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自分自身そそっかしいのは事実と認めている派遣労働者の話である。 電話で、風太郎に面会を求めてきた派遣労働者だったが、居住地も職場も東京ではなかったため、風太郎の知り合いである労働局の職員を紹介した。 後日、お陰さまで休業手当を貰うことができましたと報告がきた。事実経過は以下のようだった。こういうケースの場合には参考になるかもしれない。 その派遣労働者は自分でも認めているがミスが多いのだそうである。その為に、顧客からしばしばクレームがある。その度に派遣先の上司が顧客に詫びている。クレームと言っても損害賠償に繋がるような重大なものはなく、ちょっとした手違いだそうである。 派遣先の上司からは、当然にその都度注意をされていた。注意深くやるようにして、クレームも少なくなってきていたが、6月、ちょっと大きなクレームがあった。上司が処理し事なきを得ていた。 それでも派遣契約は更新され7月から12月末までの6カ月の契約になっている。7月の中頃、派遣元の営業担当が来て、「今度ミスしたら契約解除だと派遣先が言っている。」と伝えてきた。そして、7月末にちょっとしたミスがあり、派遣元のセールス担当が来て、約束通り8月末で派遣先との契約が終了する旨通告された。 派遣元と派遣先の派遣契約が解除されても派遣元と派遣労働者の雇用契約は生きているわけだが、その労働者は首になったものと思った。通院していたので気になって「健康保険証はどうなるか」とセールスマンに質問した。「8月中は使ってよい。」と言われた。「首ですか。」と言ったら「派遣先がそう言うのだから仕方ないでしょう。貴方との契約を解除すると言うことです。」と言われたとのことだった。この時点で風太郎に電話相談したわけである。 労働局の相談員は「『貴方との契約を解除する』と言うのは解雇を意味するが、セールス担当には解雇権が無いので、人事部に本当に解雇するのか確認しなさい。大きな派遣会社だし、多分解雇しないと思うよ。『労働局からそう言われた。』と言ってください。」とアドバイスされたとのことだった。その結果は、労働局の相談員の言うとおりになったとのことである。 3月31日にこういうケースでの派遣元・派遣先への指針が改定されているので、参考のために紹介します。 派遣元・先指針の改正について→http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0331-21.html なお、解雇が解雇権者の意向であったことが確かめられた場合、労働者は労働局に対して会社に対する助言・指導を求めることができます。このケースでは、解雇撤回を求めることになります。残念ながら助言・指導に法的強制力はありませんので、解決しない場合もあります。 ・労働局長による助言・指導→http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/dl/01d.pdf#search='助言・指導'
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派遣社員の解雇、雇い止め
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日本を代表する電気機器メーカーに秘書業務で10年近く派遣されていた女性が突然雇い止めされました。 3月までは1年契約の更新できました。ところが4月からは都合により2か月更新と言われたそうです。2か月更新だけれど必ず更新はするからとの説明があったそうです。 彼女は、その説明に納得して、更新しました。契約期間は5月末までです。4月末になって、「申し訳ないことになりました。5月末で終了となってしまいました。すべての派遣社員が5月末で終了です。派遣先の決定ですからどうにもなりません。今まで、派遣でやっていた仕事を派遣先の社員がすべて担当することになってしまいました。」と言われたそうです。 彼女は、有給もとらずに10年間頑張ってきたそうです。不当なやり方だけれど有給だけはとりたいと思い、「有給をとります。」と派遣元に言ったら、「そんなことをしたら自己都合退職にします。」と酷いことを言ったそうです。 風太郎は、「明日から有給で休んじゃいなさい。」と言いましたが、「今まで、キチッと仕事をしてきたので、会社も困るだろうから、急な休みはさすがにできません。」と言ってました。 2か月の更新にしたのは、はじめから更新しないつもりだったのではないかと疑わざるを得ません。労働者の善意を悪用して、有給がとりにくい状態の短期契約に切り替えた悪質な、法も目を巧みにすり抜けるやり方に怒りを感じます。
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【辞めなければならないほどのクレームは無いはず】 風太郎の前に座ったのは25歳前後のIT関係の女性技術者(システムエンジニア)だった。名を市川寿美(仮名)という。聞いてみると、今日、派遣元に呼ばれて「派遣先からクレームがでたから辞めてくれ」と言われたとのことだ。寿美は、派遣先からクレームを直接は聞いていない。 システムの仕事は、派遣先担当者とのコミュニケーションが大切である。そのことは、数年の経験で承知している。寿美は、この派遣先との関係には手を焼いていたのは事実である。業務上の要求内容が一定せずくるくる変わるのである。それに対して寿美は、意見は言うが、最終的には派遣先担当者の指揮命令に従ってきたつもりである。辞めなければならないほどの対立は無かった筈である。 寿美は、「クレームの内容は何か」と派遣元のセールス担当者に聞いてみた。担当者は、「それは、貴女が一番良く知っているはずです。」と言ったそうだ。寿美は、その派遣先で5月から仕事を始めた。そして、派遣期間は11月までである。久美は、如何していいかわからず風太郎を訪ねてきたという次第である。 【二重派遣】 寿美は、風太郎に「この会社は二重派遣をやっているんです。」と言った。「何故、分るんですか」と聞いてみた。寿美は、風太郎に首に紐で下げている写真入のIDカードを手に取って見せた。「私の知らない会社名になっているんです。私は、この知らない会社の社員ということになっているんです。」と言った。 「なるほど動かない証拠ですね。コピーしておいた方が良いですね。」と答えてコピーをとり寿美に渡した。 ▲ 風太郎:「“辞めてくれ”は解雇ではありません。退職勧奨と言います。退職勧奨に対しては、同意、拒否、条件付同意の三つの選択肢があります。11月まで働く契約を無条件で返すことは無いでしょう。だから、無条件の同意は無いでしょう。仮に、派遣先が派遣契約を破棄しても、派遣元との雇用契約が終了している分けではありません。派遣元には、遜色のない別の派遣先を探す義務があります。新しい派遣先が見付からない場合には、見付かるまでの間、休業手当(脚注1)を払ってくれるはずです。」「クレームの内容を言わないのは不当ですが、取りあえず休業手当を要求してください。」 ※:派遣元との雇用契約は続いていることの説明は、別の記事参照→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/48374176.html △寿美:「分りました。仕事を探しても良いんでしょうか」 ▲ 風太郎:「派遣会社に任せて遜色の無いところが見付かるかどうか分りませんから、自分でも探すのは当然の権利です。派遣会社からの新しい仕事の紹介が有るかもしれませんので、携帯電話は持ち歩いて、連絡が取れるようにしてください。」 市川寿美は、「分りました」と言って帰っていった。その翌日、寿美から電話が来た。 ▲ 寿美:「派遣元のセールス担当者から今月末付けの退職届が出されなければ、解雇になりますと言ってきました。」 △ 風太郎:「脅しですね。多分、解雇はしてこないでしょう。久美さんの出方次第で違法派遣が明らかになってしまうというリスクが会社にはあります。それに、解雇されたという事実は労働者にとって有利な証拠になります。裁判所では、会社は解雇を正当とする証拠を出さなければなりません。」 △ 風太郎:「しかし、本当に“解雇する”と言われたら必ず責任ある者からの書面での通知を要求してください。解雇理由も書かせてください。労基法22条によって、要求したら書かなければならないことになっています。」 ▲寿美:「分りました。」 数日後、市川寿美から連絡があり、会社は休業手当を支払うことになったとのことであった。既に、新しい就職先は決まっていて、今度は正社員として働くとのことであった。かなり明るい声であった。風太郎は、「解雇されていれば、損害賠償と慰謝料が取れたかも知れないのに残念ですね」などと冗談が言える状態だった。 脚注1(休業手当):労基法26条=使用者の責に帰すべき休業は、使用者は休業期間中、当該労働者に平均賃金の60%以上の手当を支払う義務がある。平均賃金は、給与を休日も含めた暦日で割って算出するため給与の日割額より少なくなります。その60%ですから、週休2日制の場合50%に満たないことになります。支給される、休業手当は働く予定の日数分です。働く日数が少ないアルバイトやパートの平均賃金の計算方法は、別の記事で説明します。→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/48376255.html 労基法26条(クリック)→http://labor.tank.jp/hourei/roukihou.html#4章 ============================================================================================ ●労働相談はどこへ&労使トラブルの六つの解決方法→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun ============================================================================================ 憲法を守ろう憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。
戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。 更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。 |
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【プロローグ】 このところ、忙しく投稿できませんでした。久し振りなので、まずは自己紹介します。風太郎の姿は人の目には見えません。不当な扱いを受けている労働者に密着して、実況中継するのが仕事です。今日の風太郎は初夏の風となって、派遣労働者の山田恭子(仮名)の家に来ています。 彼女は、労働局の労働相談に電話しています。そして、労働局の担当者と話し始めました。その内容をお伝えする前に、平日の今日、何故、彼女が家に居るのか、その理由をお話しましょう。 恭子は30歳、ワードやエクセルの資格を利用して、今まで派遣で仕事をしてきました。派遣期間が終了して、他の派遣先へ移ることは何度も経験してきました。次の派遣が開始するまで、雇用保険の基本手当(所謂、失業保険)で生活したことも何回か経験しています。 しかし、今回のようなことは、彼女にとって初めてのことでした。昨日、「直ぐに帰れ!」と言われて、首になりました。それも勤めて4日目の出来事でした。彼女は幾つかの派遣会社に登録していますが、この派遣会社からの派遣は初めてでした。 彼女の派遣先は銀行の支店でした。派遣期間は6ヶ月で、更新はあると言われました。そして、最初の1週間は教育をしてくれる約束でした。支店に行ってみると、上司は派遣会社の女性社員でSV(スーパーヴァイザー)と呼ばれていました。 彼女にとっては、“仕事をする場所が派遣会社ではなく銀行の支店だから派遣だ”と思っていました。彼女が労働相談で話した労働局の職員は「派遣ではなく、派遣会社が受託した仕事を、派遣会社の従業員としてやっていたということでしょうね。」と言っていました。 しかし、彼女にとって許せないのは、3ヶ月間の雇用契約書があるのに、たった3日で首にするのは許せないと言うことでした。 【労働相談員との会話】 ★相談員 「酷い話ですね。事情は分かりました。解雇を撤回させて、気持ちよく働ける条件を作って欲しいと言うことですか。」 ☆恭子 「同じ管理者の下では働けないけれど、直ぐ首にするような酷い管理者を代えて頂けるなら働きます。」 ★相談員 「ところで、山田さんとしては何故首になったと思っていますか。」 ☆恭子 「最初、教材を与えられて自習を命ぜられました。分からないことがあるので質問をSVにしました。すると、マニュアルを投げてきて、“これに書いてあるわよ”と言われました。酷い教え方だと思いましたが、黙っていました。こういうことが、何回もありました。」 「一度、“ちゃんと教えて頂けないでしょうか。”と言いました。しかし、マニュアルを投げられました。言い争いはしませんでしたが、私の気持ちは顔に出ていたと思います。多分、SVに嫌われたんだと思います。」「派遣会社の本社は現場のこういう実態を知らないんでは無いでしょうか。」 ★相談員 「分かりました。最初から会社を悪者にはできませんので、会社に労働局へ来ていただいて、事情説明をして頂くことにします。」 「一度、こちらに来ていただいて、『助言指導の申出票』を書いて頂けますか。」 【エピローグ】 労働局の事情聴取の結果、会社は非を認めましたが。解雇は撤回されませんでした。しかし、会社は恭子の希望を受け入れ、労働局による“あっせん”が実施され、30万円の解決金を会社が支払うことで解決しました。 【参考】 ●労働局による「助言・指導」「あっせん」については下を参照してください。 →http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/index.html 及び →当ブログの書庫「裁判外の紛争解決制度」 ●上記制度の運用については、各都道府県労働局により若干運用に差があります。当ブログの書庫「裁判外の紛争解決制度」で解説しているのは東京労働局を取材した内容となっています。 【解説】 このような期間雇用契約の中途において、一方的に解雇することは、社会通念上認められる余程の事情が無い限り許されません。(労基法18条の2)注意しなければならないのは、会社が「解雇はしていない。」と嘘をつくことです。「『明日から来なくて良い』」とは言った。しかし、これは厳しい教育の一環で、本当に来なくなるとは思わなかった。」などと、言い逃れをすることが多くなっています。 「『辞めてくれ』とは言った。しかし、本人が『辞めさせてもらいます。』と言った。だから、合意退職だ。」などと、主張する場合もあります。 大切なのは、解雇であることをハッキリさせることです。解雇という言葉を使わないときは、「それは解雇ですか」と聞くことです。そして、解雇と言われたら『解雇理由書』を要求することです。解雇をされた社員から『解雇理由書』を要求されたら使用者はそれを拒否できません。(労基法22条)そして、この『解雇理由書』はその後の紛争解決に大きな力を発揮します。 「解雇ではない。」と言われたら、厳しいけれど出勤すべきです。「無断欠勤」と言われかねないからです。この場合には別の闘い方が必要になります。 ============================================================================================ ●労働相談はどこへ&労使トラブルの六つの解決方法→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun 憲法を守ろう憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。 更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。
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