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未来へのヒント
船井幸雄
先月1月21日に81歳で亡くなられた、経営コンサルタントで船井総合研究所の創業者である船井幸雄氏の「未来へのヒント」を皆さんの明るい未来を開くヒントになればと紹介しましょう。
≪これらからどんな生き方をすればいいか
1まず「基本」を行なおう
最初に「いまはむずかしい時期」、次に「地球は変わりはじめた」、だからこうなると予測を最初にいいましたが、三つめに「生き方の発見」、つまり、いまからどう対処したらいいかという話をしたいと思います。
いまのようにむずかしい時期には、ふつうの人には今後の世の中がどうなるかわかりません。そこで、どのようになってもうまくいく方法をとることです。
それは、「基本をしっかり行なうこと」です。これが「生き方の発見」の第一であり、また、うまく経営し、うまく生きるコツでもあるのです。
私が経営コンサルタントを三十年続けてきて、絶対これだけは間違いない、きちっと当たった「基本」がいくつかあります。
そのうちの一つか二つだけで、ほとんどの相談に対して答えが出て、うまくいくのです。その中の三つをここで説明します。
(1)圧縮法
一つは、どうにも業績が悪くて仕方がなかったら、まず「圧縮法」でリストラ(リストラクチャリング、企業再構築)をしようといっています。圧縮といっても、経営の三要素である「人、物、金」は圧縮せず、入れ物だけを圧縮するのです。
たとえば小売店の場合、百坪の売場であれば、ふつうの商品なら年間で二億円くらいの売上げになるはずです。
それが一億円以下しか売れないような場合は、売り場面積を半分に削って、そこに店頭在庫をそのまま押し込むのです。
ただし、従業員のほうを減らしてはいけません。そうすると、売り上げが三割ほど伸びますから、即座に効果が上がり、利益が出て、だいたい採算が合うのです。これが圧縮法です。
圧縮法で多少リストラを終えて、ほっとしたところで、あまった場所をどうするかというと、無料で使わせてあげればいいのです。
たとえば、量販店の売場が四階にあるなら一階と二階に圧縮します。
そして三階と四階は、近辺の人に「保証金も家賃もゼロでいいから、どうぞ入ってください」というと、入居の希望が殺到します。
そして半年ほどたったら、「すみませんが、私たちの家賃分の税金もかかるし、ほかにも経費がかかって赤字なので、多少の保証金と家賃ぐらいは、いただけませんか」といえば、ちゃんと払ってくれます。
私は以前、よくこの方法を使って、みなうまくいったものです。
これが圧縮法の発展型で「圧縮付加法」です。付加する部分では稼ごうと思わずに、無料にすれば、やがて儲かるようになるのです。
(2)長所伸展法
それでうまくいったら、次に「長所伸展法」でツキをつけましょうといっています。長所伸展法というのは、よいところだけ伸ばせばいいという方法です。
そうすれば、ぐっと売り上げが伸びます。人間でも同じです。自分の子どもに欠点ばかりいえば、子どもは、そのうちにきっとだめになります。
欠点是正というのは、いちばん要領の悪い方法です。これは真理ですから、知っておいていただきたいものです。
「おまえは、英語ができない」といえば、英語がよけいに悪くなります。それならどうしたらいいかというと、数学がいちばん得意なら数学を、野球が好きなら野球を、一生懸命させればいいのです。
そうすれば英語もできるようになります。これは学習塾などで成績を伸ばすもっとも簡単な方法として使われているものです。
先般、たしか朝日新聞の「天声人語」に書いてあったことですが、デンマークで、一流の医師を集め、四十歳から五十歳くらいの人を六百人選んで、一年間、徹底的な健康管理をしたそうです。
一方、健康管理など何もしなかった六百人を選んで、両方の結果をくらべたら、健康管理を徹底的にした人たちのほうが、みな悪くなっていたのです。
その理由は簡単なことで、医師による健康管理というのは、悪いところばかり指摘するからです。船井総研には医院の得意先も多くあるので、「人間ドックでは、受診者に悪いところを言わないほうがいい。よいところだけいって、あとは黙ってよくなる方法を教えてあげなさい」といっています。
ですから、私のコンサルティングの方法は「得意先へ行ったら、必ずほめる」ということです。
どんな状況でも「よい会社ですね、よいお店ですね」といい、その次に「何が、いちばん得意ですか」と聞き、「その得意なもので、うんと伸ばしなさい」という。これで、うまくいくのです。
「欠点はここですよ」などといって、欠点をつつくと、結果はよくならないのです。
(3)クリニック・セミナー法
このように、まず圧縮法で、あるていどまでもっていったら、次に長所だけをうんと伸ばすと、業績はぐんと上がります。
その次に、三つ目として、「クリニック・セミナー法」があります。これによって「納得して自信を持って一体化して、新しいことをする」のです。
この方法は、まずはじめに意思決定をする人、あるいは働く人が一緒になって、いろいろな現場を見て回るのです。
たとえば、具体的にいうと、昭和四十四年に私は寿屋というスーパーマーケットと顧問契約をしました。
当時、年商二十八億円、利益が二千万くらいでした。店舗は熊本を中心に南九州地区に十四店ありましたが、それを私は二日間かけて全部見ました。そして当時の社長と「十年間に、売り上げを五十倍、利益を百倍にしよう」と約束をしました。
かなり大きなホラのようですが、私には自信がありました。その理由は、当時すでに大きな売場の店が非常に儲かることを知っていたからです。
そのころ、人口四〜五万人から十万人のところで、私はすでに大店舗を成功させていました。
たとえば、人口四万人の愛知県の津島市で二千坪近い店を、また人口十三万人の岐阜県の大垣でもヤナゲンという百貨店で三千坪ぐらいの店をつくっていました。
埼玉県の川越ではマルヒロが四千坪で好業績を上げていました。当時の寿屋は、熊本の店だけが千二百坪ぐらいで、あとは四百五十坪程度の店ばかりだったので、店舗を大きくすればよいと判断したのです。
まず寿屋の幹部に「百貨店法にぎりぎりのような小さな店をやめ、大きな店にしなさい」と提言したところ、「そんなことをしたら、つぶれる」と、はじめはだれも納得しなかったのです。
そこで幹部二十人くらいと一緒にマイクロバス一台で、一週間かけて大阪から東京間を、それぞれの街でいちばん大きく、いちばん儲かっている店ばかりを見て、そこの社長に話を聞いて回りました。
そこで寿屋の幹部も納得して、翌年、約四百五十坪の延岡店を二千七百坪に、また、その次の年に約四百坪の宮崎店を六千坪にしました。
資金繰りは苦しかったが、あっという間に売り上げが伸びて、ちゃんと利益が出たのです。
十年後の昭和五十四年には、年商が約千五百億円、利益はたぶん七十億円以上になり、一部上場企業にもなりました。
このように、一緒に現場を見て、納得してもらって勉強を進める方法を「クリニック・セミナー法」といいます。実際に見て納得すれば、自信が出て一体化できるのです。
そこで一般論として、何を見ればよいかというと、まず第一に「伸び続けている会社」を見ることです。
そういう企業は、私の会社の顧問先だけでも、大から小まで二百五十社はあります。その会社のよい点を、全従業員でなくとも幹部だけでも、実際に見ることが大切です。
第二に「話題のもの」を多く見ることです。たとえば東京近辺なら、レインボー・ブリッジや羽田空港の新しいターミナルビルなどがあります。
第三に「本物」をたくさん見てきなさいといっています。世の中の流れがわかるからです。
そして第四に「不思議なもの」を見てくることです。いま、不思議なことがいっぱい出てきていますが、本来、世の中には不思議というものは存在しないのです。
たとえば、先に話しました青木さんの遠当ての術にしても「不思議だ、そんなバカな」と思うのは、実は自分の知恵が足らず、それを理解するに至らないだけのことであると考えてよいのです。
私たちは知らないことが多いので、不思議なことのように思うのです。
実際に見てきたら、それぞれのことがらについて特別に詳しい人、超専門家の意見を聞くということが大切です。それは判断の方向を間違えないようにするためです。
そのうえで、世の中のためになることであり、儲かるものであり、自分に合うもの、つまり「善であって、利があって、体質に合うこと、しかも、納得できて自信があって一体化できるもの」を見つけて実行すれば、先が大きく開けます。以上が「基本をしっかりつかむ」ということです。
2「解」の方向を見つけよう
「生き方の発見」の第二は、「解」の方向をつかむことです。どう考えたらいいかということ、これを「解」といます。どのように生き、どのように経営したらもっともよいか、その方向を見つけなさいということです。
そのためには、「解」のポイントが三つあります。
まず一つは、「良心に合うようにしなさい」です。世の中には、こんな商売をやっていいのかなと思えるようなことが多くあります。やはり、良心に合わないことはしないことです。
二つめは、自然を活かし、より自然をよくしなさい、つまり「自然にしたがいなさい」ということです。自然は大事ですから、それを悪くするようなことは、しないことが重要です。自分より自然のほうが大切です。
三つめは、「マクロに長期に根源から見なさい」ということです。そうすれば、方向がわかります。ものごとを見る場合、マクロで、長期的で、根源的な視点から見るのです。
このような見方をすると、「本物化、単純化、統合化、いきいき化」という方向で生活すればよいことが解ります。
これらは、みなお互いに繋がっていて、同じことです。本物化すると、単純化します。
すると活き活きしてきて、しかも統合化します。
これは「ものごとを分けて考えない」という方向を示しています。このように「解」の方向を見つけると、人生が楽になり、「生き方の発見」ができます。
3「ツキ」をよくしよう
結論をいうと、「どんどん勉強して、解の方向を見つけ、基本にしたがっていくと、たいていツキが回ってくる」ということです。
これは、たぶん創造主があって、私たちの体がつくられたと考えられるからです。体によいものを受けると、体がやわらかくなって力が強くなるのは、体をつくったのが大いなる意志だという証明です。
創造主は、人間が正しく生きたらツキがよくなるようにしてくれるはずです。
ですから、病気になるのは創造主の思いと違うことをしている証拠です。ツキが悪いのも貧乏になるのも、たぶんそうです。そこでツキをよくして、楽しく生きていただきたいのです。
それから、創造主は世の中をうまくつくってくれていて、「この世で起こることは、すべて必然、必要で、ベストのことしか起こらないようになっている」と思うのです。
これは十年前、私が五十歳のころに知ったことです。この世で起こることは偶然や不要なことは絶対になく、みなベストのことですから、どんなことが起こっても、その意味を考えれば、納得できます。
そしてどんなことが起きても、そのことを感謝するのです。たとえきょう、父親が死んでも、自分が交通事故に遭っても、感謝するのです。必ずその理由があるはずです。
そのように、感謝して、楽しく前向きに考えるのです。そうすれば、楽しい生き方ができます。どうか私の話を一つのチャンスにして、何かプラスになるものを取り入れ、上手に生きて戴けたらと思います。
本章で記述したことは第四章で論理的、体系的に説明しています。第四章とあわせてお読みください。
2感謝すればガン細胞も消える
また大塚晃志郎さんの近著『人のからだはなぜ治る?』(ダイヤモンド社刊)は、人間の心身の関係を専門家として見事に説明しています。
松本英聖さん、寺山心一翁さん、大塚晃志郎さんのこれだけの文章をお読みいただきますと、私がここで述べたいことが完全にご理解いただけることと思います。
「ガン細胞は消えることがある」のです。
ともあれ、ガン細胞はガン患者がガンに心の底から感謝すると小さくなり、やがて消滅する方向をたどるようなのです。
そこで、心の底から何かに感謝している人の脳波を測りました。そのときは、だいたいθ波の脳波が出ていることがわかってきました。
これが一つの決め手だったのです。
そこで少し実験をしました。
第三章で述べました石川美智子さんから送られた資料の中に、『宇宙創造神の御教え』として、「強く正しく明るく、我を折り、宜しからぬ欲を捨て、皆仲良く相和して感謝の生活をせよ」とあり、
「憎しみ、嫉み、猜み、呪い、怒り、不平、不満、疑い、迷い、心配ごころ、咎めの心、いらいらする心、せかせかする心を起こしてはならぬ」とあるのですが、測りますと、この前者のときの人間の脳波はθ波以下ですし、後者の場合は明らかにβ波、それも20ヘルツ以上がふつうなのです。
結局、この『宇宙創造神の御教え』というのは、人間の蘇生化、崩壊化の条件を詳しく教えられたものであるといえそうです。
ともあれ、われわれのいままでの生き方では、崩壊化の方向に自らの体も進めていたといえるようです。これからは人々に心のもち方を変えようと提案したいと思っています。≫
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