|
(労働審判その1)は右をクリック→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/46291476.html 【平均2ヵ月半で決着】 風太郎は、昨年始まったこの労働審判制度が労働者にとって利用しやすく有利な制度となることを願っている。裁判は、平均1年はかかる。これは、労働者にとって辛いことである。1年経った労働審判の審理期間はどうだろう。昨年の4月〜12月までの実績で全国平均が72.9日、東京地裁の場合には、更に10日短く65.9日である。 民事訴訟とちがって、これだけ迅速な紛争の解決になるのは、原則として3回以内の審理で終了する制度設計になっているからである。3回と言っても実質的な審理は2回で最後の1回は調停が不成立となれば審判が下される場となる。これだけ短期間で終る関係上複雑な事案には向かない。 労働者にとって辛いのは長期間になることと経済的負担である。裁判所に払う費用は民事調停と同額である。裁判所に払う費用は、大したことは無い。次をクリックして民事調停の申立費用の欄を見て頂きたい。 →http://www.courts.go.jp/kyoto/saiban/tetuzuki/tesuryo_ichiran.html 費用の大部分は、弁護士費用である。弁護士費用は自由化しているのでマチマチであるが、東京で一番多く労働審判を手掛けている旬報法律事務所の弁護士費用がHPに載っていたので参考にしていただきたい。 →http://www.junpo.org/Offer.html 【解雇事件がやはり一番多い】 昨年の4月〜12月に東京地方裁判所が受け付けた労働審判件数の合計が258件である。その内の約半数120件が地位確認など=解雇事件である。2番手が所定賃金の不払いなどで49件、3番手が損害賠償など(苛めやセクハラが含まれる)で28件、4番手が退職金の不払いなどで24件、続いて残業手当不払いなどで14件、その後に解雇予告手当、配転命令無効確認、その他と続く。 風太郎はセクハラやパワハラの事件は、証拠が無い場合が多く労働審判には向かないと思っていたが、経営者も隠しようの無い事件も多いようだ。パワハラやセクハラでは、加害者を相手にして争いたいという被害者がいるけれど、労働審判では相手にするのは事業主である。事業主の管理責任を問う形となる。もっとも、利害関係人として加害者を参加させる手続をとる方法もあるので利用したら良い。 【裁判より現実的な解決方法】 労働審判の70%は調停で解決するので、現実的な金銭解決になる。これは、通常の裁判での和解と同じようなものである。この点では、通常裁判も労働審判も同じである。違うのは、労働審判の場合には、裁判の判決に当たる審判で、労働者が望んだ場合に現実的な金銭解決の審判が下されるということだ。例えば、「本件解雇は、無効とする。会社は労働者に8か月分の賃金相当額000万円を支払え。労働者は、退職することとする。」というような内容の審判となる。裁判では、このような判決は無い。 裁判の場合、例えば解雇事件の判決としよう。労働者が勝訴する場合には、解雇の無効が言い渡され、それまでの賃金の支払いが命じられるだけである。それで、労働者が職場復帰できるかというとそうはならない。職場復帰を命じる判決が出されたことは無い。過去の解雇は無効になっている。判決時点までの賃金の支払いが命じられる。 裁判所は、これから先の職場復帰に言及しない。解雇は、無効となっている。それまでの賃金は支払われる。会社は、敗訴しても労働者を自宅待機にしたり、酷い場合には、再度解雇したりする。労働者が職場復帰するためには、まだまだ闘いが続くのである。労働組合や争議団の支援なくして簡単には職場復帰はできない。勿論、調停や和解では、職場復帰もあり得る。 逆の場合、解雇が有効とした労働審判が下った場合に現実的金銭解決はあるのだろうか。そのような審判の事例は既にあったと聞いている。「この解雇には、正当な理由があり、有効である。しかし、労働者の主張も一部道理がある。従って、解雇は有効とするが会社は解決金として00万円支払え」という風な内容となる。裁判では、このような判決は有り得ない。「原告の訴えを棄却する」とされるだけである。 【現場を知っている審判員】 労働審判には、もう一つの特徴がある。労働審判は3人で構成される労働審判委員会によって行われる。裁判官から選任された審判官が1名、経団連などの経営者団体が推薦した審判員が1名、連合や全労連などの労働団体が推薦した審判員が1名の3名がそれぞれ一人1票の立場で構成される委員会である。 経営者団体や労働団体から推薦されたといっても利益代表ではない。3人が公正な立場で審理に望む。労働審判に関する労働弁護団の弁護士の講演で聞いた話だが、当初、裁判所は、経営者団体から推薦された審判員と労働者団体から推薦された審判員の間で意見が分かれ収拾がつかなくなることを心配していたそうだ。 しかし、実際は、経営者団体が推薦した審判員と労働者団体の推薦した審判員の意見は殆ど一致するそうである。むしろ、現場を知らない裁判官から選任された審判官との間で意見が分かれるとのことである。現場を知るものと知らないものの差であろう。労働者団体の推薦した審判員も経営者団体の推薦した審判員も一定規模の職場の常識を持って参加する。現実の事件は、圧倒的に中小零細企業の事件である。審判員たちにしてみれば、これは酷い、こんな酷いことが行われているのかと驚いているのではないだろうか。風太郎は、現場を知っている者が審判に加わることの意義は大きいと思う。 憲法を守ろう憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。 更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。
|
労働審判制度
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
|
【70%が調停成立】 2006年4月に始まった労働審判制度も1年が経過した。風太郎は、何人かの弁護士にその使い勝手を聞いてみた。その結果を2回に分けて報告することにした。 労働審判では、裁判の場合の判決にあたる審判の前に調停が行われる。これは、話合いによる和解と思えば良い。労働局の「あっせん制度」に似ているが、決定的にちがうところがある。例えば解雇事件の場合、本件解雇は無効か有効かの結論を踏まえての調停案がつくられる。ことの良し悪しを踏まえての調停案というところが特徴である。 労働局の「あっせん制度」では、事の良し悪しの審査はしない。公益委員であるあっせん員は、「裁判になったら時間とお金が掛かるから、この場で金銭解決した方がお互いに良いではないか」などともちかけ金銭解決を促すだけである。もちろん経験豊かな弁護士などがあっせん委員になっているので、「裁判になったら会社は不利ですよ」程度のことは言うかもしれない。しかし、結論を踏まえての調停案とは分けが違う。 風太郎が驚いたのは、労働審判で調停が成立する事件が70.5%に及ぶということだった。それに、審判が出されるものが17.7%、審判が出されたもののうち半分が不服として本訴(裁判)に移行する。結果として8割近く(70.5+17.7÷2=79.4%)が労働審判制度で解決しているということだった。この数字は、証拠があればかなりの確立で見通しがつくことを意味する。 【ADRへのプラスの影響が期待できる】 これは、通常の裁判と比べても極めて高い数値である。労働分野でのADR(注を参照)の代表格である労働局のあっせん制度は、参加不参加が任意の示談交渉のようなものなので話合いさえ行われない事案が50%に及ぶと言われている。 もっとも、参加さえすれば8割ぐらいは解決に繋がっていると聞く。あっせん制度は無料で利用できるのが特徴だ。労働審判は、参加が強制される点も有利である。8割方解決するとなれば利用も増えるのではないかと思われる。上で述べたように、労働局のあっせんは無料で利用でき1ヶ月から2ヶ月で終了することが労働者にとって有利である。 しかし、出席が強制されていない点が弱点となっている。あっせんに出席する企業は、裁判所を利用されたくないからという理由で出席を決断することが多い。労働審判制度が周知され、その利用が進めば、労働審判に持ち込まれることを避けるためにあっせんの出席率が高くなることが期待される。無料で利用できる制度の有効性が高まることは、経済的に弱い立場の労働者にとって重要である。 注:ADR=Alternative Dispute Resolutionの略、裁判外紛争解決制度と訳す。国民生活センターや各地の消費生活センターが、企業と消費者である被害者の間に入り紛争の解決にあたっていることは良く知られている。ADRをより詳しく知りたい方は右をクリック→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E5%88%A4%E5%A4%96%E7%B4%9B%E4%BA%89%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%AE%E4%BF%83%E9%80%B2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B 続き(労働審判その2)は、右をクリック→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/46432683.html 憲法を守ろう憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。 更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。
|
|
【裁判所が少し利用しやすくなった】 労働者にとって裁判所の利用は高嶺の花、莫大な費用と時間が掛かります。この4月にスタートした「労働審判制度」は、司法制度改革の一つとして導入されました。高嶺の花の裁判所が、少しでも労働者にとって利用しやすいものになったのでしょうか。 10月12日の東京新聞に「労働審判制度が順調」との表題で記事が載りました。それによると、全国の地方裁判所に対して4月~8月の5ヶ月間に466件の申立があったとのことです。すでに終了した212件の内訳は審判まで至らず調停に移行して解決したものが7割の147件、労働審判の言い渡しが33件、取り下げが16件となっています。 【迅速な解決】 労働裁判では平均的に1年弱の期間を要していて、労働者にとっての高嶺の花の一つの理由でしたが「労働審判」の平均所要に数は64日で2ヶ月強となっています。期間が長ければそれだけ弁護士費用も掛かるわけで、若干ですが労働者に利用しやすい制度になったと感じます。 【審判員の質が高い】 東京新聞の報道では、難波孝一東京地裁判事の話しとして「審判員の質が高く、中立の立場で両方を説得してくれる人が多い」としています。 労働審判制度では、裁判官である審判官1名と日本経団連の推薦者の審判員1名、連合や全労連の推薦者の審判員1名の計3名で審判が進められることになっています。そして、審判員はそれぞれの利益代表になるわけではなく、中立の立場に立ちます。 労働の現場に詳しい審判員が加わることで、より現実的な判断がされているのではないかと思われます。 【残された問題と積み残しの課題】 裁判所と言う所は弁論の場です。労働審判でも勝つ為には弁護士に頼らざるを得ません。高い弁護士費用を払わなければならないのであればこの制度が飛躍的に増えることは期待できません。連合などでは代理人が無理なら、組合関係者の補佐人だけでも認めて欲しいと要求しているとのことです。 更に3回の審理で終了する労働審判には不向きな紛争があります。苛めや嫌がらせと言った実証が難しい問題、不利益変更や人事評価をめぐる争いなど複雑な、3回の審理では終了することの難しい問題は通常訴訟にならざるを得ません。しかし、争いの件数の多い解雇をめぐる問題は、労働審判で相当数解決しています。 【今後の利用拡大を期待】 労働審判制度の利用が広がれば、労働局の「あっせん」の制度なども有効な制度になっていき、労使紛争の解決の道が広くなっていくものと期待せずにいられません。 【関連サイト】
●最高裁の労働審判解説:→http://www.courts.go.jp/saiban/wadai/1803_02_roudousinpan.html ●労働審判制度スタートを伝える赤旗の記事:→http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-03-12/2006031225_01_0.html ●当ブログの関連記事(その1)→ http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/30191857.html ●当ブログの関連記事(その2)→ http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/30281097.html |
全1ページ
[1]






