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9月19日(土) 22時07分配信 朝日新聞より ニューヨークで22日から開かれる気候変動ハイレベル会合(気候変動サミット)を前に 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が朝日新聞に寄稿した。 2週間ほど前、私は北極を訪ねた。
わずか数年前までは荘厳で巨大な氷の塊だった、氷河の残骸を見た。それは崩れ落ちていた。 ゆっくり溶けたのではない。崩れ落ちたのだ。 人が住む世界最北端の地から、北極の氷の端にたどりつくには、船で9時間かかった。 あと数年もすれば、この同じ船が、北極点まで何の妨げもなく航海できてしまうのかもしれない。 2030年までには、氷が本当にまったくない北極になってもおかしくない。 私が聞いた科学者の発見は、はっとするものだった。 私たちすべてが、影響を受ける気候変動にとって、北極は炭坑のカナリアのような存在だ。 私は、その変化の速さに危機感を抱いた 。 さらに悪いことには、北極の変化は地球温暖化をより加速させる。 永久凍結層が溶けると、メタンが放出される。二酸化炭素の20倍強力な温室効果ガスだ。 グリーンランドで氷が溶ければ、海水面が上昇する恐れがある。 その間にも、世界的に温室効果ガスの排出は増え続けている。 私はそれだけに、私たちが今、行動しなければならないと確信している。 だから、9月22日、国連に約100人の世界の指導者を集め、気候変動に関する特別首脳会議を招集する。 史上最大規模の首脳会議だ。 その共同の挑戦とは、気候上の危機を、 より安全でクリーン、より環境に優しい持続可能な成長への機会へと、変革することだ。 鍵は(国連気候変動枠組み条約締結国会議が開かれる)コペンハーゲンが握る。 ここに12月、各国は、気候に関する世界的な新しい合意に向けた交渉のために集まる。 指導者たちへの私のメッセージは簡潔だ。 世界は、公正で、効果的で、志あふれるコペンハーゲンの合意をあなたがたに求めている。 それができなければ、これから何世代にもわたってツケを払うことになるだろう。 気候変動は私たちの時代の極めて重要な地政学上の問題だ。 それは、開発、平和、繁栄をめぐるグローバルな方程式を書き換える。 市場、経済および開発による収益を脅かす。 食糧と水の供給を枯渇させたり 、 紛争や移民を誘発したり、 あるいは脆弱な社会を不安定にしたりする可能性がある。 政府すら転覆させかねない。 誇張表現? 世界最良の科学者によると、そうではない。 もし、今や私たちがコントロールできなくなりつつある強大な自然の力が、 猛威をふるってしまう事態を回避しようと思うならば、 国連の気候変動に関する政府間パネルは、 温室効果ガス排出の世界的なピークを10年以内に迎えさせないといけないと述べている。 '10年というのは、今回のサミットに参加する多くにとって、まだ政治的に現役の期間だ。 彼らの腕時計が動いている間に、気候の危機が生じている。 別の道はある。すなわち、現在の炭素集約的なモデルよりも低い排出量を志向し、 環境に配慮した技術や政策に基づいた、持続可能な成長という道だ。 世界的な景気低迷を受けて各国が打ち出した景気刺激策には、 雇用を創出したり、21世紀のクリーンエネルギー経済で各国が優位な地位に立てるようにしたりする 「グリーンな要素」が見て取れる。 変革はまだ定まらず、漂ったままだ。 温室効果ガス排出を減らし、かつ世界の気温上昇を科学的に安全なレベルに制限する、気候に関する世界的な合意こそ、鍵なのだ。 クリーンエネルギーの成長を促す、触媒のように働く合意だ。 もはや避けられない、この気候の衝撃を受ける、最も弱い立場の人々を 保護し、支援する合意こそ、一刻の猶予もない。 必要なのは、大統領、首相などの最高レベルの政治的意志だ。 交渉している部屋での合意を、素早い前進につなげる意志だ。 それには、国家間のさらなる信頼、想像力、野心、協力が求められる。 私は、指導者が腕まくりをして互いに話しあうことを望む。 これまで氷河のようなペースで交渉が遅れてきた政治的に重要な問題の解決へ、 さらなる努力を期待する。 皮肉なことなのだが、この氷河の表現は最近までは緩慢さを示すものだった。 しかし、私が2週間ほど前に北極で見た氷河は、 それらを溶けないようにするための人間の進歩よりも速いペースで溶けていた。 私たちは、目先の政治的なご都合主義よりも、 この惑星にとっての長期的な利益を優先しなければならない。 国の指導者たちは、長期的展望をもつ世界の指導者である必要がある。 今の脅威は国境を超越するものだ。 そして我々の思考も超越するものだ。 コペンハーゲンで細かなところまで解決する必要はない。 しかし、世界的な合意を成功したものにするには、すべての国々を巻き込まないといけない。 各国の能力に見合ったもので、共通の長期的目標を目指しているものでなければならない。 ここに、成功のための私の基準を挙げる。 【第1】 すべての国は、すべての主な排出源からの排出を減らすために最善を尽くさなければならない。先進工業国は、気候変動を和らげる目標を強化しなければならない。今の目標は国連の政府間パネルが必要としている水準に全く届いていない。途上国もまた、排出の伸びを遅らせ、貧困を減らす戦略の一環としても、環境に優しい成長を加速しなければならない。 【第2】、成功した合意とは、もはや避けられなくなっている、気候変動の衝撃に最も弱 い国々が、適応できるよう、支援するものであるべきだ。これは、より安定した安全な世界に対する賢い投資であると同時に、倫理的な命令である。 【第3】 途上国には、低排出での成長に素早く移行するための資金調達と技術が必要だ。取引は、炭素取引市場だを通じたものを含め、民間の投資にも開かれたものでなければならない。 【第4】資源は、公平な管理の下ですべての国々が発言権を持つ方法で配分されるべきだ。 今年のコペンハーゲンは、歴史の正しい側に立つ大きな機会だ。 災厄を避ける機会だけにとどまらない。世界経済の根本的な転換に着手する機会なのだ。 いま、私たちの帆は、力強く新しい政治の風を受けている。 何百万もの市民が活動している。 経験豊富な企業は、よりクリーンなエネルギーへと針路をとっている。 私たちは、この瞬間をとらえ、気候変動に対し果敢な行動をとらなければならない。 もうこんな瞬間はしばらく訪れないかもしれない。 変革はまだ定まらず、漂ったままだ。 さあ、私たちすべてにとってのよりよい未来のため、合意をつかみ取ろう。 : …☆…☆…☆… 日本国憲法 第九条より…日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、 武力による威嚇又は武力の行使は、 国際紛争を解決する手段としては、永遠にそれを放棄する。 : 潘基文・国連事務総長の寄稿の中には、 ≫グリーンランドで氷が溶ければ、海水面が上昇する恐れがある… のような、『認識の過ち』もありますが、これは、ささいなことです。 いまや『地球温暖化問題』と、『国際紛争の防止』は、思想の左右を超えた、 ≪人類全体と、未来の人類存続のための、共通の理念です。
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