労働相談奮闘記

労働者の悲痛な叫びを伝えたくて、そして解決に役立てて頂く為に

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最高裁第2小法廷(平成26年1月24日)
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(勝利判決をうけ、最高裁前で弁護団と)
HTS支部の完全勝利!
最高裁も自ら判断・みなし労働の適用を否定「『労働時間を算定し難いとき』に当たるとはいえない」
2審高裁判決が確定!歴史的判決!!
東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部が「偽装みなし労働」(「事業場外みなし労働」を「理由」とする残業代の不払い)の撤廃を求め、所属する「阪急トラベルサポート」(本社:大阪)を相手に2008年に提訴した全3本の裁判のうちの一つ(労働審判異議訴訟。HTS支部大島組合員の2本の海外ツアーについての不払い残業代を請求)に1月24日、最高裁の判決が言い渡されました。
最高裁第二小法廷で言い渡された判決で、同法廷の小貫芳信裁判長は会社の上告を棄却しました。そして、判決文において、添乗業務への「事業場外みなし労働」適用を以下のように判断して否定しています。HTS支部の完全勝利判決です!
「業務の性質,内容やその遂行の態様,状況等,本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法,内容やその実施の態様,状況等に鑑みると,本件添乗業務については,これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く,労働基準法38条の2第1項にいう『労働時間を算定し難いとき』に当たるとはいえないと解するのが相当である」
そして最高裁は、2審東京高裁の判決について「原審の判断は,以上と同旨をいうものとして是認することができる」とし、それを支持しました。高裁判決もこれにより確定したことになります。
組合はこの勝利判決をうけ、弁護団とともに厚労省記者会で会見に臨みました(下写真)。
出席したHTS支部境組合員、香取組合員は「長い闘いだった。労働組合でかちとった勝利。今後も組合員一丸となってがんばる」と決意を表明。弁護団の一人である棗(なつめ)一郎弁護士は「みなし労働について初の最高裁の判断だ。添乗員だけではなく、蔓延しているみなし労働のルーズな適用にまったをかける判断だ」と評価しました。
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最高裁には、HTS支部組合員計7名が原告となっている同じ内容の2つの訴訟(1・2陣訴訟=原告6名 海外・国内ツアーが混在、3陣訴訟=原告は豊田組合員 2年分の国内ツアー)が係属中です。最高裁が同じ内容の訴訟についてそれぞれ判断を違えることは考えられません。残り2つの訴訟についても同じ結論になると思われます。
この最高裁判決は全国の1万人派遣旅行添乗員に立ち上がるきっかけを与える画期的・歴史的な判決です。
ほとんどの添乗員はHTS支部組合員と同じ働き方、つまり「事業場外みなし労働」を口実とする残業代不払い・長時間労働におかれています。そのような状況を、労働組合で闘って改善することができる、HTS支部の6年間の闘いが証明しました。
全国の添乗員のみなさんに呼びかけます。
今こそ、この最高裁判決をもとに不払いの残業代を取り戻しましょう!長時間労働を是正しましょう!
ぜひ東部労組HTS支部にご相談ください!
■連絡先■
電話:03−3604−5983 担当・菅野(すがの)
メール:info@toburoso.org
そして今こそ、私たちは改めて旅行業界に訴えます。
旅行業界は最高裁判決を真摯に受け止め、「偽装みなし労働」をただちになくせ!
添乗員の長時間労働をただちに是正せよ!
また、この最高裁判決は添乗員のみならず、「事業場外みなし労働」の名の下に長時間労働・残業代不払いに苦しんでいるすべての労働者にも希望をあたえるものです。最高裁が是認した東京高裁判決は「事業場外みなし労働」導入の要件である「労働時間を算定し難いとき」について「『労働時間を算定し難いとき』とは、当該業務の就労実態等の具体的事情を踏まえて、社会通念に従って判断すると、使用者の具体的な指揮監督が及ばないと評価され、客観的にみて労働時間を把握することが困難である例外的な場合をいう」と判断しています。つまり「あなたは事業所の外で働いているから時間管理ができない。なので残業代は支払いません」と使用者が一方的に決めるだけではダメ、ということです。
「偽装みなし労働」に苦しむすべての労働者は労働組合で立ち上がろう!

★裁判所のウェブサイトでこの判決文全文が読めます
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140124142902.pdf
★判決当日、多くのマスコミがウェブ等で報道しています
・時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014012400766
・スポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20140124-OHT1T00093.htm
・NHK(当日午後6時の全国ニュースのトップで報道)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140124/k10014747941000.html
http://www3.nhk.or.jp/knews/20140124/k10014747941000.html
・朝日
http://www.asahi.com/articles/ASG1S521NG1SULZU00V.html
・msn産経
http://sankei.jp.msn.com/smp/affairs/news/140124/trl14012422240005-s.htm
・日経
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXNASDG2404A_U4A120C1CR8000/
・読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140124-OYT1T01017.htm
・毎日
http://sp.mainichi.jp/select/news/20140125k0000m040076000c.html
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騙されないため、「事業場外のみなし労働時間制」を知る

  労基法の中でも一番分り難い規定(はじめに)
 「事業場外でのみなし労働時間制」を規定した労基法第38条の2は労基法の規定の中で理解することの困難な規定である。ちょっと読んだだけですんなりと理解できる人は少ないのではなかろうか。東京労働局のパンフレットもあるが、これがまた分り難いときている。疑問に答える通達もあるが、通達を読むとかえって混乱する。事業場外のみなし労働時間制の概要をつかむには、取敢えずこのパンフレットが良いと思う。パンフレットでも疑問が生じると思うので、その時はこのブログが有用になるはずである。

 法律があってもそれを守らせる力が無ければ絵に描いた餅になることは、しばしば指摘している。加えて、法律が難解であれば法違反を指摘し難く勝手な解釈がまかり通り悪用される道を開く。労基法38条の2は、まさにそんな法律である。

 悪用を許さないため、悪用され未払いになった残業代を払わせるため、労働者の立場でこの条文を解説することにした。

 条文の解説に入る前にこの条文全体の主旨を説明する。条文全体の主旨は東京労働局のパンフレットの冒頭に明快に記されているので、それを紹介することで説明に替えたい。

 以下はパンフレットの冒頭部分の引用である。
 法律の趣旨
 「労働基準法38条の2による事業場外労働のみなし労働時間制とは、労働者が業務の全部または一部を事業場外で従事し、使用者の指揮監督が及ばないために、当該業務に係る時間の算定が困難な場合に、使用者にその労働時間に係る算定義務を免除し、その事業場外労働については「特定の時間」を労働したとみなすことができる制度です。」

  法律の趣旨について極めて明快に解説されているので、これ以上説明の必要がありません。それでは条文の解説に進みます。

 まず、条文を示し、その条文を分割色分けし、色分けした部分ごとに解説をすることにする。
 
条文の色分けした部分クリックすると、その部分の詳しい説明をしたページが表示されます。このページに戻るにはブログ上部のタブをクリックするかブログ本文に戻るをクリックしてください。
 
 労基法38条の2の条文

下の条文の色分けした部分クリックすると解説が表示されます。

第38条の2≪事業場外労働≫の条文
【1項労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。        クリックするとこの部分の解説が表示される
ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
           
クリックするとこの部分の解説が表示される
【2項前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
                    クリックするとこの部分の解説が表示される
【3項】使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
                     クリックするとこの部分の解説が表示される

転載元転載元: 労働法規のブログ

この記事は「携帯電話時代に事業場外のみなし労働制はあり得ない」と題する記事の一部を構成するものです。
 
労基法38条の2 第1項前段 の 解説

事業外のみなし労働時間制が適用できるのは
労働時間が算定し難い時に限られる。
事業主の違法行為も
この点に違反していることが多い
【1項前段の前半】
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。
 この規定は、労働者を事業場外で就労させる場合に管理監督者にとって労働時間の算定が困難な場合の労働時間の算定の仕方を規定したものである。

 使用者には従業員の労働時間を算定する義務があるが、算定し難い時は、その義務が免除され特定の時間労働したものとみなされる。確かに、事業場外のみなし労働時間制を採用した場合には使用者の労働時間算定義務は免除される。しかし、みなし労働時間が採用できるのは算定し難い時に限られるのである。労働時間の算定義務は免除されても長時間労働で健康を害することがないよう管理する義務等は免除されない。

 最も重要な点はみなし労働時間が適用できるのは労働時間が算定し難い時となっている点である。
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  事業主による違法行為も多くは、労働時間の算定が可能でるにもかかわらず、算定し難いことにして所定労働時間(多くは8時間)労働したとみなし、残業代を支払っていない点にある。

 くどいようだが、労基法では事業主に労働時間を把握し算定することを義務付けている。(←クリック:厚生労働省のパンフレットで義務付けがあることが確認できる)算定するためには一定の努力が必要になることは言うまでもない。努力しても、どうにも算定できない場合にこの算定義務が免除され一定の時間労働したとみなすことができる制度である。

 携帯電話で連絡できる状態にあれば、労働者に報告を義務付けることもでき管理者から随時連絡することもできる。筆者が、携帯電話の時代に「事業場外の労働時間のみなし」は有り得ないと主張するのは、それが理由である。
 
  事業側の弁護士等の中には、携帯電話で随時連絡がとり得ると言うだけでは、同制度の適用を否定されるものではないなどと主張する者がいるのも事実である。私は、携帯電話で随時連絡が取れるのであれば算定し難いとは言い難いと思う。携帯電話で業務終了時間の報告を義務付けていたり、セールス記録の提出を議ず付けていたりするなら算定できるとみてよい。労働基準監督署も同じように考えている。それは、下にも示した東京労働局のパンフレットのQ&Aにも示されている。
 
ブログ本文に戻る 違法事例(Ⅰ)
 携帯電話で連絡を取れる状態にあるのに外勤営業を理由に8時間労働とされている。
 使用者には労働時間を把握し正当な賃金を払い労働者の健康に配慮する義務がある。従って、把握しようとしても真に算定し難い場合でなければこの規定は適用できない。営業マンが携帯電話を持たされ又は個人所有の携帯電話の番号を会社が掌握し、上司から随時連絡ができるのであれば労働時間が算定し難いとは言えず事業場外のみなし労働時間制は適用できない。

 先に紹介した東京労働局のパンフレットの(Q&A)にも次のような解説が載っている。
 
東京労働局発行のパンフレットの記事
「営業社員に『携帯電話を持たせて』いる場合に営業社員が随時所属事業所に連絡をとりながら事業場外で業務を行うなど、使用者から随時指示できる(事業場に随時連絡させることができる)体制にしている時は労働時間の算定が困難ではないのでみなし労働時間制の適用はできません。

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違法事例(Ⅱ)
 外勤業務に関し上司から具体的な指示があり、又は外勤後に結果報告を義務付けているにもかかわらず8時間労働とされている。
 このような労働の形態は上司が労働時間について算定しようと思えば算定できる状態であることを意味し、みなし労働制の適用はできない。
 東京労働局のパンフレットの(Q&A)にも次のような解説が載っている。
 
東京労働局発行のパンフレットの記事
 外勤業務の具体的指示を行っている時勤業務後に結果報告を求めている時は使用者の具体的な指揮監督下にあると認められ、みなし労働時間制の適用はできません。


 携帯電話を持たずに営業活動をすることは考えられず、また、外勤後に報告を求めない管理も特殊なケースに限られるはずであり、携帯電話の普及した社会ではこの規定を適用することは基本的に困難であると見るべきである。

 営業マン等が長時間労働を強いられているにもかかわらず8時間とみなされている場合には違法行為が行われていると見て間違いない。残業代をケチるためにみなし労働制を悪用していることになる。

 若干長くなるが、「事業場外のみなし労働制」が適用できるか否かは最も重要な問題なので、その点についての厚労省基準局編の「労働法コンメンタール」に掲載されたみなし労働時間制が適用できない事例(解釈例規)を紹介(転載)する。
厚生労働省編コンメンタールに掲載された解釈例規≫(みなし労働時間制の適用不可)
①何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合。
②事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合。
③事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場に戻る場合。
ポケットベルとは・・・・・・・
若い労働者にはポケットベルが何だか分からないと思うが60年代から70年代に普及した単方向のメールサービスのようなもの。「シキュウレンラクセヨ」などの簡単な一方通行の連絡手段として利用された。上の解釈例規は昭和63年1月1日の基発1号という古い通達の為、今では使用されない通信機器の名称が使われている。携帯電話が普及した今日では死語に近い。通信手段としては不便なポケットベルで連絡ができるのであれば、労働時間を算定できないとは言えず、みなし労働時間制は適用できるはずがない。便利な携帯電話がつながる状態にあれば、その気にさえあれば労働時間の把握はできるはずであり、事業場外のみなし労働時間制は適用できないと言える。携帯電話で連絡し労働時間の把握ができるのに、していないのは管理者の職務怠慢であり労働時間が算定し難いとは言えない。この点について幾つかの労働局の労働基準部に確認を行ったが「ご説の通り」との回答であった。
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条文の先の部分に進みます。
【1項前段の前半】
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、
【条文1項前段の後半
所定労働時間労働したものとみなす。
※所定労働時間とは:残業時間を含まない労働契約上の1日の労働時間を意味する。通常は8時間である。大企業では7時間半とか7時間が契約上の所定労働時間となっているとこともある。

 「所定労働時間労働したものとみなす。」という条文について厚生労働省編の「労働基準法(労働法コンメンタール)」には次のような説明がある。
 
厚生労働省編コンメンタールに掲載された説明
「・・・労働時間を算定し難い時は・・(中略)・・所定労働時間労働したものとみなされる。・・・・(略)・・・・・労働時間の一部について事業場外で業務に従事した場合には、事業内での労働時間を含めて、その日には、所定労働時間労働したものとみなされる。」

みなし労働時間が適用できるのは
事業場外の労働時間だけ
事業場内の労働時間は算定可能
事業場内の労働時間事業場外のみなし労働時間1日の労働時間
 
この辺りからコンメンタールの説明も難解になる。

 上のコンメンタールの意味を要約すると以下のようになる。(所定労働時間=8時間の場合)
 しつこいが、労働時間が算定し難い時という大前提がある。
 一日の労働時間の全部を事業場外で働いた場合には、仮に7時間しか働いていなくても、
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・所定労働時間(8時間)労働したものとみなす。
   逆に事業場外で9時間働いても8時間とみなされる。しかし、8時間を超えるのが常態化しているのであれば8時間とみなすことはできない。たまには8時間を超えることがあっても容認されるが、平均すれば8時間以内におさまる必要がある。平均して8.5時間を必要とするのであれば8.5時間とみなさなければならない。(この点は、条文ただし書きん説明で改めて説明する)
 一日の労働時間の一部(例えば5時間)を事業場内で労働し、その後事業場外で労働した場合
  ・・・事業場内の労働時間(5時間)事業場外の労働時間所定労働時間(8時間)
                                       労働したものとみなす。

 この場合において事業場内の労働時間は算定可能な時間5時間である。従って、事業場外の労働時間は3時間とみなされたことになる。実際の事業場外の労働時間が2時間だった場合でも3時間働いたものとされる。

 算定可能な事業場内(内勤)で5時間働いた後、事業場外で4時間働いても合計8時間とみなされてしまう。しかし、8時間を超えることが常態化しているのであれば8時間とみなすことは許されない。平均すれば8時間以内におさまる必要がある。平均して8.5時間を必要とするのであれば8.5時間とみなさなければならない。(この点については条文のただし書きの解説で改めて説明する)
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転載元転載元: 労働問題・社会問題・国際政治等 真実は何か

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