毎日10時に電話、しかし電話は殺到、仕事にあぶれる日も!
彼は、35歳の独身男性、ある弁護士の紹介で風太郎を訪ねてきました。貯金はゼロ、どうしても、その日に食べる為の現金が欲しいからという理由で日払いの派遣をしながら生活している。安定した月給制の仕事はしてみたいが、その日の現金が無いと食べられないから、日払い以外には、当面は考えられないと言っていた。
日払いの派遣と言っても、いろいろあって、彼は日払いではあるが、一定期間の仕事が保障される現場監督的なの仕事を探している。しかし、一定期間が保障される仕事は少ない。そんな仕事に就けた時は嬉しくて一杯飲むこともある。通常は、朝10時に派遣会社に電話して翌日の仕事をもらう。毎日毎日10時に電話するのである。日払いの求職者は多い為、10時に電話が殺到して繋がらない。やっと繋がったと思ったら「売り切れました。」とやられる。
彼は、常に数社の派遣会社に登録し、先々の仕事を確保している。そんな彼に、携帯電話は生活の必需品である。3月30日に、登録してあったある派遣会社から電話が入り4月5日から1カ月乃至2カ月の日払いの仕事が入ってきた。日給は9000円である。仕事内容はチラシ配布のアルバイトを管理する現場監督の仕事である。申し分ない仕事と思ったので「勿論、やらせていただきます。」と言った。
派遣会社の営業担当から「4月5日に派遣先の会議室で研修が有るから出席してください。詳しいことは後日連絡するからお願いしますね。」と言われ電話を切った。明らかに雇用契約は成立しているはずであった。うっかり派遣先会社名を聞くのを失念したが、どうせ詳しいことを連絡するからと言われたので、その時に分かることだと思っていた。
4月5日からは、不安定な細切れ派遣からは解放されて少なくとも1カ月は安定した収入が確保できるとホッとしたのである。家賃の55,000円の支払いも何とかなるし、5月に予定される賃貸契約更新料55,000円の支払いも大丈夫かもしれないと思った。
ところが営業担当から日が迫っても電話が無い。不安に思って、派遣会社に電話するが「担当者が出先で分からない。」と言われる。担当者に要件を伝えてくれるよう、また至急電話を頂けるようお願いするが音沙汰なし。
とうとう研修予定日が過ぎてしまった。4月5日の雇用契約初日になっても連絡が無い。彼は、温厚だが、さすがに腹にすえかねて責任者に電話で抗議した。その直後、担当者から電話が入り「誠に申し訳ない。」「お詫びします。」の繰り返しである。彼は、「お詫びより仕事はどうなったんですか。」と聞いた。すると営業担当は「たった今キャンセルになりました。」と言った。補償を要求したが断られた。
その後の経過を書くと長くなるので、この辺で止めにしますが、結局彼の収支計画は破綻し、家賃は滞納することになった。携帯電話も滞納で切られてしまったが、電話が無いと仕事にもありつけないので新しい電話ゼロ円を購入して使っている。
今、解決の為の援助を行っているところだが、派遣法の改正は必要だが、セーフティーネットを作りながらでないと、日払いの仕事をしている労働者にとっては、短期派遣の禁止が死活問題になりかねないと感じた次第である。
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