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【ナレーター】 労働相談は労働者からとは限りません。経営者からも結構多くの相談が寄せられます。経営者から寄せられる相談で最近激増しているのが失踪です。風太郎がある弁護士事務所で聞いた経営者からの相談を紹介します。 風太郎は基本的には弱い者の味方ですが、突然の失踪などに関しては事業主にも同情します。勿論、失踪の原因まで、いや原因の原因まで追求したなら“失踪した労働者も社会の犠牲者だったのだ。”との結果になるのかも知れません。しかし、現実にはそこまで考えての対応は不可能です。 【事業主と弁護士の会話】 ☆事業主 「1年前に採用した社員が2週間前に突然来なくなりました。独身なので実家に連絡しましたが何の連絡先も無いらしく、実家の方でも心配しているようです。就業規則の懲戒規定には無断欠勤が14日続けば解雇できることになっていますが、解雇していいのでしょうか。」 「IT関係の仕事で、何の引継ぎも無く、突然来なくなったので、大変迷惑しています。お得意先からは、契約違反ではないかと責められている状態です。」 ★弁護士 「それはお困りですね。まず、あらゆる手段で連絡をとるよう努力することです。何か事件に巻き込まれていることもありますし、うつ病などの病気で電話にも出られず、家に引き篭っている例もあります。結構、多いのがサラ金に多額の借金があり逃げるケースです。」 「就業規則にあるからといって、機械的に解雇するわけにはいきません。あらゆる手を尽くして、探したけれど連絡ができないとなったときには解雇を考えても宜しいかと思います。その方の住んでいる家に行ってみましたか。」 ☆事業主 「いや、電話しただけです。電話が通じません。電池切れかも知れません。」「今日にもアパートへ行ってみるつもりです。」「友人の話では“サラ金から借りているようだ”とは聞いています。」 ★弁護士 「無断欠勤は就業規則の懲戒規定に“2週間以上の無断欠勤は解雇する”などの規定が有れば、解雇できます。しかし、解雇は事業主の意思表示が労働者に到達する必要があります。失踪している場合には、簡易裁判所に対して公示送達(民法97条2)の手続をする必要があります。」 「裁判所から公示送達の許可が出たら、事業主として解雇の意思表示を官報や新聞又は区役所や市役所の所定の場所に2週間掲示します。2週間掲示したところで、労働者に解雇の意思表示がされたとみなされます。」 「そこから30日後が解雇日です。勿論、欠勤しているので賃金は払わなくて結構です。社会保険料は解雇日までは負担しなければなりません。」 ☆事業主 「そんな面倒な手続をしなければならないんですか。公示送達をしないで解雇の手続を進めるとどうなるんでしょうか。」 ★弁護士 「勿論、直ちに解雇する事業主もいます。その場合にはリスクを承知してやることです。」 ☆事業主 「どんなリスクですか。」 ★弁護士 「労働者のおかれた状況次第です。」「ここからは、例えばの話しになりますが、サラ金から借金があって逃げているとすると、サラ金から給与の差し押さえがあるかも知れません。勿論、全額は差し押さえられませんが、サラ金とややこしい対応をしなければなりません。」 「後日、労働者とサラ金がやってきて、解雇無効で損害賠償だの慰謝料だのという話しになる場合もあります。」 「『うつ病で入院してるのに首切られた。人権侵害だ。』などと言われる場合もあるかも知れません。」 【ナレーター】 それにしても、失踪事件の激増には驚かされます。でも、まだ新聞などでもとりあげられていません。ジャーナリズムはまだ気付いていないのかも知れません。社会が歪んできていることを、身をもって感じるこのごろです。 【参考】 公示送達の申立は失踪した労働者の最後の住所地の簡易裁判所に対して行ないます。 申立書には失踪した労働者に通知すべき意思表示(解雇の意思表示)を記載した書面を貼付します。 申立書には失踪した労働者の所在が不明であることを証明するための書面を貼付します。(郵便局から返送された郵便物、住民票、不在住証明書、戸籍謄本および付票、近隣居住者に対する調査報告書、郵便受けの写真など)。申立人が相当手を尽くしても所在不明だと言う程度のもの。 労働者の人権に関わるものだけに慎重に審理されます。申立てると直ぐに決定が下されるというものではありません。簡裁によっても異なりますが、結構日数が掛かります。具体的には、各簡裁にお問い合わせください。 ============================================================================================ ●労働相談はどこへ&労使トラブルの六つの解決方法→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun 憲法を守ろう憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。 更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。
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社員の失踪
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