労働基準局長名で発せられる通達(平成10年9月10日付け基発530号)で振り込みの対象となっている労働者に対して計算書を交付することを義務つけている。なお、この通達は給与が振り込まれた場合について規定しているが、手渡し等他の方法で支払われる場合も準用されるべきものと考える。


 「事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、前条第1項又は第3項の規定による被保険者の負担すべき額に相当する額を当該被保険者に支払う賃金から控除することができる。この場合において、事業主は、労働保険料控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該被保険者に知らせなければならない。」

健康保険法167条第3項 
(保険料の源泉控除)
第167条
第1項
事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。 
第2項
事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 
第3項
事業主は、前二項の規定によって保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。


厚生年金保険法84条第3項
(保険料の源泉控除) 
第84条
第1項
事業主は、被保険者に対して通貨をもつて報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所又は船舶に使用されなくなつた場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。 
第2項
事業主は、被保険者に対して通貨をもつて賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 
第3項
事業主は、前二項の規定によつて保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。

労基法関係(平成10年9月10日付け基発530号)の一部
 使用者は、口座振り込み等の対象となっている個々の労働者に対し、所定の賃金支払い日に、次に記載する賃金等を記載した賃金の支払いに関する計算書を交付すること。
(1)基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
(2)源泉徴収税額、労働者が負担すべき社会保険料額等賃金から控除した金額がある場合には、事項ごとにその金額
(3)口座振込等を行った金額

転載元転載元: 労働法規のブログ

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賃金支払い明細書は、本人の同意を得て電子文書交付が認められでメールで送信する方法がだんだん普及しています。
労働基準法には賃金支払明細交付の義務を規定している条文はない。振込払いの通達は知りませんでした。所得税法に定められています。
所得税法
(給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書)
第231条 居住者に対し国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。

2013/6/8(土) 午後 9:53 ろうしん

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コメントに感謝します。

2013/6/8(土) 午後 10:38 [ 風太郎 ]

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給料明細書は会社のパソコン画面からプリントしなければなりません。これはよくある事ですか?

2013/7/1(月) 午後 9:34 [ なん ]

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少ないけれどありはす。電子化の時代だから増えるかも知れません。
Idやパスワードで本人しか見れないようになつているときいています。

2013/7/1(月) 午後 10:05 [ 風太郎 ]


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