出向先を自分で探して来い!最近の労働相談では、耳を疑うような出向命令が行われるようになった。「ここまでやるか!」と思われる出向である。決まって、労働条件の大幅な引き下げを伴っている。在籍出向をさせながら事実上は移籍出向で、出向先を倒産させるケースまである。しかし、今日紹介するのは、今までにない異質な出向である。今までの常識的な出向制度通常、出向と言うと作ったばかりの子会社の経営を安定させるため親会社の社員を親会社との労働契約を維持しながら在籍出向させるケースなどを想定する。経営が安定した子会社との定期的な人事交流の場合もある。大きな企業では、労働組合との間で出向に関する協定が締結されていて、労働条件についても遜色が無いものとなっている。出向では、出向元と出向先の双方との労働契約が存在することになる。出向元と出向先の出向に関する協定によるが、通常は日常勤務に関しては出向先の就業規則が適用され、退職や懲戒や解雇といった身分に関する事項は出向元の就業規則が適用される。勤続年数や退職金も出向元の就業規則となる。 また、有給休暇は出向元からの通算勤務年数によって付与され、出向元の残日数は引き継がれるのが一般的である。更に、出向期間についても2年とか3年とか期限を決めているケースも多い。出向は、業務経験を蓄積する場でもあり、出向を積み重ねなることが昇進への近道となる場合もある。 このような、管理されたキチッとした出向の場合には、出向を拒否することが解雇の正当な理由となりかねない。 ◯ 出向に関する最高裁の判例「新日本製鐵出向事件」→http://www.liosgr.com/hanrei/h150418s.html なお、出向に関する法律としては「労働契約法14条」が有るので、以下にその条文を掲載します。 (出向)
第十四条 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。 出向先を自分で探して来い!中堅のマンション販売業者に勤務する42歳の男性労働者が訪ねてきた。大学卒業後、新卒で入社したので20年ほどの金属で、会社では古参の部類に入ると言う。「出向を強制されるのは違法と言えませんでしょうか?」との質問だった。私は、上に説明したようなことを説明し、「遜色のない労働条件で有れば、従うしかないでしょう。」と話した。 ◯ 労働者:「いや、出向命令はでてないんです。『出向先を自分で探せ』と強要されているんです。」 風太郎:「外資系ですか?外資系では、直属の上司に事実上の人事権が有りますからね。社内やグループ内へ自分を売り込まなければならないことは良くあります。」 ◯ 労働者:「いや、外資系では有りません。」 風太郎:「外資系に似てるかも知れませんね。グループ内への売り込みでしょう?」 ◯ 労働者:「いや、全然関係ない会社への出向先を自分で探せと毎日、強要されるんです。」 風太郎:「ハローワークでは正社員の口1人に対して数百人が押し掛ける状態です。探せる分け無いでしょう。無謀な強要ですよ。そんなこと言われてるのは、貴方だけですか?」 ◯ 労働者:「いや、古参の社員全員です。」 風太郎:「首尾よく出向先を見付けた人はいるんですか?無理でしょうね。」「探しているけど見付からないって言って、ノラリクラリしてる分けにはいかないんですか?」 ◯ 労働者:「見付けて、出向した人もいるんです。」 風太郎:「へえ!余程有能な社員なんでしょうね。すごいですね。」 ◯ 労働者:「いや、違うんです。給料の条件を半分以下に引き下げて面接を受けたんです。出向だから、退職金は出向元が払うんで、面接した企業も買い得だと思ったんでしょう。上司からは、勤務条件を引き下げて出向先を探せと命令され、どこの企業を訪問したか口頭での報告を求められるんです。たまりかねて、探す人もいるんです。」 風太郎:「と言うことは、出向先が決まると人事が相手先へ出向いて出向協定を締結すると言うことですか。」 ◯ 労働者:「その通りです。」「私としては、給料を半分にまで引き下げて出向するつもりは有りません。こう言う不当な強要は労基署では取り締まれませんか。」 風太郎:「労基署が取り締まれるのは労基法違反です。残念ながら、労基法には違反していません。労働局の「助言・指導」を利用して見るのも一つの手段ですが、判決を言い渡せる分けではないので、解決策にはならないかも知れません。やはり、一番いいのは皆でユニオンに入っての団体交渉でしょうね。 ※労働局の「助言・指導」→http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou-soudan/2.html この労働者は、会社の言うなりにはならず、頑張るつもりのようであったが、大変な闘いが続くことになるのだろう。
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配転、出向、移籍(転籍)
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ある全国チェーンホテルの従業員数名が風太郎を訪ねてきた。1年前に退職勧奨で相談があったホテルである。その時、風太郎が支援した労働者からの紹介であった。その時は労働局の「あっせん」を利用して退職条件に関する金銭解決で決着した。 話を聞いてみると全国に展開するホテルは殆どがフランチャイズであるが直営もいくつかある。その直営ホテルのフロント業務に勤務する社員全員に対して派遣会社への転籍を求めてきているとのことだった。 要は、今後は同じ仕事をしてもらうが、派遣会社に転籍して派遣社員の立場で働いてもらうとのことだった。それも系列の派遣会社では無く、単なる取引先だったという関係の派遣会社にである。会社も本人の同意が必要であることは分かっていて同意を求められているとのことであった。 問題は、移籍先の条件が何一つ示されていず、同意書だけが渡されているとのことであった。同意できるわけがないのは当然である。皆で、話し合いを求めてきたが、話し合いは2か月に及び拒否され続けている。 対象者は全国に散らばり、全員での話し合いは不可能だが、東京の対象者の一部で結束して会社への話し合いを求めているとのことであった。組合をつくる話は無いのかと聞いてみたら、一部からそうすべきだとの話はでているが、労働局の「助言・指導」は利用できないだろうかと思って相談に来たとのことであった。 風太郎は、「もちろん利用はできるが、申し出た労働者個人と会社とのトラブル解決が目的で、助言や指導がされたとしても会社には従う義務はないし、全国に対象者がいるのに会社が申し出た人だけ特別扱いして解決することも考えられない。労働組合をつくって団交を申し入れた方が効果的でしょう。」と答えた。 「労働組合なら対象者全員の問題としてできるし、ユニオンのベテランの同席も期待できます。ユニオンに入る気持のある人だけでも早く動き出すべきでしょう。」と付け加えた。 最近は、このようなユニオンに結びつく相談が増えているのは確かである。ユニオンの活動が活発化しているのも経営者側の動きに連動しているように感じている。
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【自分がどこの会社に所属しているか分からない労働者】 ある日、相談に来た労働者と話していた。労働者の話では、就職したA社の指示で、別のB社で働いていたが、今度はB社の指示でC社に行って働いた。ところが、C社で賃金が下げられたので、久し振りにA社に行って、社長に事情を話したら“お前はもううちの社員じゃあない”と言われたと言うのである。 会社も酷いと思うが、労働者も人が良すぎると思う。自分がどういう立場で別の会社で働くのか、労働条件はどうなるのか、全く確認をしていないのである。 【労働条件を示さず移籍か出向か二者択一を迫る事業主】 こんな相談もあった。都下で福祉関係の職場で働く労働者である。市からの委託料が減って、会社は、その職場の業務を別会社に譲渡してしまった。会社自体は別の現場も幾つかあり、存続するそうである。 その結果、会社から“仕事は今までどおり続けてもらうが、出向して続けるか、移籍して続けるか、1週間以内に返事しろ”と言われたと言うのである。風太郎は、“労働条件についての話しは無かったのですか”と質問したところ、何も言われてないとの返事であった。 労働条件を示さず移籍か出向か二者択一を迫るのは酷い話である。更に、言えば移籍も出向も選択しないで拒否し、今の会社に在籍のまま別の現場で働くという選択肢もあるはずである。 【騙されない為に、正確な知識を】 派遣には登録型の一般派遣と自社の社員を派遣する特定派遣がある。風太郎が強調したいのは、特定派遣も出向も移籍も、労働条件が変わるのであれば、本人の同意が必要だということである。移籍については、一旦退職して別の会社に行くわけだから労働条件が引き継がれたとしても同意が必要になる。 出向の場合には労働条件が引き継がれるなら包括合意があれば、本人の同意無しに命令できることになっている。包括合意とは、就業規則や労働協約に規定があることである。労働条件が変更になる場合には、どうしても本人同意が必要である。その辺の事情は、事業主も知っていて、強引に本人同意を取り付けるという実態もある。 何れにしろ、派遣や出向、移籍という話があったなら、労働条件について確認が必要となる。特に、移籍の場合には、一旦退職することとなるので退職金について確認が必要だ。定年までまだあるのに移籍という話しになれば、退職金の割り増しなど当然の要求となる。 出向の場合には、出向先、出向期間、出向の理由、出向中の身分、賃金、労働時間といった労働条件の確認は必要なことだ。退職金の計算で出向期間中が通算されることも確認が必要となる。有給休暇が引き継がれることも確認した方が良い。労働保険や社会保険についての確認も必要になる。賃金は出向先、出向元のどちらが負担しても良いことになっているが、念のため確認しておきましょう。 ============================================================================================ ●労働相談はどこへ&労使トラブルの六つの解決方法→http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun 憲法を守ろう憲法違反の人権侵害が横行しています。過労死と言う言葉は外国で翻訳せずに通じる言葉となりました。憲法が改定されて、日本が米軍に協力して一緒に世界中で戦争をする国になった時、労働者の人権はどうなるのでしょうか。戦争というものはマスコミなど全てを動員します。自衛隊員が世界のどこかで血を流して戦っているとき、日本の労働者の人権などどうでもよいことになるような気がしてなりません。 更に、憲法が改正され、日本が外国で戦争できるようになれば、軍事費は急速に増大するでしょう。アメリカから人命の提供と戦費の更なる支出を求められます。社会福祉に廻す金は無くなると思います。税金も上がるでしょう。格差はもっともっと拡大するに違いありません。
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