労働相談奮闘記

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全労連は12月17日
派遣法改正に関する公益委員案の撤回を求める意見書
を発表した。
その内容は以下のとおりです。

2013年12月17日
厚生労働大臣
田 村 憲 久  殿
労働政策審議会労働力需給制度部会長
鎌 田 耕 一  殿
全国労働組合総連合  
議 長  大 黒 作 治
 
  労働者派遣を急増させ、雇用破壊をいっそうすすめる「公益委員
  案」を撤回し、実態を踏まえた慎重論議を求める意見
 
労働政策審議会労働力需給制度部会に12月12日に示された「報告書骨子案(公益委員案)」については、以下の理由から到底容認できず、強く反対する。同案を撤回するとともに、労働者派遣の真の実態と当事者・労働団体の意見を踏まえて論議を尽くし、雇用の安定と景気回復に資する改正をおこなうよう強く求める。
なお、今回は「報告書骨子案」として「公益委員案」が示されているが、その内容は、労働側委員や労働団体、法曹界、市民団体等から出された意見に対する配慮を欠き、使用者側の意見に著しく傾いたものとなっている。公労使三者構成の労働政策審議会の在り方からも大きな問題と考える。
労働法制の規制緩和が続いた結果、非正規雇用労働者は急増し、雇用の不安定化と賃金水準の低下が起き、個人消費も冷え込んで、日本は「失われた20年」といわれるようなデフレが続く成長を忘れた国になってしまった。若者を低賃金で使いつぶすまでこき使うブラック企業が社会問題となるなど、日本社会の未来を左右するほどの状況となっている。こうしたもとで、労働政策審議会に本来求められているのは、外圧を跳ね返し、雇用の安定にカジを切ることであることを改めて申し述べる。
 

「公益委員案の撤回が必要」だと考える主な理由
 
1. 今回の論議で最大の焦点となっている「期間制限」について、「公益委員案」はまず、「派遣労働が雇用と使用が分離した形態であることによる弊害を防止することが適当。すなわち、派遣労働者自身の雇用の安定やキャリア形成が図られにくいことから、派遣労働を臨時的・一時的な働き方と位置付けるとともに、派遣先の常用労働者との代替が起こらないよう、派遣労働は臨時的・一時的な利用に限ることを原則とする」としている。

これ自体は、常用代替防止の大原則の転換を迫る規制改革会議の意見や8月の研究会報告に対する批判を反映した記述と考える。しかし、「公益委員案」の具体的な中身は以下のとおり、いずれも「臨時的・一時的な利用に限る」ことには全くなっていない。むしろ、労働者派遣を常態化し、正社員をはじめ直接雇用から労働者派遣への置き換えを急速にすすめかねない大改悪である。雇用破壊をいっそう進行させ、貧困と格差を拡大するものとして、厳しく批判されねばならない。

 派遣元事業主に無期雇用されている派遣労働者については、そもそも期間制限の例外(対象外)とされている。派遣元に無期雇用されていることで雇用は比較的安定しているという理由づけだが、しかし、リーマンショック後の事態が鮮明にしたように、派遣元で無期雇用であろうが登録型であろうが同じように切られてきたのが事実であり、その構図は今も変わっていない。したがって、無期・有期に区別し、無期雇用を例外とすることには何の道理もない。

 派遣元に有期雇用されている場合には、「派遣先の同一の組織単位における同一の派遣労働者の継続した受入は3年を上限とする」とされている。しかし、これでは例えば総務から経理など、配属部署を変えればいつまでも「同一の派遣労働者の継続した受入」が可能となる。すでに現場からも「正規雇用の場合も3年程度で人事異動している」「これでは生涯派遣を推進する」という批判があがっている。

③ 派遣先における期間制限については、「同一の事業所において3年を超えて継続して派遣労働者を受け入れてはならない」とされているが、過半数組合から「意見を聴取した場合には、さらに3年間派遣労働者を受け入れることができるものとする。その後さらに3年が経過したときも同様とする」と大穴が開いている。つまり、過半数組合若しくは過半数代表者がいくら反対しようとも、「意見を聴取」さえすれば、何の制限もなく、いつまでも派遣労働者を受け入れることができるカラクリなのであって、これでは事業所単位の規制もないに等しいといわざるを得ない。

 さらに、有期プロジェクトについては、「終期が明確である限り派遣期間を制限しない」とされており、10年でも20年でも、いつまでも派遣労働者を継続して受け入れることが可能となっている。
 
2. 「公益委員案」が羊頭狗肉といわれても仕方ない労働者派遣を永続的に使い続けることのできる内容になったのは、「わかりにくい等の様々な課題がある」との理由で、これまでの「26業務という区分及び業務単位での期間制限」を「撤廃」し、上記のとおり、「派遣労働者個人単位と派遣先単位の2つの期間制限を軸とする制度に見直」したことに起因すると考える。ここには、大きな論理のすり替えがあると指摘せざるを得ない。

「わかりにくい」という批判がそもそも誤りである。多くの事例からも明らかだが、例えば、実際には一般事務でありながら、契約書では事務用機器操作を装うなどの脱法的な行為が横行している実態がある。また、派遣元事業主は、適切な雇用管理により派遣労働者の保護等を図るため、派遣元責任者を選任し、配置しなければならないのであるから、現に派遣労働者がおこなっている業務が26業務にあたるか否かや業務単位の期間制限について、当然に把握できるのであって、派遣元責任者が法に則って適切に業務を遂行していれば、「わかりにくい」なということはあり得ない。
よって、(現行26業務の乱用を防止するため、実態に即して真に高度で専門的な業務に限る必要はあると考えるが、)専門業務という区分と業務単位での期間制限という現行の仕組みそのものを変える理由はないのである。
 
3. 派遣労働者の処遇については、賃金について「均衡が図られたものとなるために派遣元事業主及び派遣先が行うことが望ましい事項を指針に規定する」などとされている。一歩前進ではあるが、差別の禁止、均等待遇の法定化という派遣労働者らの切実な願いにまたもや背を向けるものであり、容認できない。

諸外国では「均等待遇が当たり前」となっているが、それは常用代替防止の原則をまもるためである。日本においても、賃金ダンピングを目的とした正規雇用からの置き換えを防止するため、均等待遇原則を早急に明記すべきである。
 
4. 無期雇用の派遣労働者の場合にはさらに、「特定目的行為を可能とする」ことまで打ち出されている。これまで特定目的行為が禁止されていたのは、事前面接が採用行為そのものであり、労働者派遣とは相容れないからである。労働者派遣の大原則を逸脱するものであり、到底容認できない。
 
5. 「公益委員案」は登録型派遣・製造業務派遣について、「経済活動や雇用に大きな影響が生じる可能性があることから、禁止しない」としているが、過去の部会論議からも大きく後退するものであり、再考が強く求められる。

すなわち、リーマンショック後の派遣切り・非正規切りの嵐と「年越し派遣村」という惨劇に「政治災害」という批判が高まり、労働力需給制度部会も登録型派遣・製造業務派遣の原則禁止を一度は打ち出したのである。その後の状況をみても、毎月の生産量にあわせて切ったり雇われたり、また切られたりを繰り返す労働者派遣の不安定性はいささかも変わっていない。

こうした経緯からしても、登録型派遣・製造業務派遣の禁止をいま決断することが、労働力需給制度部会の使命と考える。
 
以上
 
 
 



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