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抗コリン剤について書いてとの要望にお答えして。
専門用語が多くなり少し難しくなりますがお付き合いを。
神経はその伝達にアセチルコリンという物質が関与します。その
アセチルコリンに抵抗するということで「抗コリン剤」
なのですが、これが単純ではないのです。
(あ〜〜、説明が難しいぞ。)
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は興奮することで、心臓の鼓動を増進・血管を収縮・気管支を拡張等の作用をします。
副交感神経が興奮すると消化管運動の亢進等となります。
交感神経は昼の神経、副交感神経は夜の神経とも言われます。
昼間活動するのに必要な神経が交感神経で、夜寝ているときに活動するのが副交感神経だと思ってください。
そして、
交感神経の興奮と副交感神経の遮断。副交感神経の興奮と交感神経の遮断は、見かけ上同じような効果がある
と考えてください。
神経伝達経路にはレセプター(受容体)というものがいくつかあり、その受容体に選択的に作用することでそれぞれの器官に作用します。
アドレナリンという言葉を聞いた事がありますね。交感神経のα受容体の興奮に関与し、血圧を上昇させます。β受容体はノルアドレナリンが関与し気管支に作用します。
これ以上は専門的になり短い文では説明しきれないので割愛させていただきますが、交感神経興奮といってもその作用はいくつかに分かれることを判ってほしいのです。そしてこれも、針の穴を通すようにそこだけというわけでなく、他の器官にもある程度の影響を及ぼします。(このへん判りにくいかな?)
さて、ここからが坑コリン剤についてです。
実は抗コリン剤とは、副交感神経遮断剤のことなのです。
抗ムスカリン作用ともいいます。
(ムスカリンとはある種の毒キノコに含まれるアルカロイドで、ムスカリン性アセチルコリン受容体に結合し、副交感神経節後線維の伝達を刺激します。)
抗コリン剤は消化液の分泌の抑制作用から、かつては消化性潰瘍治療剤として使われていましたが、現在では他の薬品に取って代わられています。
副交感神経を遮断し、交感神経が優位に立つことで様々な作用をします。
平滑筋運動抑制として、胃腸管・胆道・尿管の痙攣抑制。胃酸の分泌抑制。膀胱の不随意収縮による頻尿・失禁の改善。迷走神経機能亢進による除脈。パーキンソン病の治療。散瞳。気管支喘息等の気管支拡張等の作用があります。
抗コリン作用のある薬剤は、制吐剤、鎮痙薬、気管支拡張薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、降圧薬、パーキンソン病治療薬、コルチコステロイド、骨格筋弛緩剤、潰瘍治療薬、向精神薬、抗うつ薬、催眠薬など、数多くあります。
抗コリン作用が多義にわたることが判っていただけると思います。強い・弱いはあるもののこれらの薬剤はすべてその作用があると考えていただいてかまいません。その中で作用の強い部分を取り上げて効能としています。医薬品とはこうしたものなのです。ですから、副作用の無い薬は無いといわれるのです。おっと横道だ。
実はバップフォー・ポラキス等の排尿障害治療剤はこの抗コリン作用があるのです。膀胱を弛緩することで溜まる量を多くし、頻尿や尿失禁をおさえる。
ではなぜ抗コリン剤が前立腺肥大に禁忌なのかは、尿道を収縮してしまうからです。尿の出が悪くなります。膀胱は弛緩しますので、こちらでも尿の出を悪くします。
同じような症状でも、原因が変わると使用する薬剤がまるっきり正反対になる例です。
副作用は、自律神経症状では、口渇、便秘、悪心、食欲不振、排尿障害、散瞳、発汗障害等があります。
精神症状では、精神錯乱、幻覚、昏睡、興奮、けいれんなどがあります。
特に口渇、便秘は多く見受けられる症状です。
また認知機能(記憶、集中力など)の低下もあるといわれます。
抗コリン剤はその作用が広範囲に渡ることから、副作用も多く使い方が難しい薬剤です。
これ以上簡単に説明できない。
判りにくかったら、ごめんなさい。
難しい言葉は流してください。
なお、薬剤師は「この病気にはこの薬」ではなく「この薬は体のこの部分にこのように作用する」というのが仕事です。
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